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もう驚かない―経産省の裏金

2005年07月22日 19時39分37秒 | 社会全般
省庁の裏金なんて、経産省ばかりじゃないし、厚労省ばかりでもない。発覚しちゃったって、だけ。他も全部同じようなものだろうね。役人達の気質や仕組みが大きく違うわけないし、何処にでも隠してあるだろうね、多分。想定の範囲内(笑)だから。

Yahoo!ニュース - 産経新聞 - ユニセフ事業でも裏金 経産省

また経産省官僚の株取引かよ

役人は本当に生まれ変われるのか


ここで一句。
懲りもせず 裏金隠す お役人

ヘンなの。私はセンス悪いので、こんなのしか出来ませんが、本当に呆れるばかりですね。


前にも書いたように、一つや二つの裏金じゃないんだってば。全省庁のほぼ全ての部局だろ?役人達は、改める気などない。嫌な役回りは誰でも避けたい。分るよ、それも。でもね、隠せば隠すだけ苦痛が増えるだけじゃないか。子供でも知ってるぞ、そんなこと。引き継がれてしまったら、そっとしておきたい、自分が担当する2、3年くらいを目立たぬように過ぎ去ればいい、って思ったりするのだろうか。


そうやって裏金を隠してきて、時々誘惑に「モロ弱」の役人がいると、個人流用したり株投資で実力試しをしたり(笑)するんでしょ?古い時代の悪習として、「前からあった」って言い逃れ出来るし、でも本当はいつの時代にも補給金みたいに追加し続けてきて、歓迎会・送別会・忘年会の宴会費とかタクシー代とかに配るんでしょ?自分たちの課の運営費みたいなものなんでしょ?(笑)部活みたいな感じだけど、「部費」を集めるのではなく、国民から集めたヒトのカネで飲み食いしたりするんでしょ?いい気なもんだな、っていうか、かなりずうずうしいよね。よっぽど「タダが好き」で、自分のカネを出すのはケチで、他人のカネにたかるのが得意なんだろうな。誇りもないのかよ。仕事は半人前、だがカネへの執着だけは、人一倍ってか?


これは、警察もそう、官庁もそう、どこもかしこもそう、みーんな同じ体質。中央官庁から出向した奴らが全国に広めて回ったのさ、きっと。地方に出向いて行ったって、どうせ「どいつもこいつも、バカばっか」「本省に戻らなきゃ、脳ミソ腐る」「くだらね、こんなの仕事じゃないだろ」とか思っているだけで、全然楽しくないもんね。だから、悪巧みだけは伝授して、地方のお慰みを得る為に自分のカネじゃなくヒトのカネで思う存分遊べる財源をキープしたんだろ?中央から行くと、地方の役人達はバカだから、「接待費用は予算組めないんですよ」とか「”本省”をもてなす財源もないんですよ」とか言うので、「財源(裏金)はこうやって作るんだよ」と教えてあげたんでしょ?そうしたら、今はやりの言い方で言うと、「全国津々浦々」で裏金作りが一般化したんだろう。当然本省でそれをやってない部局があろうはずもない。そういう仕組みだったんじゃないのか?だから、時々ドジ踏むヤツがいて、バレる。全国の何処かで。


発覚するとマスコミが騒ぎ立て、国民も大袈裟に騒ぐ、と役人達は考えている。「何でオレ達だけが責められるんだ。全国どこでもやってるだろう。それに、こんなの今始まったことじゃない」って思うから、口惜しさ倍増なのさ。中には「民間は交際費があるからいいじゃないか。公務員は一切ないんだよ。その分頂戴したってバチも当たらないだろう」とか思う連中もいる。こういうのは、役人特有の「倫理麻痺」感覚なのかは判らない。でも、麻痺しちゃってる人達なんだろうと思う。他もやっているんだし、いいじゃないか、と。先日処分された兵庫労働局の事件だってそうだ。あれもたまたまバレただけ。道警も、福岡県警も、宮城県警も、高知県警も、愛媛県警も、どこでもそう。単に、バレただけ。ドジ踏んでシッポを掴まれたら、「運が悪かったね」だ。そういう感覚だ。だから、裏金は無くならない。やる奴も後を絶たない。そういう世界なのさ。おまけに漆間長官みたいなトップもいるからね。


改められるならば、もっと大昔に消え去っているよ。何十年も前の裏金が残っていたりはしないさ。他の省庁で逮捕者が出たり、発覚したら、普通止めるだろ?もう、止めようね、って誰しも思うだろ?ところが全く止めようとしない。若い奴らの万引きと一緒。ある生徒が捕まっても、他の生徒達は「もっとうまくやれば大丈夫」ってな具合で、反省しないのと同じ。頭がかなりオカシイんじゃないのか?


嫌だねえ、こういう世界って。これで何を、どう信じろと?
倫理感は完全に麻痺しているが、業務はきちんとできるよ、って?(笑)



宮城県警の不祥事

2005年07月22日 16時03分46秒 | 社会全般
浅野知事に対して、漆間警察庁長官の「言語道断」発言まで飛び出した宮城県警問題ですが、知事の調査権を認めた先月の判決に続いて、再び違法な出張旅費を認める判決が出されました。裁判所からの判断は、宮城県警の不正・違法性を認めているのに、未だ県警が態度を改めないというのは、明らかにオカシイですね。過去の会計監査をきちんと受けて、「悪かった」と心から反省し、県民の信頼を取り戻せるように努めるのが筋ではないか。何故そういう普通の感覚すら持てないのか、不思議である。そんな警察を国民が望んでいると思っているのだろうか。

Yahoo!ニュース - 河北新報 - また重い判断、原告評価 宮城県警旅費一部架空認定

上の記事より、以下に一部抜粋。

「カラ出張の疑いが強い」。宮城県警旅費返還訴訟の判決で、仙台地裁は21日、県警の出張の一部を架空と認定した。6月の県警犯罪捜査報償費返還訴訟の地裁判決に続き、県警の不正支出の疑いを認める司法判断が相次いで示された。県警側は「被告は職員個人で立証に限界があった」と敗因を訴訟技術の問題に集約しているが、識者らは「司法に身を置く立場として、同じ司法機関に断罪された事実を重く受け止めるべきだ」と指摘している。

 県警訟務室は、訴訟の被告が組織でなく、職員個人になっていることをとらえ、「出張費は適正に執行されているが、立証が不十分で、裁判所の理解を得られなかった」と敗訴の原因を技術論に特化している。県警幹部も「組織として対応できていれば結論は変わっていただろう」と同調。別の幹部も「一審だけでは決着は付かない。被告は控訴するはずだ」と上級審での逆転勝訴に望みを託している。

 しかし、報償費返還訴訟の判決で、地裁が「支出の相当部分に実体がなかった」と言及するなど、司法が県警の経理実態を懐疑的に見る傾向は強まっている。二つの返還訴訟の原告の仙台市民オンブズマンは「内部告発など不正支出の直接証拠がなくとも、支出の不自然さなど状況証拠の積み重ねによって、裁判所は常識的に判断してくれる」と、裁判所の姿勢を評価する。


参考記事:

都道府県警察への知事権限その2

漆間警察庁長官の言い逃れ


漆間警察庁長官は、これをどう受け止めるのだ?今度はどうして「宮城県警は言語道断である」とか(笑)、「県警の”違法”支出の実態を厳粛に受け止め、適正な改善措置を取らせるように、指揮監督権を行使したい」とか、何で言わないんだ?「裁判所認定の如き違法な支出があったことは誠に残念であり、治安維持にあたる警察組織の信頼を大きく損ない、ひいては県民の治安に対する協力を得られなくなる虞もある。こうした不正によって警察活動に大きな支障を来たすことは、警察庁の本意ではない。宮城県警のみならず、全国の都道府県警察に対しても適正に指導監督していく所存である」とか、答えるのが本当の警察トップではないのか。知事批判をする時は威勢が良くて、不祥事が明らかになった時は、いつもの如く「ダンマリ」か?都合の悪いことには、「見ざる・言わざる・聞かざる」か?随分と調子のよい長官なんですね。


裁判所は、正義と勇気を持って国民の信頼に応えようとしたのだと思う。「司法判断」「法」の信頼を損ねることのないように、「法」に基づく率直な判断を示したのだろうと思う。仙台地裁は、先月に知事権限・会計資料の調査権についての踏み込んだ判断を示し、今回も警察組織の「違法支出」という実態に切り込んだ判断を示した。このような判断は国民にとっては極めて重要であり、司法の信頼性を確立していく上でも、行政組織の浄化の上でも、大切な判断であったと思います。

やっぱり、今の日本には「正義」や「信頼」は、あるんだと思う。そういう心を持つ人々が、いてくれるんだと思う。

そういう裁判所は、日本に本当にあったんだ、と思った。
そういう裁判官たちが、いてくれたのだ、と思った。


やっぱり、青臭いな、私(笑)



中国の米企業買収意欲と為替のこと(追記あり)

2005年07月21日 20時37分53秒 | 外交問題
今まで買収の話題に上ってきた二つのうち、一つは答えが出たようです。まずは、メイタグ買収からハイアールが降りたということですね。家電メーカーというレベルでは、それほど魅力的な買い物とも思えなかったようです。


NIKKEI NET:国際ニュース


その一方で、ユノカル買収にはCNOOCが意欲を見せており、買収額の上乗せも可能ということで、「喉から手が出るほど」欲しい買い物ということのようです。この話題は、以前から何度か極東ブログでも取り上げられてきましたが、中国側の執念が感じられますね。現在のところシェブロンが一株当たり63ドルという提示に対して、CNOOCは69ドルの提示も報じられており、単純な買収額の比較で言えば、CNOOCに買収される方が有利ですね。ところが、対中強硬派議員達から出されている反対もあってか、対米外国投資委員会(CFIUS)の承認がおりていない。経済取引に政治的意思が強く働けば、ユノカルはシェブロンに買収されてしまうだろう。

<中国情報局>


米国が中国に対してどのような「懲らしめ」を用意しているのか、よく分らない。中国軍への警戒感を「表明」して、単なる不快感若しくは「番長の脅し」を示すくらいでは、中国は別に困ることもないだろう。短期的に大きなダメージを与えられなければ、本格的な「脅し」にはならない。

昔の映画「ゴッドファーザー」の1シーンで、映画プロデューサーが可愛がっていた持ち馬の首を、マフィアがベッドに放り込んでおくというマジな脅しがあったが、相手を戦慄させるに十分な「脅し」でなければならない。因みにこのプロデューサーは、マフィアファミリーの男を自分の映画に使うことを一度断ったら、愛馬が悲劇を迎えたのだった(確かそんな筋だったと思うけど、間違いだったらスミマセン)。


かつて同じように米国企業買収に燃えた日本が歩んだ道、それはどうであったのか・・・


次のストーリーは、私の空想です。従って、単なるフィクションですので。


少し前の時代に、日本が米国の「脅し」に屈したことがある。
それは日米貿易摩擦が問題となっていた時期であった。


日本がバブル崩壊後に未だ立ち直れないでいた時期に、日米包括経済協議が行われており、米国は日本側に市場開放圧力をかけ続けていた。日本は昔と違い、「NO」と言うスタンスに変わっており(笑)、日米協議は度々難航し、日本側が予想以上に抵抗していたのだった。日本がバブル後遺症に悩む時期に、市場開放などを行ってグローバル化が進展すれば国内産業に大きなマイナスとなるばかりか、多くの失業者を出し相当のダメージを覚悟せねばならなかったのである。しかし、米国側は強硬に市場開放を進めるように要求してきていた。特にキリスト教圏にとって特別な意味を持つ「ミレニアム」(2000年)に間に合わせる為に、米国の描いた戦略を押し付けられていたのだった。新時代を開くミレニアムに合わせて米国企業は大挙して日本上陸を果たし、日本国内を席巻する―そんなシナリオだったのだ。


バブル後遺症は続いていたのだが、何とか景気が持ちこたえていた95年初頭。

日米協議の中で依然頑強に抵抗を続けていた日本であったが、米国側の要求は熾烈を極めていた。ウルグアイラウンドではコメ開放まで譲歩したのに。本格交渉が行われた93年初めには1ドル125円だったのが、その後の円高傾向に日本は苦しみ始めたのだ。多くの輸出企業群が耐えられると思われていた水準の1ドル110円を既に突破しており、この時期には100円近辺に貼り付けられていたのだった。2年で25円もの円高。20%も上昇していたのだった。日銀の介入程度では効果はなく、欧米金融当局は日本に協調介入すると口先では言いながらも、「日本の円安は是正されるべき」ということが態度に表れており、円高が進んだままであったのだ。日本がアメリカに「YES」と言うまで、この円高は解除させないように仕向けられたのだった。


日米協議では、それまで何とかギリギリのところでは「NO」と言い続けてきたが、米国の脅しは半端ではなかった。交渉に当たっていた米国側担当者は、「いまのうちに応じた方がお互い得ですよ。後で泣きついてきても知りませんよ」と言い残して立ち去った。日本側担当者達は、「日本にだって意地がある。今後のこともあるし、アメリカに闘いを挑まなければならない」と抵抗を続けていたのだった。その後押しをしていたのは、「日本だってNOと言えるんだ、アメリカになじられた湾岸戦争を忘れたのか」という対米強硬派の国会議員達だった。その急先鋒は、今でこそ国会議員を辞めたが、息子が議員をやっている、あのお方だ(地方自治体でも活躍できるということなのだろう)。

そんなこともあって、実務者協議での日本側では、「最後の防衛ライン」を敷いて抵抗を続けていたのだった。米国は得意としていた大規模店舗と金融自由化を強硬に迫っていた。勿論、今渦中の「郵便局」問題も含まれていた。米国側の要求というのは、米国系大企業が進出しやすい足場を築くことであり、巨大資本が猛威を振るえる環境を整備しておくことであった。
「愚かな日本人どもめ、搾取されるがいい」


バブル期に味わった米国の屈辱感を、今度は日本に味わわせる番であったのだ。
日本側の抵抗に見かねた米国巨大資本のフィクサー達から、とある指示が出た。「抵抗を沈黙させろ。買い進めるだけ買え」というものであった。巨大ヘッジファンドのトップ達に指示が伝えられた。「そうだな、日本企業の決算期を目がけて仕掛けろ。度肝を抜いてやれ。株主総会にも影響が出るだろう。それと新年度の為替予約にも響くだろうし」

米国の「脅しではない」本格攻勢が始まった。円が急騰を始めた。日本企業の多くは1ドル110円程度にしか耐えられない状況で、105円程度でも何とか耐えうる一部の輸出依存度の高い企業もあったのだが、100円割れにはどこの企業もお手上げであった。100円近辺に貼り付けられていたのも相当苦しかったのに、それ以上の円高水準はいかんともしがたかった。企業は一斉に日銀や財政当局に迫った。「一体何をやっているんだ。介入を全力でやれ。せめて100円ラインまで戻してくれ」

しかし、一向に円高は収まらなかった。なおも日米交渉でNOと言い続ける日本側に対して、米国側は無理に押しては来なくなった。「根競べだな」
米国側は、日本が根を上げるのを待つだけでよかった。巨額資金によって一気に円を買い進め、投機資金が流入してくるのを待てばよかったのだ。あとは、「金儲けの亡者ども」が勝手に円を買い進んでくれる。最初の煽りを派手にやって、ひたすら焚きつけておけば、乗ってくる連中は沢山いる。急騰を続ける為替市場。過熱してしまったら、金融当局の介入など効果が限られていた。介入によって円買い側が怖気づきそうになると、断続的に大量の円買い資金を投入して買い方を奮い立たせた。その作戦はまんまと当たり、遂に90円ラインを突破していった。

日本側には、万策尽きた感が充満していた。米国側金融当局にも協力を求めるしかなかった。「いいけどね、他の交渉中の議題もありますから、そちらはどうしましょう?」と体よく切り返された。日米協議の中でも、「どうです、応じる気になりましたか?」と確認された時には、はっきりとNOと言うことが出来なくなっていた。「今条件について、国内の意思統一を図ります。協議中です」と軟化せざるを得なくなっていた。「そうですか、いい返事を期待していますよ」と米側担当者は言った。

「よし、もう抵抗する気力を失わせる仕上げをしよう。昔も勝利が決まっていたけれど、新型ボム―原爆―を試したように。確実に戦意喪失させよう。取り掛かれ」
運用担当者達は、同じ司令を受けていた。一斉に円買い。勝つ事が分っているゲーム、勝負というのはまた異常に楽しいものなのだ。今の状況では、売り方に加勢する奴らなんている訳ない。もし無謀にも売り方に付いたら、イチコロで蹂躙されるだろう。せいぜい日銀が抵抗するくらいだろうが、無駄なあがきだ。

「祭りだ、祭りだ~。燃えろよ、燃えろ。」

最後の円買いがスタート。仕掛けられた罠なのだから、勢いがある。煽られた他のプレーヤー達も引きずられるように、円買い。抵抗が非常に弱い為に、サクサク円高が進む。キッカケを与えるのには、大して資金投入も必要なかった。最終目標ライン、80円が遂に見えてきた。燃え上がる円買い。「燃えろよ、燃えろ~」


日本側でひたすら抵抗を続けた、政治家、経済界の重鎮、省庁幹部が協議を続けていた。

「もう、アメリカの前に屈するしかありません」
「米国の要求を呑んで、協議を終わらせるしかないでしょう」
「もしYesと言えば、円高を解除する用意があるとのことです」
「100円ならまだしも、80円には耐えられない」
「このままの水準ならば、輸出企業は全滅だ」
「仕方あるまい。初めからNOなんて言わなければよかった・・・」

意気消沈した強硬派達は、最後には弱気な言葉しか出てきませんでした。
この責任を強く感じた某議員は、この年、急に謎の議員引退を宣言することになった。
米国の底力を見せ付けられ、日本が逆らうとどうなるか思い知らされたのであった。

「日本がYESと言ってきたそうだ。よし、解除してやれ。」
燃え上がっていた祭りは、急速に冷やされます。今まで買い進んできたヘッジファンドに資金引き上げが伝えられました。米国金融当局の介入も始められました。100円近辺で巨額円買いをしていて、80円で円売りドル買いですから大儲けでした。平均買いコストでも十分な儲けが得られたのでした。「勝ちが決まっていたゲーム」だったのですから。巨大ヘッジファンドが一致して買い方についていることが初めから判っていたのですから。負けることなど有り得ませんでした。一斉に円から資金が引き揚げられて行きました。僅か3ヶ月で暴騰を続けた円高ゲームは、日本側にYesと言わせ、ヘッジファンドはボロ儲けをして幕を閉じました。


その後、円は値を戻していきました。他の参加していたプレーヤー達がそろそろ潮時と思い、資金を引き揚げたからでした。ヘッジファンドが売り抜けたことに気づいたプレーヤー達は、次々に降りて行きました。今までの買いコストがどんなに損であっても、円売りを躊躇って、ぐずぐずしていては金融当局の介入の餌食となってしまいます。そうして、瞬く間に90円ラインに、夏休み頃までには100円程度まで戻していました。その後は、多少の調整局面はあったものの、ドル高が加速していくことになり、98年には150円近くまで円安が進みました。これは日本の金融危機にも一致していました。十分高くなったドル資産を持ち込んで日本へ直接投資する米国企業にとっては、ドル高は好都合であったのです。土地も株も下落していて、高くなったドルでそうした日本の安くなった土地を買い、大規模店舗やビルを建て、商売を始める準備を続けたのです。そうした準備が整った2000年頃には、日本に上陸してきた海外資本が金融・保険・小売等に展開していったのです。


こうして、日本は米国の本気の「脅し」を受け、「番長を怒らせるとどうなるか」という戦慄の恐怖体験をさせられたのです。この恐怖を知っている以上、滅多なことでは逆らえません。しかし、日本側も幾つかの手を打ち、以前のような決定的なキッカケを与えないように注意しています。しかし、完全に防げるかどうかは不明なのですが。とりあえず、米国側の仕掛けをあれからは受けていないと思います。
ヘッジファンドは円での巨額の成功に味を占めて、十分高くなったドルを持って、アジア各国の通貨に巨額資金を投入して一気に儲ける方法を取りました。しかし、日本の場合はそれに耐えられる経済力・基礎的体力を持っていたのですが、他の国々―タイ、韓国、マレーシアなど―は、セーフティ・マージンが非常に狭く、殆どが倒れてしまい通貨危機に陥りました。これによっても、日本がそれまでアジア各国へ投下した資本は、大きなダメージを受けることになりました。


これが日本の物語です。日本は再びNOと言えない国になったのです(笑)。


でもこれは空想なので、多分全然違うのだろうと思います。


中国はこうした「脅し」を受けるでしょうか?もしも、やりすぎると「本気で番長を怒らせる」ことになり、その制裁措置がどのようなものなのか、よく判りません。中国への投資資金が一気に引き揚げられたりしたら、中国企業の耐性がどの程度なのか、予測がつきません。


追記:

先ほどテレビを観ていたら、人民元切り上げのニュースが。

Yahoo!ニュース - 読売新聞 - 人民元2%切り上げ、通貨バスケット制採用

気づきませんでしたよ、こんな大事なことでしたのに。でも、ただの実績作りにしか過ぎないのではないか、と思います。欧米の批判をかわせる、ドルペッグではなくバスケットで人民元の暴落を防ぐ、という目的を達せられるということでしょう。2%くらいの切り上げでは、殆ど変わらない水準なのではないでしょうか?よく判りませんけれども。今後、切り上げはないでしょう、多分。

番長アメリカに厳しく睨まれていたので、中国側としても「折れておこう」というふうに考えたんだろうと思いますね。強い風当たりがあれば今後のビジネスに支障となると判断したのだろうと思います。業師ですね、中々。




長期停滞の先にあるもの

2005年07月20日 11時23分02秒 | 経済関連
以前の記事に書いたように(我が家の新聞考)、ここ何年も紙の日経新聞を読んでいない。なので、近年の主張とかよく知らないし、記事も目にしていなかった。たまたま田中秀臣先生が紹介(セミナー情報)しておられた小野善康阪大教授の、昨年お書きになられた記事を目にすることができたことは大変ラッキーで、勉強になりました。前に、バブル後の経済状況について感じたことを書いてみたのですが、「不安」をキーワードとする小野教授の記事に共感するものがありました(とは言っても、私のようなド素人が書くのとモノが全然違いますけれども)。


郵貯ってどうだったかな?

「’97ショック」が原因なのでは?


私の記事では「恐怖」(の連鎖)、(土地、株式等資産の)現金化、「縮み」と表現したのですが、現象を言い表せばまあまあ似たようなものではないのかな(笑)、と思います。イイ線いってたかも。ちょっと嬉しい。だって、教授の見解と近い感じ方をしたということは、経済無学な人間にしてはまずまずでしょ?あと、家計の所得減少についてですが、経済財政白書でも記述されていましたが、ラチェット効果によって消費支出減少がそれに伴わないようで、貯蓄率低下現象が続いていたということのようです。高齢化要因がどの程度影響していたのかは不明ですが、消費支出が維持されたことは貯蓄率低下の一因と考えられると思います。


一方、企業部門の貯蓄が増大し続けたということは、「現金化」に走っていた企業部門が集めたカネを有効に使って投資・雇用・新規市場などの創造するということには、全く役立ってこなかったということを意味しているのか。小野教授が言うところの「カネへの執着」が、企業でも同じように続けられてきたということなのだろう。これは、一部に指摘があるように、企業部門の不安に起因する「極度の守りの姿勢」というがあって、それは政府や家計の責任でもなく、企業経営者達の責任ということなのだろう。これを経済財政諮問会議の民間議員たちがどのように受け止めているのか、よく分からない。


ここからが問題なのですが、過去の現象の捉え方はそうだとして、回復への道筋ということになりますと、経済学者の間でも意見が分かれてしまうようですね。小野教授は、「バブル崩壊」を経験しないような世代が経済の中心的役割を担う頃、自信を取り戻し成長軌道に乗れるだろう、「不安」を拡大させない安心期間を過ごすことで「不安」を払拭するしかない、ということを述べている。


私が「経済は心理の問題なんじゃないか」ということを自分でも書いていたのに、今の自分の主張が「不安を増大させる」方向なのではないか、とも思った。自分も「不安」に煽られているのだ、と。愚かなことに、それを自覚せず「不安を取り除け」と何度も言いながら、実は自分が人々の不安を助長していたのだ、と。

しかし、将来不安を払拭させるのは、やはり年金改革が必要だと思うし、社会保障一体改革が必要だと思っている。今のニュースは、大体悪いニュースばかりだ。「増税」「保険料率アップ」「自己負担増」「医療費にキャップ」とか、「国の借金が膨れ上がる」とか、そういう話題だけである。弱者を救済しようという話は出てこない。私の案では、保険制度を止めて消費税にその財源を求める(企業は別な新税負担)ことになるので、従来の保険料は消費支出に向けられると思っているんだけれどな。これはダメなのかな?その代わり、収入や資産のない高齢者等には、一定以上の生活が可能となるように最低保障は確保するべきだし、収入の少ない若年・女性勤労者などにも労働意欲に繋がるような保障が必要だと思っている。こうした考えが、実は弱者を圧迫するだけなのだろうか?よく分からない。


もう一つ、小野教授は、将来経済インフラが不足するので、機会費用が低い現時点で将来必要になるものを吟味してインフラ整備に取り組むべきで、例えばリサイクル社会の制度・環境規制等のルールづくりを行うことで、財政投入がなくとも将来市場の創造となり、それによって仕事・雇用につなげることができる、と述べている。「ルールをつくる」というのは、財政投入がそれほど必要となったりしないだろうから、「規制緩和」ということが必ずしもプラスにはならないということだろうか。だが、今の「規制緩和」というのは、官業の非効率部門を改めることが主眼であるので、特に周辺部分の特殊法人とか公庫公団等については当然改められるべきである。そうは言うものの、制度・ルールをつくることで市場創造に繋がる分野については、開拓していって欲しいと思う。環境関連もあるが、他にも育児サポート、企業の保育支援制度、医療スタッフの資格制度(行為範囲の拡大)、障害者(行政用語で言えば)の支援制度、起業家経営支援制度、高齢者就業雇用拡大制度、みたいなものとか、あってもいいと思う。あんまりいいのが思いつかなかったけれど(既にあるかもしれないし)。


従来は、何かそういう制度を作ると、大半がまず特殊法人を作り、役人どもが蔓延って、資金も人員も官業として運営するから良くなかったんだと思う。インフラ整備にしても、今までは公共事業のような社会資本に偏り過ぎていて、本当に必要な制度・ルールを作ってこなかった部分があったのではないのかな。


小野教授の記事を読んでみると、「小さな政府」とはどう考えるべきか、「不安」をなくせる行政制度、特に社会保障制度はどうしていくのが望ましいのか、なお更わからなくなってきた。政治システムにしても、昔のやり方は論外だが(消去法的に言えば)、小泉内閣が実施してきた手法を今後どのように改善するか、そういった課題が残されたような気がする。私も「ネガティブサムの罠」に陥ってしまい、そのゲームの一員となってプレーヤーを演じてしまったに過ぎないのかもしれぬ。


では、根本的な解決策を見出そうとする時、どういった政策、政治手法があるのか、その答えを提示してくれる人は誰なのだろう。国会議員?民主党?(笑)経済学者?企業経営者やエコノミスト?何故答えが見つからないのかな?私には益々分からなくなった。やっぱり、経済関係者の集まりで考えてもらって、提言をまとめてもらった方がいいと思うけど(笑)。



「正義」や「信頼」を信じるのは愚か者か

2005年07月19日 21時11分32秒 | 俺のそれ
私は非常に青臭いことを平気で言う人間なのかもしれない。私は「正義」とか「信頼」を心底信じて、今まで生きてきたのですが、それは単なる偽善に過ぎないのでしょうか。怪しい商売とか危険な誘惑とか、そういうのはかなり見分けられると思っており、引っ掛かったりしたこともない。ウソはある程度わかるつもりだ。当然のことながら、悪い事をする人間や犯罪者などが存在することも知っている。全ての人間が善人であるとも思ってはいない。


しかし、多くの人々は善良で、そんなに酷い人というのが滅多に存在しないんじゃないか、と思って生きてきた。それに、自分の周囲の人間で、心底「コイツは酷い悪人だ」と思うことも殆どなく、そういう人間に出会うこともなかった。騙されたり手酷い裏切りにあったこともないし、陥れられたこともない(と思っている。本当は陥れられたことに自分が気付かないだけ?なのかもしれないが)。ひょっとすると、私は自分に向けられた悪意や皮肉というものが、それ程自覚出来ないのだろうか。割と打たれ強い方だと思うし(笑)。


勿論上司に嫌なヤツとかはいたこともあるけど、「人間として、コイツは悪人だ」という評価にはならないな、やっぱり。「こういうところがイヤミだな」とか「あそこがヘンなんだよ」とか、愚痴を言いながら酒の肴にすることもあるよ。でも、全否定って、まずないと思う。何か嫌なところがあったとしても、仕事上では「こういう部分は意外と正確だな」とか「指摘されたのは、こっちにも落ち度があったな」とか、別な評価も出来るということです。人間は完璧ではないし、自分にだって悪い所はいっぱいあるし、お互いさまと思うところもある。


多くの人間というのは、「正義」や「信頼」というものを持っていて、人々はそれを信じて行動しているのだと思っていた。でも実際には、どうなのでしょう?私は、馬鹿な脳天気野郎ということなのでしょうか?今までの人生で、そんなことを疑ったこともなかった。気付けないのは、やはり馬鹿だからなのかもしれない。

賢くて優秀な頭のいい人達は、私のような単純な馬鹿と違って、「正義」や「信頼」などは胡散臭くて信じていないのかもしれない。特に色々な知恵がよく働く(それもいい方の知恵ではないことも少なくないかもしれないが)、役人の世界などに生きている人間というのは、ちょっと油断すると騙されたり、他人から陥れられたり、競争に負けるように仕向けられたりするから、あまり信じられないのだろうか。


「正義」や信頼」などという奇麗事は、本当は世の中にあるはずもなく、誰もが自己の利益とか得することだけを目指していて、いつでも他人を出し抜こうと思っていたり、騙したり、卑怯な手を使ったりしようとするのでしょうか?本当は・・・現実は、そうなんでしょうか?


私はそんなことはないと思っている。基本的に信じてる。
世の中には、きっと「正義」も「信頼」もあると思っている。
多くの人は、そういう心で行動するんだと、思っている。
私の周りの人で、本当に悪い人を知らないから。


信じたくない人は、好きにすればいい。
一生疑り深く、猜疑心に苛まれて生きるのも自由だ。
もしも頭が良すぎて、悪意の全てが見え、読み切れてしまい、
その為に「正義」も「信頼」も信じることが出来ないのだとしたら、
私は馬鹿なままの方がいい。その方が断然幸せだから。


ただ、私も行政だけは、中々信じられないのであるが(爆)。



話題シリーズ5

2005年07月18日 19時23分09秒 | 社会全般
1)天下り停止の続報

先日の「天下り受け入れ停止提案」でしたが、奥田会長の「そういう事実はない」発言で非常にショックを受けたばかりでした。しかし、その後に経済同友会が「利益目的の天下りは受け入れない方向で」という宣言を採択したようです。私は他人を信じやすいので、いつもは、ほぼ言葉通りに受け取っています。普通、皆さんはどうなんでしょうか?「検討します=却下という意味」とかではないんですよね?経済同友会の立派な経営者さん達が、「天下りをなくしていこう」とおっしゃるならば、きっとそのようになっていくと信じてよろしいんですよね?


NIKKEI NET(15日付)より一部抜粋

経済同友会は15日、長野県軽井沢町で開いたセミナーで「利益誘導を目的とした天下りを受け入れない」などとする声明を全会一致で採択した。国家公務員には離職後の2年間は前職に関係する企業への再就職を禁じる法律があるが、北城恪太郎代表幹事は「2年にとどまらず、ずっと受け入れない」と表明した。

北城氏は22日の同友会幹事会でも、天下りの受け入れ停止を提議し、了承を得た上で1400人の全会員に要請する。会員の経営者は個人の資格で同友会に参加しており、天下り停止要請が企業経営に直ちに反映されるわけではないが「できるだけ会社組織で進めてほしい」(北城氏)として強く要請する方向だ。


企業も「市民」の1人として、このような社会的責務を担うことには大きな意味がある。国民の為になる活動を行える企業というのは、その信頼性も価値も高まると思っている。「情けは人の為ならず」である。有益な活動、行いを実践する企業というのは、必ずその恩恵が返って来ると思う。そういう企業にならば、投資する価値もあるしね。私のような素人投資家であっても、そのような視点で投資しますよ。私の投資基準は、単に会社の利益が大きく私が株式売買で大きく儲けられるかだけではなくて、社会や人々の為に役立つ会社かどうか、という点も考慮しますので、絶対に投資しない業種・企業というのがありますね。


2)投資の話(私個人だよ、笑)

因みに今までの株式の通算成績は、人に自慢できるものでもなく、通算で年率平均(私の投資開始は、94年頃でした)で言えば、3%成長くらいですかね。厳しい時期(02~03年ころ)を過ぎてるので、自己流運用としてはまずまずと考えることにしています。リスクをかなりとってるのに、この程度の運用では話になりませんね。でも、変なアクティブ型の投資信託よりは、はるかに好成績です。信用取引もしてないですし。ほったらかしの時期もあった割りに、まあまあです。2000年までは、少ない運用額から始めて資産をまずまず増やせましたが、以後は厳しい運用環境で、結構やられましたよ(笑)。それまでの利益がいくらか飛ばされました。去年からは幾分好転してまいりましたが。

投資信託は、資金を最も多く入れてるもの(グローバル・バランス型)が僅かにプラス(通算5年くらいで2%程度)、手数料負けしそう。インデックス型は、毎月積立タイプが8%くらいマイナス、5万円だけ試しにやったのは、マイナス2万円に(ガックリ)。

ちょっと急用。後で書き足します。


途中になってましたが、続きです。
投資信託の話でしたね。ノーロードだったし、初回配当は3000円くらいだったので(3000/5万だから6%くらいですか)ラッキーと思ったら、値が下がってガックリ。以後、放置。解約すべきでした。教訓:大きく下げたらあっさり切れ。

知り合いの銀行員に頼まれて(どうして頼まれると弱いのかな~断りにくいんだよね)、グローバル債券型に加入、これはまずまずの成績(プラス10%くらいかな)。でも入れた資金は僅か。

他には、普通の銀行定期や貯金はなし。積立はやらない。保険の方がまし(払い込み保険料よりも多く返ってくるタイプを選べばこちらの方が有利)。外債運用は利回り重視、投資信託の数倍資金を入れてる。金利はやっぱり効果あるよ。それほど為替や債券価格を気にしなくても自動で殖えるから。

トータルでは、資金割合で言えば、国内株式が最大、次が保険商品(資金割合は年金保険、次が養老)、続いて外貨(殆ど債券)、次が投資信託、となりますね。バランスはどうなのかよく判りませんが、今後は投資信託は割合を下げようと思っています。多分、10年に一度くらいはチャンスがやってきますから、ITバブルの後のビッグチャンスはあと5年後くらいですかね(笑)。

私のような貧乏人ほど(元々何の資産も持ってない)、殖やせる方法をよく考えるべきで、所謂高給取りに追いつこうと思えば(笑)常に1~2%は上回る運用で成長させないとね。何たって、入ってくる現金の量が違いますからね。でも、何だかイジマシイな、自分が(笑)。まあいいか、株式投資は割りと好きだし。趣味の一つですから。それに、ヘタな経済理論よりも、俗物的ですが現実の「経済」ですので、結果は厳しく出てきますから(笑)。



我が家のブーム

2005年07月18日 12時12分12秒 | 俺のそれ
今、家族の中に「流行り」がある。それはテレビドラマ「女王の教室」に登場する「アクツ マヤ」という、天海祐希扮する担任教師の口調をマネすること。初回から家族で観てますが、ウチの子が丁度中1ってこともあり、主人公(小6)の年齢的に近いので馴染みやすい。それと主人公の姉役の子(名前不明)は、以前から妻が「この子かわいいわね」と言っていて、「三井のリハウス」(だったと思うけど)のCMに出てた時から、ウチでは人気があった。「私、友達が呼べればいいから・・・」(知る人ぞ知る、確かこんな感じのセリフだった)


なんといっても、ドラマを観るキッカケとなった最大の理由は、妻が天海祐希のことが以前から好きということで、彼女が出演するから是非観よう、ということになったのでした(特別な宝塚ファンというわけでもないですけど)。黒木瞳と同様に、天海も好きなんですって。


「どうせつまらんドラマだろう」と全く期待してなかったのに、期待以上に面白かった。我が家でのブームに繋がりました(笑)。

「アクツマヤ」は、いかにも19世紀頃のイギリス家庭教師をイメージさせるようなファッションです。表情の冷徹さや、言葉の棘というか支配するような強さが印象的です。なので、あの口調をマネするのが、面白いんですね。因みに、私も結構マネしてしまいます(笑)。人間の心はやっぱり弱くて、彼女の言葉には逆らえない心理的抑圧を与えます。彼女は、伝統主義的であり、従来の大人たちが誰も教えなかった「大人社会」の現実を、学校の教室の中に持ち込んでいることが強烈なのですね、多分。


実は私達大人がやっていることは、あの教室で起こることと何も違いがなく、社会の構図がそのまま凝集された気がします。大人である私達の普段の行いを言葉で表現するとしたら、やっぱり同じように「アクツマヤ」が子供達に語る通りなんじゃないか、と思えば、現実とは「陰惨」「強烈」というような感じなんだろうと思う。私達たちは、いつも目を逸らして隠しているだけなんだろうな、と思う。その事実を認識した時には、自分たちの愚かさにきっと気付くのです。

そんな訳で、我が家では毎週楽しみにしています。

 「イメージできる?」

 「いい加減に、目を覚ましなさい」

アクツマヤの口調と同じように話すことができれば、
あなたも明日から、即「悪魔」の仲間入りかも(笑)。



経済政策担当の登竜門?

2005年07月17日 13時17分20秒 | 社会全般
内閣府の政策統括官に高橋進氏が内定したとのニュースがありました。今までを振り返ると、WBSに出演していた人達が、あちこちで選ばれているようにも思いますね。

Yahoo!ニュース - 毎日新聞 - <人事>内閣府政策統括官に日本総研・高橋進氏

一部抜粋します。

政府は16日までに、内閣府の大田弘子・政策統括官(51)=経済財政分析担当、局長級=の後任に、日本総合研究所の高橋進理事(52)を充てる人事を内定した。発令は来月予定。内閣府の統括官7人のうち、政府の景気判断や経済財政白書作成などを担当する統括官は、大田氏に続いて民間からの起用となる。


今までのコメンテーターを振り返ってみると・・・

有名どころでは、平ちゃん。竹中平蔵氏は、かつてよく登場してまして、いきなり大臣なんて凄いじゃないか、と思ったものです。あれから、もう随分経ったのですね。小泉内閣の終了と共に、再び大学へ戻られるおつもりなのでしょうか?


あと、ある意味もっと有名になってしまった、手鏡の方。某「草を植える」という方ですが、以前出演しておりまして、他局にも呼ばれるようになり、もっと有名になったのに、その後の転落人生となってしまいました。


今回選ばれた高橋進氏。スパッと言うタイプで、中々意志強固なタイプの人物ではないかと、画面を通じて思っておりました。でも時々コメントを求められて、ご自身があまり熟知してないことを答える時に、そりゃ違うでしょ、っていうのが何度もありましたね。でも、これはコメンテーターの宿命なのかも。よく知らないことであっても、何でも聞かれるし、咄嗟に気の利いた答えをするのは誰だって難しいものですよね。本当に経済政策に明るいのか、ちょっと心配(笑)。


三洋電機会長に就任した野中ともよ氏も、小谷さんの前にキャスターをやっていましたね。経営手腕の実力の程はよく判りませんが、番組中に色々勉強されたのでしょう、多分。


伊藤元重東大教授も時々出演してますね。静かな語り口調が好きですが、行政政策の理解がどうなのかは、よく判りません。郵政民営化の検討委員会(のような諮問機関だったと思うけど、正確には判らないです)の委員長か委員だったと思う(8~10人くらいだったと思うけど・・・)。他の政府委員などを兼任されているのかどうかは知りません。


重鎮(なのかどうか知りませんけど、一番偉そう。悪い意味ではなく。)中谷巌氏。ソニー社外取締役に就任するまで、氏がどのような活躍をしていた人物かは全く知りませんでした。番組出演は多分一番長いですね(と思うけど・・・)。多摩大学長にも就任されたみたいです。前は何処かの教授でしたよね。高橋進氏前任者である太田弘子氏とは学閥?つながりなのかな。よく知らないけれど。経済財政諮問会議の前にあった、「平岩研」や「経済戦略会議」のメンバーだったそうです。ということは、政府内の経済財政政策の中心となってきた経済学者というのは、中谷氏、本間氏、太田氏、という系譜みたいなものがあるのですか?平ちゃんはこの流れからは少し外れてるの?

(ところで、上の毎日の記事にある「大田」弘子氏って、「太田」の間違いなんでは?きっと「太田」が正しいと思うよ。毎日のミスじゃないのかな?世の中こんな事件もありますから、誤りはあるものですね。Yahoo!ニュース - 産経新聞 - 「大田」なのに、口座名「太田」 亡夫の預金払い戻し認める


こうして見れば、行政側の選ぶ基準は割と「ミーハー」(古すぎ?死語?)路線なのか、WBSに出演してる人が重用され易いのかな?逆に、WBSのコメンテーターに選ばれるということは、次の経済政策を担う行政の中心に行く可能性が高くなるということ?やるじゃないか、WBS。いや、日経というべきか?


でも、90年代の不景気だった頃、「政府の景気対策は不十分で、財政拡張政策として真水で10兆円規模の財政出動をするべき」とか(記述は正確ではないかも。でも大体こんな論旨だった)、盛んに日経新聞に書かれていた。実際、公共事業や減税措置が実施されたりしましたが、経済政策全体としては失敗と考えられていますね。当時の経済政策担当であった中谷氏とかは、これをどう考えているのでしょうね。また、日経新聞の社説(16日付)でも、「経済が証明した、ばらまき財政の無用」と題して、「1990年代に政府の規模を膨らませた公共事業の大盤振る舞いなど「ばらまき財政」が無用だったことは、現政権下での景気回復が証明している。」と述べており、あの当時の日経(というか論説委員?とか記者とか、かな)の主張は一体何だったのか、ちょっと良く判らない。当時の私の興味は主として「自分の株が下がらないか」だけであり、政府の景気対策が不十分で株価が下がるのは「政府のせいだ」と日経を読んで思ったりしてたこともありますし(笑)。今になって、「無用であった」というのも、いささか「掌返し」の感が否めませんが、経済論争とは得てしてこういうものなのであり(笑)、真剣に経済政策を考えて理論を実践に移そうとしても、結果的に単なる失敗に終わることもあり、それも仕方がないことなのかな、と。別に日経(論説委員)や中谷氏を責めてる訳ではないですよ。ただ、当時はそういう考えが主流だったのかな、と思う。


他にも、PKO(株価のprice keeping operation)を実施して、政府が市場介入することで株価上昇→心理好転→景気浮揚とするべき、とかありましたね。諸悪の根源は「株価下落」という心理的マイナスなのだ、と。そういう面はありますね、確かに。ただ、政府の経済政策として適正かどうかは、また別問題なのでしょうね。「年金の積立金が百兆円以上あるのだから、その数パーセントで株を買ってもびくともしないし、アメリカは年金運用で株を買うのが当然だ」との主張をしていたのですが、含み損が大きくなると「きちんと安全な運用をしないとダメじゃないか」という主張に変わったりするしね。年金資金で「株を買い支えろ」と言ったのなら、株価がどん底で含み損がいかに大きくなったとしても「長期保有が目的なので、短期での運用成績評価は避けるべきであり、今こそ買い増す好機到来である」とか主張するべきなんでしょ?(笑)今年含み損がなくなり、プラスに転じて良かったですね。やはり長期保有によって、ある程度のリスクヘッジができるということなのでしょうね。巨額資金の運用でも、やっぱりそうなんですね。


私自身もそうなのですが、その時々に応じて批判するのはたやすく、過去の主張を撤回して「掌返し」をしたとしても、そのことが絶対いけない、というわけではありませんが、ちょっと節操がないかも、と思う。自分の主張の誤りであったのなら、「宗旨替え」宣言でもするべきなのかもしれないな(笑)。特に経済論争に関しては、そういう面があるのかもしれない。そして、それが政府の経済財政政策に大きく影響するのなら、なお一層慎重に正しい「答え」を探して行かねばならない、と思います。


何だか、話が大きく逸れてしまいましたが、行政の答え方の感じで言えば、

『個別具体的な件につきまして答弁は差し控えさせて頂きますが、簡潔に要約致しますと、一般論として、WBSは好きな番組であることを踏まえ(小谷さんをはじめ、他局のように「有名人を目指す」風でない女子アナがいいですね―心の中の答弁です)、番組に出演されますコメンテーターの将来と申しますか、所謂転身先につきましても非常に興味深いものがございまして、歴代の出演者の経歴等を鑑みれば、その期待が十分大きいことも容易に推察されておるところでございますから、当該関係者につきましては今後も注視して参りたいと思料するところでございまして、わたくしといたしましても番組の批評を継続する所存でございます。』

といったところでしょうか(笑)。変な答えになってしまってますが、感じは出てるでしょ?



経済財政白書が語るもの

2005年07月16日 18時39分01秒 | 社会全般
社説や新聞記事にも多く取り上げられていた経済財政白書ですが、非常に興味深く読みました。途中で少し飛ばしたところもありますが、一通り読みました。今は、ネットで読めるので、とても有難いですね。わざわざ出向いて行かずとも、家にいながらにしてこのような重要な文書を目にすることができるのですから。

内容については新聞記事などでも色々書いてますし、私があれこれ言うべきことも特別ないですが、元の白書を読むのが一番いいと思いますね。再び読み返して、気になった時には改めて記事に書くことにします。


えーっと、一つだけ書いておこうかな。多くのニュースでも取り上げられていた、「小さな政府」指向の調査ですけれども、結果を見れば多分そうなるだろうな、という仮説通りであったと思いますが、ただ、設定としてちょっとズルかな?と感じたところもありました。それは、最後の結論を予め想定して、3択を作ったのだろうな、って判ってしまうからです。選択肢が多くなれば確かに一般人の指向判定には問題がある場合もあるのでしょうが、社会保障を変えず公共事業だけ減らした選択肢がありませんでした。なのに逆の選択肢はあり、公共事業を変えず社会保障を減らすというのは、最初から「公共事業」を否定(大きな政府の否定、優先されない事項の確定)するつもりで入れたでしょうか(この可能性は少ないと思うけど)。むしろ、社会保障削減+公共事業削減という「小さな政府」指向に肯定的→社会保障削減に国民の同意が得られてる→医療費削減はコンセンサスが得られてる、という結論に持って行きたいのだろうな、と。もしも、選択肢に社会保障不変かつ公共事業半減(他と同じように4割減でもいいですけど)といった選択肢があった場合、これと両方削減政策のどちらが多く選ばれたでしょうか?と思いました。


内容は、私のような経済素人には難しい記述もありますが、なるほど、国の政策を考えるには大切だなと思いました。それに、内閣府や経済社会総合研究所のことが思い返され、それらに関わってきた人々が、真摯に「国民の疑問」に答えようとしてくれているのが感じられたし、今までブログ記事を書いてきた私には、ある別な思いがあります。それは、白書を読んだ時に、「単なる偶然」なのか、或いは「答えを書きました」ということなのか(いつもの私の思い込みに過ぎないかもしれないし、笑)、読み取れるものがありました。率直に嬉しいですね。これが単なる妄想である場合には、ちょっとガッカリするけど、でも、私の下らない感性や記事も捨てたもんじゃない、と勝手に思うことにします(笑)。いつもいいアイディアが沸いてくる、ということもないんですけど。


米国の思惑

2005年07月15日 19時59分00秒 | 外交問題
国連安保理改革案に対して、「反対投票をするように」呼びかけまでおこなった米国。その姿には、余裕が消えつつあるということが伺えるように思う。日本に対して、表現の難しい態度をとりつつある、米国。今後、6カ国協議を控え、東アジア情勢も関係するので、日本の進むことのできる方向性について考えてみたいと思う。


米国の立場で考えてみよう。米国は今までにも例えに使ったように(『沈黙の艦隊』日韓首脳会談)、生徒会長であり、腕っ節の最も強い番長でもある。この評価は変わっていない。だが、誰でも言うことを聞くのか、というとそうでもない。普通に考えて(現実世界でも)、番長が嫌いなクラスメートなんて、いるに決まってる。あからさまに反抗したりすると、ヤキを入れられるとか、イジメられるから、あんまり態度に出さないだけだ。恨みを抱いている連中も相当いる。競争相手も他にいるし。ということは、米国にも当然穴がある。


強く影響力を行使できるのは、軍事力や主要産業が米国頼みという国でしょうかね。だが、米国は普通に改革案の「反対」を募るのでは、「足りない」と読んだとしか思えない。裏の筋で、自分の影響力行使可能な国がかなりあれば、日本やドイツを目の前にして、あんな発言をしないはずだからである。本来ならば、表面上は「悪いとも言えないね」などと誤魔化しながら(今までのブッシュの態度だな)、裏で米大使などがあちこちの国で「おたくはまさか賛成したりせんだろうな。当然反対しろよ」とか、番長の脅しが入るのが普通だろう。なのに、わざわざ自ら手の内を全てオープンにしたということだ。番長が、「はっきり反対」かつ子分どもやその他大勢のクラスメートにも反対せよ、って宣言したようなもんです。これは結構切羽詰った状況じゃないと、使わない手だと思う。自分の損だもんね。番長がそんな態度なら、普通は変だな、って感じるでしょ。でもこの際、なりふり構っていられない、ってことなんだろうね。


ということは、逆にG4案もそれなりの効力があるということだと思う。米国の力の及ぶ範囲は、全体の3分の1にも全然及ばない、って勘定したんだろう。中露の影響力もそれ程多い訳じゃない。日独(+仏ですね)の大きな影響力に加えて、印・伯両国にだって「仲良し」「お友達」は当然いるしね。イタリア・韓国・アルゼンチン・パキスタンなどはG4のライバルと自認している国々だから、当然反対するし、その影響力も少しあるね。こういう情勢を読んだ上で、番長は、敢えて宣言した。番長にすぐ追随するのは、カナダ君とかだろう(というか、前から番長の代わりに反対表明していた)けど。


あと、中露が「イヤだ」とか「嫌い」「ズルイ」と考えているクラスメートも結構いると思うよ。番長が何て宣言しようが関係なく、この2カ国の影響力を薄めたいと願っているクラスメートはいるはずだ。そういう国々は、G4に賛成する可能性がある。そして、問題のAUだが、これはよく判らない。普通の考えで言えば、賛成・反対両陣営の何れに付くかで勝敗は決すると考えられるので、自分たちが決定権限を持つと考えてもいいはず。その時に、取引材料としては「自分たちの案を通してくれるなら、G4案に反対する」という戦略をとり得るのである。この場合、反対派たちはAUの案を呑まねばならないが、中国は日本の常任理入りさえ封じれば何だっていい、と言うかもしれないな。番長は反対するだろうね、多分。わざわざAU案を通して日独の不興を買うより、G4案に賛成の立場をとった方がいいと考えるだろう。


まあ、アフリカ勢の態度で大勢が決することは間違いないと言えますね。本気でバカの場合、独自案が通せると思ってG4とも協力せず、AU案と割れてしまって共倒れ、ということで、その場合、番長とか中露くんたちは大喜びとなる。反G4グループがAUと組んで、案をまとめるだけの結束が果たしてあるのか、それは微妙だな(まず無理だろうね)。番長は必ず反対に回るだろうから、その他の反G4グループにしたって大国がそろって(露英仏は絶対反対だろう、きっと。中はよく判らん。「日本憎し」さえ達成できればどこでもいいのかもしれんが、多分反対だと思うけどね・・・)反対に回るということを考えるだろうから、AUがそっちに乗るとも思えんのですよ。


番長が手の内を見せたことで、日本は態度を決めやすくなりました。日本の取る戦術は、AU案を取り込んで、大国の拒否権発動を抑制することでしょう。後は、独仏君がどれ位頑張れるか、ですね。中国は独、露は印の支持表明でしたので、G4をあまり冷たくあしらうのも「約束破り」ですから、意外に大国の拒否権も発動しにくい、という側面はあるでしょう。



話変わって六カ国協議ですが、再開には日本が全力で頑張らずとも他国の努力で北朝鮮が応じたのなら、日本は待っていただけ得したと言える。特に「譲歩」というカードを使わなくて済んだのだから。他のプレーヤーに手を打たせるというのは、ある意味高等戦術で、自分が積極的に動く必要が常にあるとも言えない。ライス長官は「拉致問題が解決されるべき問題であるということについて、疑問に思うことはない」というような発言をしていたようであるが、これは「日本が自分で解決してクレヨン」という意思表示であろう。米国サイドとしては、積極的に手助けしたりはしないでしょう、という意味だと思う。


なので、日本は北朝鮮に対して圧力をかける必要があるが、その時の材料が何か、又は、拉致被害者を帰してもらうことの交換条件は何か、が問題である。日本が単独で経済制裁を発動したとしても、実効性は乏しいかもしれないが、そういう手を何かを考えてもいいかもしれない。六カ国協議のテーブルがある限り日本が特別譲歩する必要はないと思う。六カ国協議が再開された後で、日本が「拉致問題を解決せよ」という要求を突きつけたとして、北朝鮮がテーブルから降りるだろうか、という点で、これについては否だろう、と思うのである。なので、ある程度厳しい対応も可能だ、ということだ。ただ、どうしても拉致被害者を帰して欲しい(例えばめぐみさんだけでも)ということであるなら、交換条件が必要になる場合もあるかもしれない。全員が帰ってくることに期待しても、甚だ困難だろうと思う。


日本としては六カ国協議という場は重要であるが、米韓中露あたりから見れば、日本が入っていてもいなくても関係なく「朝鮮半島の核」という問題は強い関心が有る訳で、仮に日本が「ちゃぶ台返し」をして、席を蹴ったとしても、残りの国々で交渉は続けられるだろうと思う。つまり日本がゴネようが靡こうが無関係に、北朝鮮は交渉を進めるであろう、ということで、日本が怒ってもよいのではないのかな、と。


万が一、日本が厳しい措置を選択し、それに北朝鮮が反発して「日本がイジメるから、やーめた」という風に、六カ国協議から降りたら、
①日本に対して、その他の国々が「厳しい措置は止めてくれ」と頼む、又は非難する
②北朝鮮が米中韓あたりの約束を反古にした、ということで責められる

①の場合には、日本を非難するなら、「拉致問題で悪いのはどっちだ?君たちが北を説得しろ」と言う
②の場合には、北が責められるだけで、日本には悪影響が少ない
というような感じでしょうか。「厳しい措置を解いてくれ」と頼まれれば、「それなら拉致問題を議題にしろ」と言える。恐らく、この可能性は少ないでしょうけど。


日本にとっては、北朝鮮が他の国々と交渉をうまくやったとしても拉致被害者は帰ってこないことに変わりがないので、いっそ、他の国々が交渉に行き詰まる方が都合がよい。北朝鮮は核開発を続ける限り、米中にビクビクしなけりゃならないから、交渉が決裂した方が困るのは北ということになる。日本は、核開発の交渉が決裂してもうまくいっても同じ。北が態度を変えない限り日朝間の進展はないし、拉致問題解決には繋がらないのだから。


というわけで、日本にとってはリスクとなるが、安保理問題の行方が決まったら、北朝鮮への厳しい措置の発動を考える方がいいのでは。米国が困るというのなら、交渉材料になりますね。



民主党の勘違いとポスト小泉戦線

2005年07月15日 16時39分50秒 | 政治って?
民主党は、今頃何を寝惚けたことを言っているのか。自覚が足りないのだろうな、やっぱり。ロボ岡田くんにしても、「内憂外患」という状況では苦しすぎるのだろうな。小鳩(小沢・鳩山)グループの策動もあるし、民主党と自公連立政権との争いもあるしな。

asahi.com: 「民主に失望」で内閣支持率維持? 民主党ネット調査 - 政治


次期首相への期待、という点でも、民主党からは有力な候補者が挙がっていないことは明らかだ。
全く何を考えているんだか。前にも書いたが、政権交代を目論むならば、「甲子園初出場、初優勝」くらいの勢いがなければ無理だな。挙党一致、強力なリーダーシップを発揮しないことには不可能で、現在のような体たらくではダメだろう。政権準備のまま過ぎていくしかないだろう。本気で何か「仕事」をしないと、国民からの評価は得られないぞ。今の状況を憂慮した若手グループが、都議会選挙に連動して「現執行部降ろし」の”クーデター”を目論んだらしいが、それも不発に終わった。このままの不協和音が大きい状況では、政権奪取は夢のまた夢ですよ。


郵政民営化を決めることが出来れば、旧式の政治スタイル・統治というものを変えることが出来るかもしれないのだ。今のままの民主党が政権を獲って、それが果たして実行できるのか?政治家だけでも変えられない。内閣も、幹部クラスの官僚達も、財界も、学界も、共に何かを「実現していこう」「将来こうしていこう」という絵が描けないと、多くの賛同者が得られない。国民にとってもそうだ。そういう政治・行政を実現できる可能性が高くなるならば、民主党にも目があるかもしれないけど。どうもそれが見えない。期待が膨らまない。そんな感じだな。


民主党の政権奪取よりも、現在の体制(自公連立)が続く事が前提のような感じで、「ポスト小泉」に関心が集まっており、取りざたされる人物も数人登場しつつある。

asahi.com: 「ポスト小泉」 安倍、谷垣、平沼氏が意欲 - 政治


平沼議員は有り得ない、と思うけど。経済界からも名前が挙がってこなかったし。路線としては、何処からも全然期待されてない。亀ちゃんも。今の小泉路線継承者じゃないと、無理だろ、そりゃ。郵政法案阻止して、真正自民で出発しても(笑)、公明の支援は受けられないって。反小泉路線だけでは、自民党内を束ねられないだろう。


既に何度か登場したけど、「谷垣くん」は公明が支持する模様。安倍ちゃんは過激発言も多いので、公明からはやや避けられている(多分外務・防衛関係については、強硬路線となることを心配している)のだろう。なので、無難な路線ならば谷垣くんということでしょう。安倍ちゃんは一部に政策音痴、特に財務音痴と思われているのかもしれない。実力の程はわからんけど。麻生親分は、名前が挙がってないな(笑)。

やっぱり現状では、期待値込みで、安倍ちゃん一歩リード(大衆受けってことだね)、次に谷垣くん、穴で福田、あとはその他大勢ってとこかな。



話題シリーズ4

2005年07月13日 16時47分39秒 | 社会全般
1)G4の常任理改革案に黄色信号

米国が反対表明のニュースが。やっぱりね、ですか。日独の働きかけにも、姿勢を変えず(外交問題関係の記事をお読みになってみてくださいね)。これで、米露中の反対が出揃い、独仏君の思惑が外された模様。日本が今まで努力してきた主要先進国以外の、その他の国々がどの様に評価しているのか、というところだろう。唯一のチャンスがあるとするなら、米国がウンと言わなくても小さな国々が賛成してくれることくらいでしょうね。米露中の影響力が果たして世界のどの位に及んでいるのか、日本が今までに貢献してきた世界の国々の評価がどうなのか、の勝負とも言えるのかな。EUの影響力もどの程度なのか、分からない。貧困な国々の多くは、はやり「経済援助」の大きさの問題で、それによって態度を決定するだろうと思うし。それ以外は、・・・どうなのか判らん。中国マネーにも心を動かされる面もあるかもしれないし。

日本の評価は、どうなんだろうね。大国の論理に対する世界各国の政治的姿勢についても、少し関わってきますかね。番長を支持するばかりではなく、「ケンカは弱いが、人がよさそうな、温厚で親切な国」ということにも、何かの期待があっても良さそうですが。私が選ぶ訳ではないから、全く分からないんですけれども。


2)秋霜烈日~検察官シリーズ

読売新聞の「検察官」シリーズは第2部に入っていますが、久々に取り上げてみました。
昨日の記事は、精密司法のお話でした。それと、「アメリカ人のみた日本の検察制度」の著者デイビッド・ジョンソン准教授(ハワイ大学)のことが出ていました。興味深い記事でしたよ。ジョンソン氏は、92年から1年2ヶ月間、神戸地検で密着取材をしていたそうです。日本の検察にもそんな度量があるのだなと思い(笑)、感心しました。

ジョンソン氏によれば、日本の検察の長所は「丁寧さ」を挙げており、「検察官によって処罰が異なる米国より公平だ」と述べている。また、検察官235人を対象にした調査で、仕事の目標に「犯罪者を反省させること」を選んだのは、日本で93%だったがシアトルでは9%に過ぎなかったそうだ。一方で、「自白強要の恐れ」を指摘しており、日本人ではないことで、割りと客観的評価をしているのかもしれないですね。

今後は「捜査の透明性向上」「犯罪者更正の理想と公平さの重視の維持」を希望、と述べていたようです。


3)宇宙ネタ

野口さんが搭乗するということで、スペースシャトルが注目を集めていますね。我が家では、全然別なところに注目でして、先日ウチの子が欲しいと言っていた本を買いました。『星の地図帳』という本なんですが、どうして星座や宇宙などに興味があるのか未だに謎です。新聞の広告欄を切り取って持っていたらしく、「今なら、3大附録つきなんだよ」とか言って、買うことになった。4800円+税で、痛かった(笑)。でも、本くらいは買うことにしている。確かに豪華な附録で、DVD、月表面の地図、星座表が付いていた。
今までにも、星に関する本を(しかも大人向けだ)何冊も買ったのに・・・笑。


少なくとも、星座名、星の名前、由来などについては、私は全然知らないが、子供の方がよく知っている。

「顕微鏡座」― 何だい?そりゃ
「彫刻室座」― えぇー?そんなのあるの
「とも座」― ”とも”って?船尾って書くんだ

へえ~へえ~ ・・・・・・



社会保障再考

2005年07月13日 01時19分19秒 | 社会全般
今まで何度も記事に取り上げてきましたが、社会保障問題の考え方について述べたいと思います。今の厚労省の考え方は、全くの誤りです。思想が根本的に間違っています。理念がありません。それなのに、恐るべきルールが作られていくことになっていきます。こんな世の中がいいわけがないのです。

間に合わないかもしれないですが、障害者自立支援法について少し触れたいと思います。今日衆院委員会採決となってしまう予定だそうです。本会議ではないので、衆院採決前までには野党が何とか阻止してくれればと思います。公明党も反対に回ってくれることを望みます。

障害者自立支援法は、統合的な法体系とし、介護サービスの利用についても統一的に考えていくのだと思いますが、利用者の自己負担を求めていく、ということになっています。「だちょう」のswanさんの記事(障害者自立支援法案の審議(7月1日)定率負担の重さについて~率直にいってやっぱり重い その2)を読んだのですが、委員会質問の内容から見れば、公費負担の減少効果は、高々12億円程度、というものです。医療費の自己負担や介護保険の自己負担の総額についてはよく分からない面がありますが、障害者から徴収しても知れてるでしょう。なのに、どうしてこんなところから「切り捨てていく」のか。ODAは100億ドル増額じゃないですか。外国にこんなにごっそり持っていく予算があるのに、何故、弱いところから、反対の声が小さいところから、予算を削減し、痛みを与えねばならないのか。

先日書いた厚生労働省所管の独立行政法人5つ(不正と不公平と「小さな政府」)で、
理事長・理事・監事の給与の合計は5億1784万円だ。

たった31人分で、だ。


天下り官僚達の「錬金術システム」にはこんなに金を流し込むのに、全国にいる何万人もの障害者には、十数億円程度の予算も何故用意できないのだ?たった31人程度のクソ天下り野郎どもの為に、国民の税金は5億以上も無駄に浪費されるのにもかかわらず、同じ額があれば数千人か数万人の障害者の役に立つことが判り切っているのに、予算が切られる。尾辻大臣は、そういうことが分からない人間なのか?この国には、良心というのものが存在しないのか?厚労省以外にも同じような仕組みの組織が、あちこちにごっそりあるだろう。そういう組織の、極々少数の連中の利益の為に、数十億円が給与として消えていく。


もしも、こんなことをやって「小さな政府」だ、などというとんでもない勘違いをしているならば、郵政民営化なんて絶対に支持できないぞ!障害者の人達に、少しでも手助けすることくらいできるだろう?いつ国民が「錬金術システム」に金を優先して使えと頼んだのだ?誰が、こんな天下り官僚達の利益となるように予算を配分しろと、お願いしたのだ?これも、法律が悪いからなのか?議員が馬鹿だからかで、その馬鹿な議員を選んだ国民が馬鹿だからか?障害年金は、年間百万円にも満たないのだぞ?仕事が出来ない人達も沢山いるのだぞ?親が死んだら、暮らせない人達もいるんだぞ?


この世の中には、勝手にルールを決め搾取する奴らと、虐げられて搾取される人々がいるのだ。

せめて収入・生活状況に応じて自己負担を免除する規定を盛り込むべきだ。介護が常時必要とか、ALS等変性疾患などの難病、脳性麻痺のような重度身体障害、仕事に従事して収入を得られない身体障害・自閉症・知的障害等があるなら、普通に生活が出来ないだろ?障害者を持つ家族を殺す気なのか?

何故道路公団のような談合を平気でやってて、年間数百億円もの無駄になってもよくて、障害者達にその数十分の一も予算を配分出来ないんだ?こんな行政が正しいのか?10億円でもいい。それすら、確保できないと言うのか!厚生労働省は狂ったのか。諮問会議に医療費削減を突きつけられて、社会保障費を何でもかんでも削ればいいとでも思っているのか?国家公務員共済組合連合会は60億円も剰余が出てるのに、国庫から77億円もの補助金が出てるだろ、財務省。そのうちの10億や20億を回せばいいだろうが。それも出来ないというのか、この国は。何故なんだ。


医療費削減の考え方も、大きな間違いだ。本来、国民が健康で元気に暮らせることが目的なのであり、病気になった人々を助けるために医療費がある。医療経済のことを考えて「予算を削減」するわけじゃない。元気に生活できる人々を少しでも増やしてあげたい、病気から守ってあげたい、という趣旨なんだろ?その結果として、医療費総額が減ることが望ましい、のだろ?元気に暮らせる人々が増えるなら、結果として、一人当たりの生涯医療費の削減に繋がるという意味だろ?違うのか?

病気になったりしなければ、家族も助かる、職場の仕事も助かる、社会全体で見ると労働生産性にも寄与でき、社会経済的損失も減るということなのだろ?

そういう結果として、国民も元気に生活できて良かった、行政も医療費が減少出来て良かった、って思うんだろ?そういう思想が根底にあって、よい医療サービスを出来るだけ効率的に、病気になって困っている人の負担も小さくできるように、制度や政策を行政が整備していくのだろ?そういう努力や工夫によっても、医療費を抑制するということなんだろ?このような理念にそって、政策立案をしていくのだろ?金額や数字で切っていくことが目的なのではない。


人々の幸せを願うような行政を目指すべきなのではないか。なのに、この国は、そうではなくて、特定の人間達の利益の為に、愚かな大衆の懐から掠め取るような政策しか作れないということのようだ。「弱い獲物」を狙うハイエナのような連中ばかりなのか。



漆間警察庁長官の言い逃れ

2005年07月12日 18時59分48秒 | 社会全般
漆間長官は「クルシマぎれ」(苦し紛れ、こんなところでも、下らないダジャレ・・・スミマセン)の如き言い訳をしていますね。「言葉の1人歩きだ」と。ナルホド。しかも博識ゆえの、言葉のミニ知識までご披露頂き、「言語道断とは、仏教用語である」と。流石、警察庁長官におなりになられる人物は違いますね。どうやら、漆間長官の発言の真意はもっと別なところにあり、浅野宮城県知事を批判した訳ではないのだと。そういうことですか。

しかし、本当に考えているんだろうかね、このお方は。自分の有する権限を正しく行使できないのに、何で長官なんてやっているんだ?警察庁長官の有する、全国都道府県警察への指揮監督権を行使するならば、いとも簡単に「問題解決」に繋がるでしょ。何でそんな簡単なことが理解出来ないのかねえ。


Yahoo!ニュース - 共同通信 - 「言葉の独り歩き不本意」 民主党批判に警察庁長官

記事より一部抜粋。

宮城県警の捜査報償費問題で浅野史郎同県知事の姿勢を批判した発言について、漆間巌警察庁長官は7日の記者会見で「一部の言葉が独り歩きするのは不本意。(報償費執行停止の)問題を早く解決してほしい」と述べた。
(中略)
漆間長官は「言語道断は仏教用語で、必ずしも目上の者が目下の者に使う言葉ではない。知事と自分に上下関係はない」と釈明。「この状態が続くのは宮城県の治安によくない。妥協点を見いだすべきだ」との認識を示した。


今までにも何度か取り上げましたが、言語道断なのは、漆間長官でしょうね。
「言語道断」発言をもう一度、見てみましょう。

Yahoo!ニュース - 毎日新聞 - <宮城県警報償費>警察庁長官が浅野知事を批判

記事より一部抜粋。

漆間長官は「現行の警察制度は、知事は公安委員会を所轄し、直接、警察活動に介入しないという形で政治的中立性を担保している」と指摘。さらに「今年度の予算執行で問題がないのに、停止するのは論外だ。捜査協力者に会うことを目的に文書の開示を求めるのは言語道断だ」と述べた。


因みに、「言語道断」の意味は、大辞泉では次の通り。

1 仏語。奥深い真理は言葉で表現できないこと。

2 言葉で言い表せないほどひどいこと。とんでもないこと。また、そのさま。もってのほか。
「人のものを盗むとは―だ」「―な(の)行い」

3 言葉で言いようもないほど、りっぱなこと。また、そのさま。
「時々刻々の法施祈念、―の事どもなり」〈平家・一〉

4 表現しがたいほど驚嘆した気持ちを表す語。感動詞的に用いられる。



これで見ると、漆間長官がおっしゃるように仏教用語ですね(笑)。そして、用いられた文脈を考えると、当然1ではないですね。そして、まさか、3や4であるはずがないでしょう。もしもそんな意味で用いているとするならば、「~~は論外だ。」に続けて、「(だけど)すごく立派だな、感動だな」なんて言うものでしょうか?
なに、それとも心底立派だと思い、浅野知事の全面支持の意向なのか?(笑)


警察庁長官ともあろう者が、都道府県知事に向けた言葉としては、非常に重いよ、本当に。判ってるのか?漆間長官は、浅野知事に向かって、「言葉で言い表せないほど、酷く、とんでもなく、もってのほかである」と啖呵を切ったんだよ。
しかも用例を見てみなよ、漆間長官。「人のものを盗むとは言語道断だ」だよ?知事をこれと同列に扱ったんだよ?言語道断なのは、国民から徴した「血税」を盗人の如く裏金にする警察組織だろ?これを「言語道断」と言うのだろ?用例通りの所業は、都道府県警察の方だろ?判ってるのか、本当に。非難するべき対象を間違えてるばかりか、浅野知事に対しては「論外だ」「言語道断だ」だよ?

全くもって失礼だ。詫びを入れるのが筋だろ、普通。謝罪するべきですよ。


異常事態なのは、警察庁・都道府県警察の方なのではありませんか?治安によくないのは、漆間長官の考え方・発言の方であり、県警の対応なのではないのか。そんなことも理解出来ないのか。先日仙台地裁の判決が確定したのであるから、司法判断に基づいて、「監査委員の会計資料を見る権利」を行使させろよ。県警に「拒否する理由などない」って裁判所が言ってるんだよ?何故、こうした司法判断に逆らえるんだ?行政の裁量権は、司法判断を上回るって言うのか?一般人も、「判決なんて知らないよ~」などとうそぶいて、判例を無視できるってのか。何で警察組織だけは司法判断に逆らえるのか、説明してみろ、漆間長官。警察庁長官のくせに、どうして、裁判所判決を無視するのだ?行政組織は、裁判所判断を無視できる、又は拒否できる、とでも言うのか。国民に与えられた行政権限を阻止できる権力が司法権限だというのに、それを無視されたら、民主主義の終わりだ。警察庁長官がそんなことも理解できないのか?


何の為の指揮監督権なんだ!「言葉の1人歩き」などという下らない言い訳をする暇があったら、きちんと国民に謝罪し、全国の警察に「指揮監督権」を発動しろ、っての。それで、一発解決だろが。何でそれができんかね?



遂に「禁断の領域」での戦いに

2005年07月12日 14時44分21秒 | 政治って?
参院の押さえ込みには、どうしても青木さんの力が必要ということであったのだが(本当のところはどうなんでしょうか?)、ちょっと触れにくい部分に踏み込むことになって行きそうですね。それは、日歯連事件関連なのですから。だが、ワタヌキ殿のアキレス腱はそこにある。私もうっかり記憶が霞んでいたのですが、そうでした、その手がありましたよ、総務省。これは記事に書くと、ちょっとまずいようにも思うが、でも、ここから先は真剣勝負の、バッサリ切る積もりで行くしかない、という覚悟を決めたんだと思う。恐らく、青木さんには累が及ばないという見込みが立ったのではないだろうか。週末に作戦会議で十分確認しただろう、多分(本当にそんな会議があるのかどうかは、知りませんよ。単なる妄想ですから)。小泉さん不在の間に、「作戦本部の参謀達」(笑)も集まって反対派切り崩し戦略を練った結果だろうと推測する。

Yahoo!ニュース - 共同通信 - 旧橋本派の報告書受理せず 総務省、虚偽繰越金で

一部抜粋します。

自民党旧橋本派(政治団体名・平成研究会)が2004年政治資金収支報告書で15億円余りを使途不明金扱いにした問題をめぐり、総務省がこの収支報告書の正式受理を事実上、保留した上で、過去の支出を明確にするよう同派に求めていることが11日分かった。総務省がこうした措置をとるのは異例で、9月に予定している官報による公表までの旧橋本派の対応によっては「訂正命令」を出す可能性もある。


で、私の参考記事:政治資金規正法はザル法だ


そう、反対派の最大勢力―旧橋本派―への強力な締め付けと、「いくさは敵の大将の首を獲れ」が基本だから、それを狙うことにしたのだろう。今までは政治的配慮で仕舞って置いた、「切り札」を引っ張り出さねばならなくなった、ってことだな。粉砕するには、本気で切るしかないかも。手加減していては、こちらが切られてしまうやもしれん。


民主党が余計な横槍を入れてくるから書きたくないけど、切り崩しの材料に使うのは、難しい面もある。万が一の、名誉の「憤死」を選ぶ場合には、非常に危険な賭けとなる。自分の首と引き換えに、反対派勢力を「仇討ち」という旗印の下に結束させてしまう可能性も、僅かにあるからだ。その場合に、結果としてワタヌキ殿1人の首と廃案との引き換えなどになるようであれば、本来の目的を達せられない。ワタヌキ殿以外の何人かが一緒に「討ち死する」ような場合でなければ、どちらも「チキンレース」状態となっていく。なので、この材料を「本体」としてはいけない。むしろ、他の工作手段をメインに据えるべきで、最後の差し違えになるようなら、これも使い切るしかないだろう。


私も相当汚れつつあるな。あれ程、政治資金規正法に基づいて「法令違反を取り締まれ」と言っていたのに、今、まさに自分が、政治的取引の材料に使えるということを、優先して考えているからです。「目的の為には手段を選ばない」という、陳腐な言葉通りとなってしまっている。そんな自分がコワイ。というか、危険である。

私のような人間は、実は、役人向きのタイプなのかもしれない。例えば、軍隊の作戦指揮官になった時、以前に「戦争反対、暴力反対」とか言っていたくせに、あっさり「味方1万人死亡の可能性が大だが、敵部隊3万人を殲滅できるから、その作戦がいい」というような恐ろしいことを実行出来そうなんだもん。自分にとっての目的を追及していこうとする時に、このような罠に陥るのだろうか。人間とは恐ろしい。というか、自分がオカシイのだろうと思う。

本来の法の趣旨に基づいて適正に処理していくのは当然なのであり、総務省の対応は極めて法の趣旨に則ったものである。決して政治的意図などはなく、収支報告書及び監査人の監査報告書の適正な記載を求めるものであり、これが正当である。行政としても全く正しい。

私が書いたような邪推をお許し下さい。