西尾治子 のブログ Blog Haruko Nishio:ジョルジュ・サンド George Sand

日本G・サンド研究会・仏文学/女性文学/ジェンダー研究
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『フランツ・リストはなぜ女たちを失神させたのか』浦久俊彦/著

2014年05月11日 | 芸術・音楽・演劇、オペラ、舞踏など

首都大学東京の公開講座(「ジョルジュ・サンド・・・」)受講生の皆さんへ

先週、リストに関する非常に興味深い本があるとご紹介しましたが、その詳細は次の通りです。

浦久俊彦/著『フランツ・リストはなぜ女たちを失神させたのか』

音楽の見方が一変! 19世紀ヨーロッパを制覇した「史上最強のピアニスト」の肖像。
リサイタルという形式を発明した「史上初のピアニスト」フランツ・リストは、音楽史上もっともモテた男である。その超絶技巧はヨーロッパを熱狂させ、失神する女たちが続出した。聴衆の大衆化、ピアノ産業の勃興、スキャンダルがスターをつくり出すメカニズム……リストの来歴を振り返ると、現代にまで通じる十九世紀の特性が鮮やかに浮かび上がってくる。音楽の見方を一変させる一冊。

発行形態 : 新潮新書
頁数 : 214ページ
出版者  :  新潮社
出版年月日: 2013/12/14
価格   :  778円

タイトルからは軽率なイメージの本を想像しがちですが、とんでもない!著者の深い知識に裏付けされた非常に濃い内容の思索と歴史的データから構成されており、無国籍の作曲家リストの知られざる生涯、リストとショパンの関係、ピアノ製造や白と黒の鍵盤の話、ピアノ産業の隆盛とブルジョワ女性、19世紀ヨーロッパの音楽について等々、読者の興味をそそる話が明快な文章で綴られています。宣伝コピーの通り、確かに音楽の見方を一変させるかもしれない好著です。是非お読みになってみて下さい。

著者については次の通りです。

浦久俊彦/著
ウラヒサ・トシヒコ
1961(昭和36)年生まれ。音楽プロデューサー。高校卒業後、19歳で渡仏。パリで音楽学、歴史社会学、哲学を学ぶ。フランスを拠点に作曲、音楽研究活動を行う。
2007年に三井住友海上しらかわホールのエグゼクティブ・ディレクターに就任。

コメント
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