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1851年、サンドはLes fetes des Rois を、一月五日の日曜日にお祝いしたようです。
Les fetes des Roisとは、公現節(1月6日)に家族あるいは友人でガレット・デ・ロワ galette des roisというケーキを食べてお祝いをするお祭りのことです。ガレット・デ・ロワは、一般的にはパイ生地にアーモンドクリームを入れて焼いたケーキで(南仏ではパイ生地ではなくブリオッシュケーキ)、このケーキの中には、陶製の王様や女王の形をしたフェーヴ(feve、ソラマメの意)が入っていて、切り分けられたパーツにフェーヴが入っていた人は、その日の王様や女王様になれるという宗教的行事です。子供を喜ばせるためのお遊びのようなものですが、フランス人はこれを食べないと一年が始まらないようです。
フランスではガレット・デ・ロワは1月1日の14時に売り出され、この行事は1月の間におこなうという慣習になっているようです。南仏でサンド研究をしつつドクターを目指して学生時代を送っていた頃、友人達の Les fetes des Rois のパーティに招待され、何と筆者のケーキのなかに女王のフェーヴが入っていたことがありました。みんなに紙製の金の王冠を頭に載せられて拍手を浴び、それが何のことかよくわからなかったことを思い出しました。映画「シェルブールの雨傘」にも、Les fetes des Roisのパーティのシーンがありますが、こうした文化を知らないと、カトリーヌ・ドゥ・ヌーヴがなぜ王冠を被るのか理解できないかもしれません。
WIKIによれば、ガレット・デ・ロワの起源は、古代ローマのサートゥルヌスの祭典サートゥルナーリアに遡るそうです。サートゥルナーリアの饗宴では豆を一つ入れたケーキが供され、豆が当たった出席者を宴の王とする習慣があったとのこと。
プロヴァンスでは、パイ生地ではなくブリオッシュ生地で作るガトー・デ・ロワ(gâteau des rois)があり、アカディアやケイジャンの人々の間にもこの行事は伝統として伝わっているようです。カナダにフランス系の先祖をもつアカディアの人々の一部は、北米のルイジアナ州にも定住しており、ケイジャンと呼ばれ、独特の音楽や文化を継承しています。彼らは祖先と同様、カトリックを宗教としていることから、ガレット・デ・ロワ の風習もしっかりと受け継いでいるのでしょう。
アカディアのガレット・デ・ロワ
アカディアの伝統的なガレット・デ・ロワはケーキ生地で作られ、王と女王を象徴するエンドウマメとインゲンマメまたは黒と白のボタンが一つずつ入っていた。地域によっては指輪、1セント硬貨、ぼろきれを一つずつ入れて焼いたガレット・デ・ロワを切り分け、公現節の会食の出席者に配り、指輪が当たった人は年内に結婚し、硬貨が当たった人は金持ちになり、ぼろきれが当たった人は貧乏が続くというように、一年間の運勢を占う習慣もあった。
Cf: http://ja.wikipedia.org/wiki/ガレット・デ・ロワ
日本でも、2009年末からセブンイレブンがガレット・デ・ロワを限定販売している(フェーヴはアーモンドで代用されている)そうです。価格は777円であり、本家ガレット・デ・ロワとは直接関係ない「ラッキーセブン」とかいう名前を付けられているとのことのようです。 http://ja.wikipedia.org/wiki/ガレット・デ・ロワ
ガレット・デ・ロワの作り方は次のサイトで :
http://www.cakechef.info/patisserie/patisserie_ancienne/cake/017/index.html