“子ども”を取り巻く諸問題

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「スマホ依存症」は「ギャンブル依存症」と同等

2018年01月04日 08時27分54秒 | 育児
 私は“依存症”という言葉を聞くと、職業柄「麻薬依存症」「アルコール依存症」「ギャンブル依存症」などの病名が浮かびます。
 しかし昨今、「スマホ依存症」「ネット依存症」など、病気なのかどうか千疋が難しい単語もよく聞かれるようになりました。
 紹介する記事は、脳画像検査であるMRIの一種であるMRスペクトロスコピー(MRS)で評価し「スマホ依存症はギャンブル依存症に匹敵する病態である」と報告しています。
 これはゆゆしき問題です。
 韓国の論文から;

■ 若者の「スマホ依存症」、脳画像で異常を確認
提供元:HealthDay News:2018/01/04
 スマートフォン(スマホ)から離れられない若者に脳画像検査を実施したところ、脳内の神経伝達物質の活性のバランスに異常が認められたとする研究結果が北米放射線学会(RSNA 2017、11月26日~12月1日、米シカゴ)で発表された。
 この研究は高麗大学(韓国)のHyung Suk Seo氏らが実施したもの。対象は、インターネット依存症またはスマホ依存症と診断された10歳代の男女19人(平均年齢15.5歳)と、年齢および性をマッチさせた依存症のない健康な男女19人(対照群)。依存症患者には、インターネットまたはスマホへの依存症の重症度を測定する標準化された検査を実施した。この検査では主にインターネットやスマホの使用が日常生活や社会生活、生産性、睡眠習慣、感情に与える影響について評価した。
 また、依存症患者のうち12人には9週間にわたって認知行動療法を実施したが、その前にMRIの一種であるMRスペクトロスコピー(MRS)を用いて脳機能を評価した。MRSは体内の代謝物を非侵襲的に測定でき、主に脳腫瘍や脳卒中、気分障害、アルツハイマー病などの患者の脳機能評価に使用されている。
 その結果、インターネットまたはスマホの依存症患者では、対照群と比べてグルタミン酸-グルタミン(Glx)に対するγアミノ酪酸(GABA)の活性レベルの比が高いことが示された。GlxとGABAはいずれも脳内の神経伝達物質だが、Glxは興奮性、GABAは抑制性の物質とされている。同氏らによると、これまでの研究でGABAは視機能や運動調節、不安などさまざまな脳機能の制御に関与することが明らかにされているという。
 また、今回の研究ではクレアチンおよびグルタミン酸に対するGABAの活性レベルの比が、インターネットまたはスマホへの依存レベルや抑うつ、不安と有意に関連することも示された。
 この研究結果を受け、米コーエン小児医療センターのSanjeev Kothare氏は「インターネットあるいはスマホへの依存症はギャンブルやポルノへの依存症に匹敵する病態かもしれない」との見方を示している。また、10歳代の子どもを持つ親に対し、同氏は「もしわが子がスマホ中毒ではないかと心配ならスマホやコンピュータの使用を制限すべきだ」と助言している。
 なお、学会発表された研究は査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。


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