小説家、反ワク医師、空手家、浅野浩二のブログ

小説家、反ワク医師、空手家の浅野浩二が小説、医療、病気、文学論、日常の雑感について書きます。

カンニング論

2008-11-29 08:05:34 | 医学・病気
カンニング論

私は人生において一度もカンニングという事をしたことがない。
大学でも、一度でもカンニングした人は、その人の持っているものは卒業証明書ではなく、詐欺証明書である。私の持っているのは、まぎれもない卒業証明書である。
私はカンニングという行為に、単なる不正という以上の悪質なものがあると思っている。それは、友達に対する裏切り、である。大学の時、二年から三年へ進級する時点で関所をつくり、かなり落として留年生をだしていた。二年も一緒に過ごすと親友になる。特に医学部は、他の学部と違って、実習など全員出席の授業が多く、大学というより中学や高校に近い。実際に私は見ているが。仲のいい関係の同級生が、一人はカンニングして三年に進級したが、一人はカンニングせず落第して、下のクラスに落ちた。そしてカンニングして進級した生徒が何も感じていないことに私はあきれるのである。私は友達に対する裏切りは不正行為より、はるかに悪質だと思っている。落第した生徒というものはみじめなものである。自分がそういう立場になって考える事が出来ないのだ。デリカシーゼロである。こういう事に、罪悪感も何も感じないでのうのうとしている人間が私は嫌いである。莫迦であると思う。大学一年の時の学園祭で、ある精神科医で作家の人が来て講演したのを聴いた。彼は、大学時代にカンニングしたことを、面白おかしく、自慢して話していた。私はそんな人間は莫迦だと思う。カンニングせず、真面目に勉強して留年した目立たない人の事が頭にないのだ。頭は良くても物事の本質が見えない人は多い。

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