かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

清見糺の一首鑑賞  37

2020-07-14 15:48:44 | 短歌の鑑賞
     ブログ版  清見糺研究     百年の恋&たのしみは 
                       かりん鎌倉支部     


37 たのしみは教務手帳の今日の日を夜のほどろにひとり消すとき
                 「かりん」95年3月号

 定年を一年残してこの三月に退職予定だった作者。学校で使用している教務手帳を、退職まで後何日、後何日と数えながら消している少しいじましい図である。「夜のほどろ」は古語辞典には普通「明け方」と出ているが、漠然と「夜」をさすこともあるようだ。ここは後者をとっておく。「ほどろ」のぼかしが退職の日をいかにも待ち望んでいる気分をうまくとらえているようだ。

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 清見糺の一首鑑賞  36 | トップ | 清見糺の一首鑑賞  38 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

短歌の鑑賞」カテゴリの最新記事