かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男の一首鑑賞 83

2022-05-13 10:14:50 | 短歌の鑑賞
  渡辺松男研究2の11(2018年5月実施)
    【夢みるパン】『泡宇宙の蛙』(1999年)P57~
     参加者:泉真帆、A・K、T・S、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:渡部慧子 司会と記録:鹿取未放


83 まっしろき秋のいかなる隙間から子らあらわれて丘を走るや

       (レポート)
 白秋という言葉があるように、秋のひかりを白いと感じることがる。そんな秋の「いかなる隙間から子らあらわれて」とフレーズのラ行の音のかろやかさやひびきに子ども達の生命の弾みがあり、その子らは丘を走る。しかしこのフレーズに実景をこえた不思議もある。(慧子)


      (当日発言)
★子ども達がわーと走ってくる様を感じました。どこから来たか分からないけど、気が付い
 たときには子ども達が走っていた。勢いがあるというか躍動感がある。(真帆)
★生き生きとして明るくてとってもいい情景を詠っている。「隙間」って巧いなあと思いま
 した。こういう言葉って出るようで出ない。秋蜻蛉があふれている歌にも色彩感があった
 けれど、この歌も子ども達が溢れているんだけれど、まっしろな秋ですがすがしい。
    (A・K)
★同感です。「隙間」が凄い!ほんとうにどこかから湧いて出たように子ども達が走ってい
 るんですよね。そういう不思議な感覚を持つときがあるんだけど、それを秋の「隙間」っ 
 て言葉ですくい上げて歌にするって凄い。(鹿取)


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