渡辺松男研究2の11(2018年5月実施)
【夢みるパン】『泡宇宙の蛙』(1999年)P57~
参加者:泉真帆、A・K、T・S、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:渡部慧子 司会と記録:鹿取未放
79 秋蜻蛉ひかる盆地にみちあふれわれは子宮になりたくなりぬ
(レポート)
生命を象徴する色としての赤が、ひかりとともに満ちあふれている様は、祝福された景で、まるで子宮のようと作者は思ったのであろう。四、五句へ無理なく繋がる。(慧子)
(当日発言)
★作者が意識してやっていらっしゃるかどうかは分からないけど、盆地って窪んだものだから子
宮と繋がるかなと思います。(A・K)
★フロイト的に言えばまさに盆地の形状は子宮に似ていますよね。(鹿取)
★赤とんぼが盆地に満ちあふれている、赤は生命そのものです。盆地にわーとそういうのが群が
っている情景は素晴らしくて、そういう命を生み出したいという願望なのかなあと。
(A・K)
★上句は普通の自然詠としても読めますよね。秋、蜻蛉のア音で続ける明るさとか、これだけ巧
く斡旋できるかどうかは別にして、普通の人でもこういう景だけなら言えそうです。でも、下
句にこんな思想を持ってくるのは松男さんだけですよね。(鹿取)
★蜻蛉が赤いので血液のように見えて、それで子宮を連想したのかなと思います。子宮になりた
くなりぬって面白い感覚なんだけど、それを硬くではなく柔らかく伝えてくるところがいいな
と思います。(真帆)
【夢みるパン】『泡宇宙の蛙』(1999年)P57~
参加者:泉真帆、A・K、T・S、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:渡部慧子 司会と記録:鹿取未放
79 秋蜻蛉ひかる盆地にみちあふれわれは子宮になりたくなりぬ
(レポート)
生命を象徴する色としての赤が、ひかりとともに満ちあふれている様は、祝福された景で、まるで子宮のようと作者は思ったのであろう。四、五句へ無理なく繋がる。(慧子)
(当日発言)
★作者が意識してやっていらっしゃるかどうかは分からないけど、盆地って窪んだものだから子
宮と繋がるかなと思います。(A・K)
★フロイト的に言えばまさに盆地の形状は子宮に似ていますよね。(鹿取)
★赤とんぼが盆地に満ちあふれている、赤は生命そのものです。盆地にわーとそういうのが群が
っている情景は素晴らしくて、そういう命を生み出したいという願望なのかなあと。
(A・K)
★上句は普通の自然詠としても読めますよね。秋、蜻蛉のア音で続ける明るさとか、これだけ巧
く斡旋できるかどうかは別にして、普通の人でもこういう景だけなら言えそうです。でも、下
句にこんな思想を持ってくるのは松男さんだけですよね。(鹿取)
★蜻蛉が赤いので血液のように見えて、それで子宮を連想したのかなと思います。子宮になりた
くなりぬって面白い感覚なんだけど、それを硬くではなく柔らかく伝えてくるところがいいな
と思います。(真帆)
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