かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男の一首鑑賞 79

2022-05-09 17:02:06 | 短歌の鑑賞
  渡辺松男研究2の11(2018年5月実施)
    【夢みるパン】『泡宇宙の蛙』(1999年)P57~
     参加者:泉真帆、A・K、T・S、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
      レポーター:渡部慧子 司会と記録:鹿取未放


79 秋蜻蛉ひかる盆地にみちあふれわれは子宮になりたくなりぬ

     (レポート)
 生命を象徴する色としての赤が、ひかりとともに満ちあふれている様は、祝福された景で、まるで子宮のようと作者は思ったのであろう。四、五句へ無理なく繋がる。(慧子)

  
    (当日発言)
★作者が意識してやっていらっしゃるかどうかは分からないけど、盆地って窪んだものだから子
 宮と繋がるかなと思います。(A・K)
★フロイト的に言えばまさに盆地の形状は子宮に似ていますよね。(鹿取)
★赤とんぼが盆地に満ちあふれている、赤は生命そのものです。盆地にわーとそういうのが群が
 っている情景は素晴らしくて、そういう命を生み出したいという願望なのかなあと。
   (A・K)
★上句は普通の自然詠としても読めますよね。秋、蜻蛉のア音で続ける明るさとか、これだけ巧
 く斡旋できるかどうかは別にして、普通の人でもこういう景だけなら言えそうです。でも、下
 句にこんな思想を持ってくるのは松男さんだけですよね。(鹿取)
★蜻蛉が赤いので血液のように見えて、それで子宮を連想したのかなと思います。子宮になりた
 くなりぬって面白い感覚なんだけど、それを硬くではなく柔らかく伝えてくるところがいいな
 と思います。(真帆)

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