かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男『寒気氾濫』の一首鑑賞 78

2023-07-23 12:29:02 | 短歌の鑑賞
 2023年版渡辺松男研究⑩(13年11月)まとめ 
    【からーん】『寒気氾濫』(1997年)36頁~
    参加者:崎尾廣子、鈴木良明(紙上参加)曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:渡部慧子
    司会と記録及びまとめ:鹿取 未放

 
78 あなたとのあいだに菊の黄をおきて沈黙の間は黄を見ていたり

    (当日発言)
★黄色の菊というのは何か意味があるのでしょうか?(曽我)
★黄色そのものには作者は意味を置いていないのでは。(慧子)
★私は反対、黄色にすごく意味を置いているように感じる。黄色というのは幸せ
 の色というような。ふたりの間で満たされた気分を黄色の菊で表現しているの
 かなあと。(崎尾)
★私はこの歌が大好きですが、黄色にはそれほど意味を置いていない気がする。幸
 せの黄色いハンカチというのもあったけど、絵画なんかではむしろ黄色は不安と
 か焦りとかを表している気がする。でも、この歌はありふれた黄色い菊が恋人と
 の間に置かれていて、沈黙の間は「菊」という認識ではなくてマッスとしての
 「黄」を見ていた、「黄色の菊」ではなく「菊の黄」といしたところ、「黄を見
 ていたり」が上手いなあと思う。(鹿取)

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