東京日和 素敵な暮らし for all women インテリアのレシピ

インテリアをとおして・・仕事、プライベート、子育て。色々なシーンでその場所をより楽しく過ごすエッセンスや情報を綴ります。

アクアリウム

2018-08-26 | ストーリー
最近よく読まれていた記事その2

2016.2.7より

ショートショート。私が、昔からかなり好きなイルカ🐬のお話。
お話の情景が浮かび易いように書いてみました。

米津玄師さんの『lemon』より先に、レモンを題材に入れたのが、自分的には檸檬lemonだよね!と。冬のレモンの黄色の鮮烈さをイメージして頂けると嬉しいです(^-^)

あっ。。檸檬は、藤沢に住む叔母に頂いた檸檬の実体験です。

文体、ソース、テーマ、ノリ?それも、最初は何かの成功の例の真似からですよね。
真似ぶ=学ぶはあり。クリエーティブもセオリーがある以上の真似るからはじますよね。芸術的なものも。絵も模写がありますし、音楽もコピーがあります。絵の静物画なら、果物などの自然の偉大な!偉大です。物を自分のフィルターを通して解釈して描写し、自分のカラーや雰囲気をキャンバスに投影していくものだと思います。






庭に檸檬がなっていた。

「湘南でも檸檬が育つんですね。

「今年は何故か豊作だったのよ。最後の3つ持って行って。
と言って、家人は枝切りバサミで、その1つを枝から切り取って

私の手の上にのせてくれた。

「綺麗な檸檬ですね。レモンジャムでも作ってみますね。」

私は以前、スペインの地中海沿岸の町で、街路樹に普通に

檸檬が成っているのを見た時にいたく感激していたので

庭に檸檬を植えている家人は本当に素敵だと思った。

しかも、ちゃんと育ってる。手の平にあるそのリアルな黄色い

果実に自然に顔がほころんだ。

レモンジャムをパウンドケーキの生地に混ぜたり、ヨーグルトに

混ぜるといいかも。素敵なお土産を頂いた。

「どうもありがとうございます。また、来ますね。」そう言って

門まで出てニコニコといつまでも見送ってくれる家人に別れを告げた。

その家は海からほんの近くにあったので、私はふっと

海浜公園まで足をのばしてみようと思った。

公園は海岸線沿いに遊歩道になっていた。

遊歩道に出てみると、遥かに江の島が見えた。

そう遠い距離に思えなかったので江の島まで歩いてみることにした。

真冬の海を歩くのは初めてかも知れない。

幸いオーバーコートにブーツ、マフラー、防寒タイプの手袋を

していたし、海は凪いで、海風は無かった。

それでも、その遊歩道の先の海の中には、点々と黒く

サーファーがいるのが見えた。

道すがら、海から上がって来るサーファーに何人も出くわしたが

どの人の顔も満足げに微笑んでいた。海は人を癒すらしい。

凪いだ海のきらめきと、静かな波の音を聞きながら歩くうちに

私の心も静かになっていった。

江の島まで20分くらいかと思ったが、もう少し遠かった。

私は歩いて来た道を振り返ってみた。

最初、近く見えていると思った江の島より、

振り返った私の出発点は遥か先に遠かった。

こんなに歩いて来たんだ。。。

私は江の島に着くまで、何度か振り返り、その出発点を確かめた。

どこ? 遠くて、小さくてわからない。。

30分ほど歩き、水族館のイルカショーのステージの間仕切り壁の

所にたどり着いた。

時間は3時を回っている。まだショーはあるのだろうか?

最終のショーは4時だった。

なんだか、私は無性にイルカに会いたくなって

ショーを観ることにした。

ショーのイルカは本当に愛らしく、いたずら好きだった。

前方の観客にジャンプする際、豪快に水しぶきを掛けていた。

観客は心ゆくまで、彼らのジャンプや彼らを誘導するスイマーとの

心温まる交流を楽しみ、笑顔になった。

イルカたちは本当に楽しそうに泳ぎ回ってジャンプをして

キュキュキュと鳴いた。

私は彼らの純粋さに感動した。そして、心からしあわせに思った。


もしかしたら、遥かな海岸線を歩くうちに

湘南の物語から始まったかも知れないパラレルワールドは

閉じたのかも知れない。

道は1本道だったけれど、何処かで次元は元に戻ったのかも知れない。

そう思った。









※物語はフィクションです(^_-)-☆

 
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ペーパームーン

2015-10-23 | ストーリー

 

今日の月は綺麗なホワイトブルーに輝く三日月だった。

月は横顔をこちらに向けて微笑んでいるようでもあった。

見ていないでしょ??

そっけないその横顔に呟いてみる。

エピソードはいっぱいあった。

でも、プロローグってあったけ??

そう。少しづつ私の心に入り込んで、気が付いたら

いっぱいになっていたね。

決して過剰なんかではない。心は静かに育ち、満ちていった。

そして、本当にピュアな気持ちだった。

彼の心に呼応するように。

経験した者でなければわからない。

誰もこの事を結論づけることなどできないのだ。

 

私はどれだけ、東京の地下鉄に乗りながら彼の事を

考えただろうか?

目白通りをどれだけ行き来きし、必死になって現場へ行き、

ベイエリアのマンションの窓から

向こう岸へループに掛る橋のきらめきを見ながら

何かが得られると信じて脇目も振らずに仕事をしただろうか。

無駄になることなど何一つない。

その経験がたとえ、ペーパームーンのように

月ではなく、誰かが創った紙細工だったとしても。

多分、仕事は楽しかったし、思い出も充実していたのだ。

心はブレてもいなかったし、あざとくもなかったから。

楽しかったと思う。ありがとう。

心に流れていた曲は絢香からスタンダードジャズになっていた。

心はもう静まって、夜の闇に溶け込んで

安らかに眠りを誘う曲に変わっている。

子守唄のように。

そして、また何かを求めて前に向かっていけそうな予感がした。

月がたとえ横顔だったとしても、ペーパームーンでも

あなたが笑顔なら、私はしあわせだった。

 


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Know who you are

2015-08-14 | ストーリー



迷走していた。

ツルツルの壁に手をかけて、もがいていた。

どうすれば、変われる??自問自答していた。

いつも、離さず大切にしていたスマホを手放してみた。

今、こんな事考えてるよ。今、見たこれ素敵だった。

この景色。あなたにも伝えたい。。

いつもそう思ってスマホを握りしめていた。

そのスマホを自分から離してみて、あまりの心もとなさに

心が空っぽになりそうだった。

。。。空っぽになっているのかもしれない。

私は初めて、怖いと思った。そしていつも彼がいてくれることに

安心して心からしあわせに思っていたのに。。

いつも心強かったのに、あまりの穴の大きさに茫然とした。

大丈夫なのだろうか。。。

あなたは?私はありがとうっていいたかったの。

なのに、壊してしまった。。

何故なんだろうか?進化して行こうって言ったのに。



思い出していた。

前に会社で、彼女のいる男の子を好きになった。

私は人によっては全く話せなくなるのだが、

彼は話やすかった。お昼休みにやって来て

人のお弁当のおかずをつまみ食いするなど予想外の行動をしたり、

軽いというわけではなく話す事が人とは違っていて、

感性が光っている。

そう思った。

そう、私にもちゃんと彼は他にいた。

彼はその彼とは違ったところで、自分の心が、

この人の言ってることは分る。

本当はもっと知ることが出来たらいいのに・・

そう思っていたのかも知れない。しかし、状況からいって私には

かなり遠い存在だったし、勿論、どうにかしたいなどとは

思ってなかった。

その後、彼が広報部に来て、同じ部署になった。

だからといって、一緒に仕事をしていたわけでもない。

そしてやがて、私はこの会社に入った時の予定通りに、

会社を退社して次のスッテプに進んだ。

そうだ、その時、心にあったのは未来だ。

課の人たちが、私の為に送別会を開いてくれた。

その日、私が大泣きして肩を借りたのは、いつも一緒にいてくれて

感謝すべきと思っていた噺家みたいな江戸弁を話す

おじいちゃん上司だったから、私の行動も予想外に違いない。

自分でも笑ってしまう。

しかし、私は彼と約束した。

「10年後、お互いどうなっているか競争しようね。」

「それで、10年後に絶対会おうね。」

でも、その約束は果たせなかった。

5年後のいつかの日に偶然、展示会で彼にあった。

私は同期の女の子とその展示会に来ていた。

「久しぶり~なっつかしいな~元気か?俺たち付き合ってたんだよなあ~。」

と、彼は楽しそうに言ってきた。

「・・・」そんなことは無かったでしょ。。

彼はすっかり業界人になっていて軽口を言った。

私は婚約中だったので、「えっ~!!もう!!変なこと言わないで下さい!」

と言った。私より格段真面目な同期はたぶん冷たい視線を送っていた。

その時、やはり私も彼は変わっちゃった。。そう思った。

その後、風の噂で、彼は彼女と故郷の北海道に帰って

北海道でも有名な家具の会社に転職したと聞いた。

私たちがいた会社自体が斜陽になっていっていたので

そういうことが理由とは思うが、そのほうが彼らしい。そう私は思った。

そして、心から良かった、そう思った。


今の私は??

何かが間違っている。わかってないのは、全く自分なの。

自分が常識として、良しとしている世界ではなく

全く世界を変えてもっと多くの人の話を聞いて、

ちょっとずつ進んで

ちゃんと考えていくべきなのかもって。

わかったの。やっぱり、進化すべきって。

穴はあなた以外には塞げない。。。

そうも思った。

しかし、答えもすぐには出ない。

乗り越えていけるのかな?

心はまだバラバラになりそうだった。。。

こんなところで止まってはいけないのだ。

自分を信じなくてはいけない。

私は自分の心に言い聞かせていた。

ステレオからファレルのKnow who you are が流れていた。

君のことはわかっているから・・・

そう歌って励ましてくれていた。







http://blog.livedoor.jp/yogakuwayaku/archives/1016665592.html

< Know Who you are>
www.youtube.com/watch?v=kJntPaUsxIc


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綺麗な情景

2015-06-07 | ストーリー
広尾の地下鉄の駅の階段を上がりきった出口のところにある

横断歩道の前で会社の人と待ち合わせをしていた。

夏も終わりを告げて、秋も深まり少し肌寒くなっていた。

秋に入って初めてトレンチコートを着た。

無事、会社の人とは会えた。彼も時間どおりにやってくる。

横断歩道を渡ろうと、赤信号を待っていると、

反対側の歩道に友だちと三人でいる彼の姿が見えた。

信号が青になり、一斉に人々が渡り始める。

私は咄嗟に、同僚の影に隠れた。

何故か会社の人といるところを彼に見られたくなかったし

連日の打ち合わせで疲れた顔も朝から見られたくなかった。

気づかないで。。。そう願ったが、後で「少し疲れた顔だったね。」と。

気づいてたんだ。意地悪な。。しかもなんでそんな時間に。

彼はたまにそんな悪戯?なことを仕掛けてくる。


朝の打ち合わせは無事に完了して、先ほどの横断歩道まで戻って来た。

会社の同僚が、駅の入口の脇のコンビニのイートインで

「コーヒーでも飲んで一服する?」と聞いてくる。

「いいですね。私、朝ごはん食べそこなちゃってるので。」

席は1つしか空いていなかった。心優しい同僚が席を譲ってくれる。

「ありがとうございます。」私がパンを1口、口に運ぼうとした時に

彼と目が合った。??「鈴木さん。もしかすると朝ごはんまだですか?

半分食べます?」彼は少しにこっとして受け取る。まるで、部活仲間みたい。

私の隣に座って、それを見ていた黒人の男性が

「良かったら、席どうぞ・・私はもういいので。」「どうも・・ありがとうございます。」

何だか優しい朝になった。


その日の夕方、また広尾でお客様と打ち合わせだった。

帰りに、打ち合わせに参加した取引先の人に車で家まで送ってもらうことになった。

広尾を抜けて、青山通りに出ると、綺麗なショーウインドやビルが立ち並び

夜の街はキラキラと輝いていた。本当に綺麗で美しい街だ。

しばらくその界隈で仕事をしていたこともあるが、青山の街は車で抜けた方が

より美しく感じた。

車の速度感が、まるで走馬灯のように、万華鏡のように街をキラキラさせた。

車は外苑沿いに進んで行った。外苑の緑を抜けて郊外へと。


私はあなたがいた郊外も好きだよ。秋になると虫の音が聞こえていたよね。

いろいろな情景が思い浮かぶ。暑い夏の日だったり、緑豊かな公園だったり。

その情景はね、どんどん変化していくんだと思う。

1枚、1枚、写真が増えて、1コマ1コマの画像が彩を変えていくように。

次は湘南の海かもしれないし、ひょっとしたらスペインの海岸やパリの凱旋門や

ロンドンのトラファルガー広場かもしれない。

思いはどんな場所にだって飛んでいけるの。

そんな想像してみると、ちょっとは楽しいでしょ。

時は流れて変化するものだけれども、明日は自分が作るから。

行こうと思いさえすれば行ける。そう思うから。

アルバムに写真が増えるのように、情景は心に増やしていける。

変化を恐れてはいない。

明日も輝くと思うから。






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花散らしの雨

2014-10-22 | ストーリー
その日、桜は満開だった。

中野駅から、北に続く大通り。桜の季節ともなると

その立派な桜並木の桜は一斉に花を咲かせ、たいそう美しい。

夜ともなると、その大通りの街灯のライトが

まるでライティングでもしたかのように

夜の闇に桜を浮かび上がらせて、それはそれで美しい。

夜風が爽やかな春の夜だった。

私は友達と別れ、帰路に着くためにバスを待っていた。

微かな風は桜の花びらを散らしていた。

桜吹雪。。。「綺麗・・・」

私は1本の桜の下でその木を見上げて、目をみはった。

「わぁ~。」桜ってこんなにも綺麗だったんだ。

誰もいない夜の桜の木の下で、ぽっかりと桜を見上げている自分って?

誰かとこの瞬間を見れたら良かったのに。


「じゃあさ。ノートルダム寺院の前で待ち合わせね。」

「ノートルダム寺院?パリのってこと?」

「そう。パリのノートルダム寺院。3年後に!!」

「3年後?それで、なんでノートルダム寺院なんだよ。」

「だってわかりやすいでしょ。みんな知ってるし。迷子になりようないもの。」

「3年後?」

「そう。だって、そのくらい時間、必要でしょ。前で持ち合わせして、

そのあと、教会のイエス様にお祈りするの。」

「なんて?」

「あなたの幸大からんことを。って。」

「なんだよ。それ?」

「いいの。どうでも。とにかく、お祈りするから。」

「へんな奴。」


その後、この話はそこで終わった。3年後のいつは決めてない。

桜の木の下で、「そのうち決めようね。」と、あなたに呟いた。

何度も、もうだめかも・・と思った。だめ、頑張れない・・と。

その都度、「そんなことないよ。大丈夫だよ。だからここにいろよ。」と。

あなたは言った。

苦しかったかもしれない。そのうち感覚が麻痺した。

ちょっと顔をしかめて、せつなそうにする眼差しに、

私はぽろぽろと泣いた。うん、多分、大丈夫。乗り越えるから。


ねえ。私、あなたの役に立ったかな?だと、いいけど。。

多分、ふたりが渡っていた、夜になると光るあの綺麗な橋。

どこに続いていたのかな?夜空に浮かぶ橋みたいだったね。

下から見上げているあなたを見た時、びっくりしたの。

気付きていたと思ってなかったんじゃないかな?

わかってたよ。私はすぐにあなたを見つけるから。

でも、今はもう探さないの。

だって、あなたもう前に進んだから。いないのわかっているから。


大丈夫。あの橋がまぼろしみたいなものだったとしても

ちゃんと、心は受け取っているから。

優しい思いや心配してくれてることは私の力になってるから。


今日は、花散らしの雨が降っていた。

今日の桜が散ってしまったとしても、桜はまた来年も咲く。

花の下で笑顔であなたを見送れたらいいなあと思った。

ううん。今も笑顔でほほえんでるよ。

そして、あなたに負けないくらいに前に進む!!そう決めたよ。


今思うに、そんなふうに時間は流れていくものだと。

人が人の力になると。

大切なあなたに。ありがとう。。。






静かに風がそよいでいた

2014-09-20 | ストーリー



心地よい春の夜風の当たるベランダで街の小さな夜景を見ながら話していた。

都会のゴージャスな夜景ではなく、この街のランドマークの3棟の高層タワーが

キラキラと煌めいていた。「あのタワーのてっぺんでピカピカしてるのって何?」

「・・うんん?ヘリコプターとか?夜間飛行する小型機がぶつからないようにとかじゃないかな?」

「ほんとう?」「じゃない?わかんないけどね」「うん。そんなかんじだね。キラキラしていいかんじ・・」

そんなとりとめもないことを話ていた。「んっ!!」隣の家の住人の咳払い・・・

「あっ。外で話してるとうるさいみたいね~」と、小声になって耳元で話す。

「みたいだな。」「せっかく気持ちいい風だったに残念・・・」

しばらく、二人で黙って並んで夜風に吹かれていた。じっと目を凝らして闇を見つめていると

なんだか吸い込まれそうだった。此処も10階のフロアなので、眺めは結構いい。

「・・・」「・・・」2人で顔を見合わせた。「ぷっ!!」同時に噴出した。

「中に入る?」「うん。」そんな何でもない事でも2人でいると楽しかったりする。

前に渋谷のたばこと塩の博物館で、何がそんなに楽しいのかメチャクチャ盛り上がったこと

がある。

不思議なんだけど。2人でいるとなんだかホットしてすごく楽しくなってしまう。

なんでもない事に大うけして。爆笑して。「この調子だと、どこへいってもすごく盛り上がれそう。」

「どこ?」「う~ん。縄文土器の博物館とか?」「どこにあるの?それ?」

「知らない。想像。サボテン公園とか?」「??どこ?それ?」「バナナワニ園とか?」

「バナナワニ園は鉄板でしょ。これは大うけでしょ。俺なんか。自慢じゃなけど。ワニに乗かったから。」

「!!ほんとう?」「ほんとう!男同士で行って悪乗り。」「男同士??まーどうでもいいけど。

辞めなさいよ。そんなこと。信じられない!!ワニだってかわいそう。」「ははは。」

「ほんとう?」「さあな?」

基本的に人の話を全面的に信用してしまう。この調子だとたとえ嘘をつかれても、

最後まで気付かない可能性も。そして、その話はまじに本気にしていた。

そう、基本的に人と話す時に、話の真偽を考えたり否定的には捉えない。どうでもいいことなら特に。

かといって、何もかも鵜呑みにするわけでもない。後でちゃんと考えてもみる。

そうはお目出度くもない。

話をしていて、すごくホットするって大事。とりめのないことをいつまでも話せるって。

遠いね。今は。でも、私はいつもホットして話をしてるんだよ。知ってた?

遠くても、心の中でちょっと微笑んで話をしているの知らないと思うけどね。

そんな時、やっぱり人は人の心の中に生きるものだと思うよ。

時間や距離、時空さえ超える?!人は誰かを思い、しあわせを願うから。

大切にしてるって心だけで、力になるし、しあわせにもなる。

だから!!今?いつも?HAPPYだよ。心配しなくて大丈夫だよ。

私には見えるから。あなたも頑張ってることが。

私も頑張ってるから。今もたくさんの言葉や心を大切に生きているよ。


いつかのオレンジ

2014-03-10 | ストーリー
午後の授業はかなり退屈だ。

もう朝から、5時間も・・・

窓側の席。何故か席替えがあっても窓側の席になることが多い。

片肘をついて、日よけ用のクリーム色のカーテンの隙間から

窓の外の景色に目をやる。

学校は、埋め立ての進んだ土地開発の中の計画と伴に出来た学園。

校門の向こうに新しい鉄道の高架が見える。その先が海だ。

たっぷりの土地に建てた学校は敷地が広い。

野球のグランド、サッカーグランド、陸上トラック、テニスコート3面。

第二体育館に剣道場、その脇は弓道の道場だ。

私はバスケット部に所属していた。

担任は体育の専任教諭。!!入学したての頃は、これから学園ドラマでも始まる??

なんて思いもしたが・・・そんなはずもなく。担任はつつがなく、爽やかに

毎日を副担の女性教師と1年のそのクラスを進めていった。

冬にもなれば、その広い敷地の外周1.2キロをマラソンだ。

タイムなど計ったりして。「よし!!みんな5分で帰ってこいよ」「え~!」

そういいつつも、ここは素直な1年生。みんな結構、頑張る。

味を占めた担任は、今度の全校マラソン大会で、

「体育部に所属の者は50番以内に入ること!」と、体育教師の意地で賜った。

そして、オレのために頑張れと!そこだけ青春ドラマ!

いざ、大会が来ると、クラブ活動で、コートを占領して練習する先輩をシリ目?!に?

ひたすら、コートの回りをランニグが多い1年生は強かった。

担任の望み通り、ほぼ体育系のクラブの子達は50位以内に入った。

担任はかなり誇らしげ。私はと言えば、48位で辛うじてひかかった。

!!でもさ。全校だよ、すごくない?女子だけでも600人以上いる。

ふう。まったく。望みが高い。クラスの女子2人は1、2位を争っていた。

1人は私の中学からの友達。まったく、なんで?全員の中で一番になりたいって・・・

私には思いもよらない。志が高いのか?極度の負けず嫌いか?

二人とも、普段はそんな雰囲気ではない子なので、志が高いんだ。

!!そういえば、1位の子は担任が好きだと公言してた。そっか!納得。

愛の力??私にはやっぱりわからない。

この担任とは。2年生になっても自分の担任だった。

1年の始め抱いた、理想の高校生活は勿論、担任などは関係なく。静かに進んだ。

後日談で卒業後。かなりしてから、その担任は1年の時のクラスの1番かわいい女子と

結婚していたから驚きである。風のうわさでは、彼女の弟がその担任が顧問の

バレー部だったとか。卒業後付き合いはじめ結婚に至ったとのことだった。

本当に人の縁はわからないものだ。


あの日、教室の窓から見えた遥かに見える海の景色は、

いつも私に、午後の退屈な授業に小さな安らぎをもたらした。

ホームルームが3時過ぎには終わり、それぞれの部活が始まる。

部活も半ばになると空もオレンジに染まりはじめる。合間の休憩時間に、

熱気でむんむんした空気の体育館を逃れ、出口付近の通路で

流れる汗をタオルで拭きながら、風に吹かれ黄昏ゆく空の色を眺めていた。


高校のいたるところで、体育館やいろいろなグランド、吹奏楽の音楽室、

軽音部の部室、美術室、みんなが放課後の時間を、何かそれぞれの思いを巡らせて

10代の思い出の時間を作っていた。

それは、いつになっても、いくつになっても変わらないかもしれない。

何かに心を傾けて考え、費やした時間はすべてが輝きを持った時間になる。

そう思う。だから、その時の空間の空気や、音、体育館のバスケなら、

バッシューがキュキュと滑り、ボールがリズミカルにバウンドする音、

その時に感じた、色やにおいまでもちゃんと記憶の中にある。


記憶はそうやって作られていくのかもしれない。

ならば、心を込めた思い出になるように記憶させたいな。

1つ1つ大切に。

たぶん、これからも・・・明日は輝き続けていくものなのだ。

それぞれの時間に合ったように。

止まるな!考えよ!そう記憶が教えてくれた。



桜道

2014-02-18 | ストーリー
神田川沿いの遊歩道を歩いていた。

もう、既に日はとっぷりと暮れてしまっていた。

進行方向に大きなオレンジの月が出ていた。

今日の月は雲もなく、月の模様もはっきり見えた。

私は月の方向を目指した。ヒールの靴音がコツコツとリズムを刻んでいた。

ウォークマンの音楽と同じテンポ。タッタッタッタタ・・・心はいつも音楽を刻んでいる。

彼の心の中はきっと私より、ずっとずっと音楽でいっぱいなんだろうなあ。ふっとそう思った。

川はゆっくりカーブしていて、川の両岸の桜の木の枝は川に向かって流れるようにその先を伸ばしている。

桜の花の季節には、見事な花のアーチを川に掛けている。

花びらが花吹雪になると、川に花びらが浮かびいっそう綺麗な風景となる。

川には、カルガモもやってきて、親子で整列して泳いでいる。

そう。なんてのどかな光景。しかし、私な何故か桜の花を見ても浮き浮きしたりしない。

3月から4月にかけては別れの季節だったり、新しく始まる何かに対する、どうも落ち着かない心だったり。

桜の花をみると、何故か、ざわついた。そしてちょっぴり悲しい気分になってしまう。

記憶のリピート。しなくていいのに。昔、新しい会社でお花見があった。女優系のかっこい先輩。

男性上司が、「彼女がビール片手に、みんなで桜の道を歩いているだけでもかっこいいんだよなあ。」

そうなんだ、ビール持ってかっこいいなんて大人ね。あれから何年たった?さすがに自分そうなったかしら?

なんとなく、そんなどうでもよいような事を考えていた。

桜は綺麗だ。今は、その移り変わりの季節の中にいた人から、幾らでも桜を満喫出来る人になった。

楽しい事はたくさんあったはず。やっぱり、記憶のリピートの上に新しい記憶を塗り重ねて

桜の記憶を変えたほうがいい。多分ね。


アーチになった川沿いに歩いていくと、月の道しるべが消えた。向かう方向が変わったんだ。

そう。道は一本なんだけどね。消えた月にほんの少し淋しくなった。そんなもの。すぐに気を取り直した。

歩くのは好きだ。何かに向かて歩くことが。どんな道を行っても、道は目的地に向かう。

すべての道はローマに続く。ほんとにそう思う。歩いていれば、いつか着く。

ならば、やはり音楽を心に刻んで、軽快に行こう!!そう思うよ。彼に心の中で呟いた。

たぶん、明日も晴れ!!





しばらく。おやすみします(*^_^*)/ またね!!!