2016.2.7より
ショートショート。私が、昔からかなり好きなイルカ🐬のお話。
お話の情景が浮かび易いように書いてみました。
米津玄師さんの『lemon』より先に、レモンを題材に入れたのが、自分的には檸檬lemonだよね!と。冬のレモンの黄色の鮮烈さをイメージして頂けると嬉しいです(^-^)
あっ。。檸檬は、藤沢に住む叔母に頂いた檸檬の実体験です。
文体、ソース、テーマ、ノリ?それも、最初は何かの成功の例の真似からですよね。
真似ぶ=学ぶはあり。クリエーティブもセオリーがある以上の真似るからはじますよね。芸術的なものも。絵も模写がありますし、音楽もコピーがあります。絵の静物画なら、果物などの自然の偉大な!偉大です。物を自分のフィルターを通して解釈して描写し、自分のカラーや雰囲気をキャンバスに投影していくものだと思います。
庭に檸檬がなっていた。
「湘南でも檸檬が育つんですね。
「今年は何故か豊作だったのよ。最後の3つ持って行って。
と言って、家人は枝切りバサミで、その1つを枝から切り取って
私の手の上にのせてくれた。
「綺麗な檸檬ですね。レモンジャムでも作ってみますね。」
私は以前、スペインの地中海沿岸の町で、街路樹に普通に
檸檬が成っているのを見た時にいたく感激していたので
庭に檸檬を植えている家人は本当に素敵だと思った。
しかも、ちゃんと育ってる。手の平にあるそのリアルな黄色い
果実に自然に顔がほころんだ。
レモンジャムをパウンドケーキの生地に混ぜたり、ヨーグルトに
混ぜるといいかも。素敵なお土産を頂いた。
「どうもありがとうございます。また、来ますね。」そう言って
門まで出てニコニコといつまでも見送ってくれる家人に別れを告げた。
その家は海からほんの近くにあったので、私はふっと
海浜公園まで足をのばしてみようと思った。
公園は海岸線沿いに遊歩道になっていた。
遊歩道に出てみると、遥かに江の島が見えた。
そう遠い距離に思えなかったので江の島まで歩いてみることにした。
真冬の海を歩くのは初めてかも知れない。
幸いオーバーコートにブーツ、マフラー、防寒タイプの手袋を
していたし、海は凪いで、海風は無かった。
それでも、その遊歩道の先の海の中には、点々と黒く
サーファーがいるのが見えた。
道すがら、海から上がって来るサーファーに何人も出くわしたが
どの人の顔も満足げに微笑んでいた。海は人を癒すらしい。
凪いだ海のきらめきと、静かな波の音を聞きながら歩くうちに
私の心も静かになっていった。
江の島まで20分くらいかと思ったが、もう少し遠かった。
私は歩いて来た道を振り返ってみた。
最初、近く見えていると思った江の島より、
振り返った私の出発点は遥か先に遠かった。
こんなに歩いて来たんだ。。。
私は江の島に着くまで、何度か振り返り、その出発点を確かめた。
どこ? 遠くて、小さくてわからない。。
30分ほど歩き、水族館のイルカショーのステージの間仕切り壁の
所にたどり着いた。
時間は3時を回っている。まだショーはあるのだろうか?
最終のショーは4時だった。
なんだか、私は無性にイルカに会いたくなって
ショーを観ることにした。
ショーのイルカは本当に愛らしく、いたずら好きだった。
前方の観客にジャンプする際、豪快に水しぶきを掛けていた。
観客は心ゆくまで、彼らのジャンプや彼らを誘導するスイマーとの
心温まる交流を楽しみ、笑顔になった。
イルカたちは本当に楽しそうに泳ぎ回ってジャンプをして
キュキュキュと鳴いた。
私は彼らの純粋さに感動した。そして、心からしあわせに思った。
もしかしたら、遥かな海岸線を歩くうちに
湘南の物語から始まったかも知れないパラレルワールドは
閉じたのかも知れない。
道は1本道だったけれど、何処かで次元は元に戻ったのかも知れない。
そう思った。
※物語はフィクションです(^_-)-☆
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