”元気の気”の行き先は何処?

2008-07-25 21:26:00 | 草花ワクワク見て歩き
 半夏生(はんげしょう)



遠くの知り合いが亡くなった。

一年前まではオシャレなお店を繁盛させて、若々しく活発で美しかった人。

体の一部にあるシコリに気がついていたが、仕事の忙しさのまま放置していた。

特に体調が悪かったわけではない。とても元気で何の問題もなかったのだが、親族に強く叱られて、病院の門を渋々くぐった。

検査につぐ検査。様々な試行錯誤の治療の数々。病名不明。そして都会の有名大病院へ転院。

高額治療を受け続けていた。しかし、最後まで原因・病名不明。病気については驚くほど、何ひとつとしてハッキリしたことは分からなかった、らしい。

彼女にあの溢れるほどあった、気合いと気力がなくなった。自信をなくして、見る間に弱ってしまった。ただ無気力に、入退院の繰り返しをするだけ。

そして、とうとう亡くなってしまったのだ。彼女の苦しんだこの一年は、一体何だったのだろうか、と思ってしまう。

私たちは「生老病死」から逃れることはできない。確かに、死ぬことは怖い。だが、「死」は自然に還ることでもある。決して、「敗北」だとは思いたくない。いや、「敗北」なんかであるはずがない。

せめて今は、静かに彼女の冥福を祈って黙祷するくらいしか、私にできることはないのだが・・。

「敗北」ではないと思いながら、気持ちの沈んでいってしまうのは、どうすることもできないでいる。


(星野富弘さんの詩より)

なにもしたくない

誰にも会いたくない

しゃべりたくもない

野に咲く花のように

静かに一人でいたい


しかし腹がへった

残念だが

腹がへってしまった






昼顔(ひるがお)



人気ブログランキング 今日は何位?


コメント (12)    この記事についてブログを書く
« 「春兆記」に纏わる”ヘナヘナ... | トップ | 「春兆記」から俳人・富田木歩へ »
最新の画像もっと見る

12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
僕の希望 (スエツグ)
2008-07-25 22:35:52
人間なんだから必ず死を迎えるわけですが、
僕の希望としてはピンピンしててころっと逝く
のがいいです。
事故死は嫌ですけど。
返信する
スエツグさんへ (トーコ)
2008-07-26 00:59:25
スエツグさん、こんばんは~

あ、ホントですね。私もハゲシク同感です^^

きつい不整脈が急に起こったりすると、あぁ、私ももうこの辺で終わるかな?なんて思いますけど・・けっこう死なないものですね。。。

まぁ、いいか~とか思ったりして^^;結局は無駄に長く苦しみたくないのが本音でしょうね

読んで頂いているのが分かって、嬉しいです。コメントをありがとうございました
返信する
難問 (桑畑)
2008-07-26 09:03:01
私も朝見に行ったら死んでいたというのがいいですね。
この方の治療は、きっと痛い検査もあったと思います。
そうかといっても、家族は、希望がそこにあると思います。
あとで、考えると自然なままでと思いますが、それがわかったらいいなぁといつも思ってます。
人の死の予定日が、わかったら、いやわからない方が、楽しく過ごせますね。

最大の難問です。
返信する
桑畑さんへ (トーコ)
2008-07-26 13:51:28
桑畑さん、こんにちは~

人間、いつ死ぬのかがわからないから、生きていられるんですってね。まぁ、そうでしょうが・・^^

ハハ(姑)は、ペースメーカーを埋めている身でありながら、自覚しつつ最期までハードな日々を送った人でした。

突然具合が悪くなって、かかりつけ医に自分で電話しながら意識を無くし、一晩だけ病院にお世話になってそのまま身罷りました。

自分が(密かに)望んだとおりに、亡くなったような感じでした。私も、ハハは見事だったと思っています。私はどうなるでしょう・・見習えるかな~?(笑)

コメント☆、ありがとうございました

返信する
死は転進? (ひよどり)
2008-07-26 18:38:04
死を終わりとは考えたくありませんが、転進か転身か?
私は生まれ変わりを多少は信じています。
「そんなの、あってもいいなあ」という程度です。
返信する
ひよどりさんへ (トーコ)
2008-07-26 19:35:04
ひよどりさん、こんにちは~

「生まれ変わり」、私も何となく信じることがあります。

俳人の富田木歩が亡くなったのが、1923年。花田春兆さんは1925年生まれ。・・つい何となく、考えてしまいましたネ^^

スミマセン、思考が大正時代に飛んでいます。コメント、ありがとうございました
返信する
気持ちウラハラ (かずこ)
2008-07-26 22:04:37
口癖のように「何時死んでもいいわ。長生きはしたくないわ」と言いながら、
ちょっと具合が悪くなると医師に飛んで行き、
薬が少なくなったといっては貰いに行く私です。

アハハ!気持ちウラハラです!
私のような者はきっと、グダグダと何時までも生きているんでしょうね。困ったものです!
返信する
かずこさんへ (トーコ)
2008-07-26 22:41:53
かずこさん、こんばんは~

あはは、みーーんな同じですよ!

いつ死んでもいいようなことを言いながら、私もマジメに医者に通って、薬を飲んでいます(笑)

昔、40までは生きない気がする・・、などと思っていましたが・・、未だに生きていますしね~~

今日はウォーキングを少なめにしたのですが、体に熱がこもってしまって、エライコッチャでした。あはっ!濡れタオルで頭を冷やしていました

かずこさんは、元気で長生きしてくださいね。コメントと☆、いつもありがとうございます






返信する
「ボスグロ」のクーちゃん (nakapa)
2008-07-27 14:45:11
すみませんが、コメントがあちこちずれてしまいました。
「男の一分」の黒猫ですが、中島公園に行って、身元調べ
してきました。

「ボスグロ」のクーちゃん。雄、凶暴性あり。但し、雄猫にたいして。
白猫を徹底的にやっつけた過去を持つ。中島公園の黒っぽい子猫は
ほとんど、彼の血をひく。

以上でした。
返信する
看取る (山裾の人)
2008-07-27 15:34:41
私が職場にいたころ後輩の死を看取るくらい辛いものはありません。
病気で日に日に弱っていく姿には何と声を掛けたらよいのか?
また、なぜこんな話を私に聞かせるの?
と思った後に訃報が届いたり・・・
彼らの辛さを受け止められなかった・・・・
一時は自己嫌悪に陥りました。
仕事を早期退職に向けさせてくれた力だと思っています。
なぜか7月末になるとこのことが頭から離れません。

わけ解らないことを・・ご免なさい。
返信する

コメントを投稿

草花ワクワク見て歩き」カテゴリの最新記事