前々から尊崇していた偉大な俳人・石田波郷、その奥さまである石田あき子さんも結婚後に俳句をはじめられた。病に生き抜いて散った波郷だが、あき子さんの夫(つま)恋い俳句には、ただはらはらと泪がこぼれるばかりである。
今生は病む生なりき烏頭(とりかぶと) 石田波郷
冬日の妻よ吾に肋骨無き後も 波郷
百合根煮て冬日のごとき妻たらむ 石田あき子
薄羽蜉蝣(うすばかげろう)さだめのごとく夫(つま)病めり あき子
ひとの旅見送るばかり沙羅仰ぐ あき子
こんな「俳句の世界」にめぐり合えたことに感謝・・もって肝に銘ず。
