津川絵理子/雑木の芽昆虫館の窓くもる

2021-03-27 15:09:09 | インナーポエット

 

 

 

 

サナギが膨らんでいた。

割れた、と思った瞬間、パリパリッと縦に亀裂が入り、蝶の辛子色の複眼が覗いた。蝶は白い二本の脚を突っ張らせて殻を押し広げ、項垂れるような形で収められていた頭を持ち上げると、下向きになっていた黒い触角を殻からそうっと引き抜いた。オレンジ色の肩のような翅の付け根が見える。肩からするっと落ちるように殻から抜け出し、抜け殻によじ上りながら、伸び切っていたストロー状の口吻をゼンマイばねのように巻き取った。

抜け殻を見ると、金や青に輝いていた突起は透明になっていた。

 

 

 

 

柳美里の『飼う人』より↑(圧巻の観察眼 蛹化から ツマグロヒョウモン♀羽化までの息をのむ描写) まさに飼う人でもある絵理子俳句とのシンクロ二シティである🐝

 

 

 

 

 

津川絵理子/初蝶やスカートのなか脚うごく

 

 

 

 

ツマグロヒョウモンの♀↑

 

 

 

 

津川絵理子/春愁やアンモナイトの耳飾

 

 

 

 

 

 

 

 


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1 コメント

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Unknown (青萄)
2021-03-27 23:27:18
人が動くとコロナの感染がすすむ。マスクしてすれ違うくらいでは大丈夫と思うが、やはり飲食とかカラオケ、飲み会🍻が危険大だと思う。
宣言が出ようが解除されようがそれは政治的なこと、いま自分の立ち位置は変えようがない。マスクしてセイムブレス・セイムウォーク、出来るだけ平常心でありたいものだ。
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