俳句をやらない人には知るよしもない「藤田湘子」という名前。ワタシもその名前以外はほとんど何も知らないわけで。
唯一知っているのは「愛されずして沖遠く泳ぐなり」の一句のみ。これを見て、なんとなく拗ねる傾向のある人なのかな?と思っていたくらい。
この人の俳句指導書はロングセラーだという。図書館に寄ったついでに、本を一冊借りてきて読んでいるが、ったく頁を開くたびに「頭からガミガミガミガミ叱られ続けているような」気がする。それも情け容赦が皆無なので、いっそ気持ちがいいくらいでクセになるような(笑)
ダメな句と秀句の例をたくさん見せられているが、ダメな句の一体どこがダメなのか、そのダメさ加減が未熟なワタシにはあまりわからない。別に言うほど悪くないじゃん、と思うのだ。
先生はああしていろいろ言っているけれども・・要するにその肌合いが好きか嫌いかでは?と、自分の選句力選句眼を棚に上げっぱなしで、ぶつぶつぶつぶつぶつぶつ文句を言っているワタシである。
藤田湘子の代表句とされる5句↓ワタシ的には・・ごく小さい声で(これ女々しくない?)^^; まぁこんな神をも恐れぬことを言い放つのは、無知で無宿者のはねっかえりたる所以ではあるが。しかし湘子の俳句指導力と選句力は、他の俳人に比べて群を抜いていることは確かに、と感じている。ぬるい俳壇に、こういった激しく殺傷するタイプの俳人が、かつて居たことも驚きである。一転↓ご自分の作った俳句はナイーブな藤田湘子。
愛されずして沖遠く泳ぐなり
湯豆腐や死後に褒められようと思ふ
しだれつつこの世の花と咲きにけり
ゆくゆくはわが名も消えて春の暮
天山の夕空も見ず鷹老いぬ