Humdrum++

ツリオヤジのキドニーケアな日々 ~ 知れぬ事は知れぬまゝに、たやすく知れるのは浅い事 (葉隠 聞書第一0202)

今日から入院

2024-07-18 09:32:26 | 日々の雑感

長いこと凌いでいた背水の腎ですが、とうとう限界値を越えてしまい、人工透析導入のための入院となりました。

人工透析(以下透析)とは、劣化した腎臓の機能を代替する治療法で、血液をいったん外に出して濾過して不要成分を取り除き、再び血液を体内に戻すという治療法です。一回の透析時間が約4時間、それを週に3回行います。

長い間、糸球体腎炎によるCKD(慢性腎臓病)を患っていたのですが、これはその総括です。
全国1,480万人(釣り人口より多い?)のCKD患者さんの御参考になれば。

人工透析が必要となるのは腎臓疾患により腎臓が本来の機能を果たせなくなる(腎不全)ためです。その原因は、2021年の調査だと、糖尿病性腎症が40.2%、腎硬化症が18.2%、糸球体腎炎が14.2%、原疾患不明が13.4%になっています。透析患者数は、2022年のデータでは347,474人、年間約40,000人の人が、新たに透析治療を導入しています。

わたしの場合、42歳の時に尿蛋白に異常が出て、腎生検を行い、糸球体腎炎の診断が出ました。この頃は初期なので、体調等はまったく変化なし。もともと体力には自信(過信?)があって、飲み食いに注意せずに過ごしていました。定期健診の数値は徐々に下がっていたけど、まあまさか腎不全まではいかないだろう、とタカをくくっていたのが40~50代の頃でした。

しかし、60歳を前にして、急激に腎臓の機能が低下しました。自覚症状は全くないのですが、腎臓病の進行度を表すeGFR値(低いほど悪い)が1桁に突入します。医者からは、「あと半年もしないうちに透析が必要」の宣告を受けました。そのため、シャント形成手術(透析用に血管を改造する手術)を受けたのが、2021年の2月でした。このブログにも、つり丸執筆をやめます、と書いた頃です。

実際に透析を受けることが現実味を帯びてくると、その大変さが身に滲みてわかりました。週に3回、4時間も針を刺して血をフィルタリングしないといけない、生活に様々な制約を受けます。透析経験者や身内に透析患者がいる人たちからも色々話を聞き、その苦労を聞き、けっこう落ち込みました。

そんなわけで、残り半年を充実させて過ごそう、という気持ちと、少しでも透析開始を先に延ばそうという気持ちで、食事管理を始めることにしました。ブログに食べたものを記録し、レコードダイエットを始めたのもこの頃です。ばあさんも食事に気を遣ってくれるようになりました。

すると、悪化し続けていた数値が止まり、半年のところが1年、1年半と伸びていきました。
こりゃもっと前から、50代初めくらいからこのダイエットしてたら問題なかったじゃん、と気づいたのですが、後悔先立たずとはこのことです。
数値下降が緩やかになり、小康状態が続き、自覚症状もないので、その間、つり情報の紙面作りのお手伝いもできました。

これはうまくすれば、寿命が来るまで凌げるかな?とも思ったんですが、やはり数値は微妙に悪くなっていきます。腎臓疾患のいやらしいところは、いったん悪くなるとそれが回復しないということです。怪我や風邪なら休めば直りますが、腎臓はいくら休んでも壊れた細胞が元に戻らない、悪化への一方通行というのがつらいところです。

透析開始の指標のひとつは、eGFRが6以下になることです。今年の1月、eGFRが5.9になり赤信号が点滅しました。医者は早いとこ透析をさせたがっています。しかし、まだ自覚症状はそれほど無いし、定期健診のたびに「もうちょい待ってくれ」を繰り返し、たんぱく制限、カリウム制限と投薬で凌いでました。

カリウム値が高いと不整脈のリスクが高くなり危険なので、スルホン酸カルシウムを服用しカリウム吸収させる。また腎性貧血も起こしているので造血剤を打つ、塩分は控えめして腎臓負担を軽くする、などなどの対策をとりましたが、4月になってeGFRが4.9(5以下危険域)、血中窒素も11.2(10以上危険)、カリウム値は5.7(5.5以上危険)となりました。この頃になると、すぐ疲れるようになったり、酔いがいつまでも冷めなかったり、食欲なくなることが増えたり、ときには皮膚に痒みがでたりと、自覚症状もでてきました。

それでもギリギリで耐えて少しでも長く粘ろうとはしたのですが、5月、6月の検診結果でeGFRは4.4まで落ちるにいたり、これ以上は危険、ということで透析開始となった次第です。

シャント形成手術から3年5か月、ついに刀折れ矢尽きてしまいました....
でもその間、時間はたっぷりとあったので、心の準備は出来ているつもりです。

透析生活が始まると、いままでやってきたことのうち、何ができるか、何ができなくなるか、未知のことも多いです。
ブログの方は、これからも続けたいと考えているのですが、傾向がちょっと変わっていくかも?

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 三島由紀夫論 - 平野啓一郎... | トップ | はじめての透析 »

コメントを投稿

日々の雑感」カテゴリの最新記事