この日は映画へ。
上大岡のTOHO CINAMAS。
おめあてはこちら、「ある男」
原作はこちら、平野啓一郎作品。読書メモはこちら。
シニアチケットを手ブレでゲット。
原作のストーリーはけっこう複雑で、特に原誠が曾根崎義彦から谷口大介と変わるところの動機が想像でしか示されていないのがその原因かなと思うのですが、映画ではそこをばっさりと切り取っています。よって、田代昭蔵は登場しません。このせいで、ある男Xの正体にたどりつくまでが原作に比べてわかりやすくなっていますが、そうなると反対に小見浦憲男が城戸章良を詰るシーンの意味がわかりにくくなるのではと思いました。
原作では心理描写が多く、それらを映像ではどう表現するのかな、と興味を持って観たのですが、なるほどと思われるセリフまわしで、ある男Xの謎が深まっていく状況をわかりやすく再現していました。
また、男の後ろ姿の絵に城戸の後ろ姿が重なるラストなど、映像ならではの魅力あるシーンもあって楽しめました。原作では中盤にでてくるバーでの会話を、映画では最後に持ってきたのも、なるほどなと思った。
あと、原作には登場しないキャラクター、茜役の河井優実がかわいかった。
3勝4敗理論や、マイケルシェンカー好きに悪人はいない説などの小道具や、芥川龍之介の浅草公園にまつわる悠人に対する里恵の思い、在日3世である城戸の隠れたコンプレックス、城戸家の夫婦仲の冷却の過程、後藤美涼の新幹線での告白の空振り、谷口大佑と谷口恭一の類似性、などなど、原作には映画では語られていないたくさんの見どころ(読みどころ?)がありますので、この映画を気にいった人は原作を読むとさらに楽しめると思います。
[TOHOシネマズ上大岡]
横浜市港南区上大岡西1-18-5 mioka3F
https://www.tohotheater.jp/
p.s. そば、納豆、ヒラメは高カリウム食品。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます