本の話
いつもだらだらと何かを読んでいる
最近、ガッチャ虫に
(ある作家さんが心を掴まれる作品をこう表していた)
噛みつかれたのは
あの
「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」
の著者が書いた
英国の14歳のリアルな世界である。
かの大英帝国もいまや富裕層と貧困層の
格差は切実な問題
貧困は人格も蝕む。
いつも空腹で寒さにさらされている
中学生のミア。
彼女には面倒を見なければならない母と弟がいる。
自分の楽しみの時間など殆ど持てない。
ミアはいつも固く冷たい鎧を纏っている。
誰にも付け入るスキを与えない様に。
そんなミアが心を解くのは100年前に書かれた
日本の小説のフミコに出会う時と
リリックに気持ちを吐き出す時。
政治のツケはいつも一番弱いものにしわ寄せとなる
作中の100年前の日本の少女が
実在の人物「金子文子」と知り
彼女の著「何がわたしをこうさせたか」を
図書館で借りて来た。
これからページを繰るのだが
これでもかと過酷な運命に飲み込まれる
フミコを最後まで読めるのか...
そんな折 予てより予約していた
順番が巡って来た。
貧困、虐待など愛情や恩恵を
充分に受けず育った若者らが
一歩間違えた先に待ち構えている犯罪。
それらに手を染めてしまった彼らを
10年の長きに渡って取材したノンフィクション。
2019年にドキュメンタリー映画として
上映されていた事は知らなかった。
いわゆる一般的な刑務所とは違う
回復共同体の形をとる特殊な刑務所の実態である。
犯罪はもちろん許しがたい
犯した罪はどんな事情があろうと罪である。
が一方で
子供が自身で選べない過酷な環境で育つとき
救う手立てがもっと充実していたら
彼らはここに居なかったのではとの思いもぬぐい切れない。
この三作品
根っこは同じなのだ
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