地震リスク delphis manta blue

身近な地震リスク 減災を目指して

<復興を願い 2011.3.11東日本大震災>
<未曾有の巨大災害 記録>

住宅の安全 現行耐震基準の信頼性

2008-06-08 | 地震リスク

これまでの地震被害の多くは、住宅の倒壊とその倒壊により下敷きとなった死者・負傷者だ。数百年に一回の大地震により、一度に多くの住宅に被害が生じる巨大な災害であるが、これまで何度となく住宅の耐震基準が改定されてきた。

現在の耐震基準は、1978年宮城県沖地震を契機に改定された1981年耐震基準であるが、どの程度の地震にどれくらい耐えられるのかはっきりとしない。国土交通省の解説によると、「現行の耐震基準(新耐震基準)は昭和56年6月(1981年6月)から適用されていますが、中規模の地震(震度5強程度)に対しては、ほとんど損傷を生じず、極めて稀にしか発生しない大規模の地震(震度6強から震度7程度)に対しても、人命に危害を及ぼすような倒壊等の被害を生じないことを目標としています。」とされる。

それでは住宅の耐震化は、1981年以前の旧耐震基準で建てられた住宅だけに問題があるのだろうか。答えは「NO」だ。1981年以降に建てられた住宅でも倒壊する例が国の研究所実験で明らかになっている。国土交通省の解説をよく読んでも「目標としています。」とのいうように「壊れない。」とは言っていない。耐震基準を定めた建築基準法は最低限の基準を設けているだけであり、現行の耐震基準でも万全とは言い切れない。現に損害保険の団体が公表している地震保険の保険金支払い状況をみると、2005年4月に発生した福岡県西方沖地震の最大余震震度5強でも61億円もの保険金が支払われていることから、震度5強レベルでも住宅に被害がでることがわかる。

国立国会図書館が2007年3月にまとめた「住宅耐震化の現状と課題」が参考となる。

<国立国会図書館 ISSUE BRIEF 大塚氏>

http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/issue/0568.pdf


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