1855年の安政江戸地震から39年後、再び大地震が首都東京を襲った。それが1894年明治東京地震(M7.0)である。江戸時代から明治時代の近代国家に日本が生まれ変わり、洋式建物が立ち並ぶ首都東京を震度6の揺れが襲い、東京、横浜で死者31人の被害となった。
2005年8月に当時の円盤型地震計の記録から震源情報等の読み取りに成功したとされ、1894年明治東京地震の震源地は東京湾北部、震源の深さは約50km、プレートに関係した海溝型地震とされる。その後、プレートの説明は関東フラグメントの新説により解明された。
1894年以降、東京では震度6弱以上の揺れを経験していない。最近では2005年7月に発生した千葉県北西部地震(M6.0)は震源の深さ73km、東京足立区で震度5強を記録した。
1894年の明治東京地震は大きな被害とはならなかったが、その約30年後、我が国最大の被害となった1923年大正関東地震(関東大震災)が発生した。1855年安政江戸地震、1894年明治東京地震は大正関東地震への助走であり備えへの警告であったことになる。
次期首都直下地震は次期関東地震の約70年前から活動し、数回発生して巨大地震へとつながっていくことになるのだろうか。大正関東地震から86年、周期200年説ではあと114年後の2120年台に次期関東地震、その70年前の2050年台に1855年、1894年型のM7クラスの首都直下地震が発生するとの仮説がたてられる。
<国立科学博物館地震資料室 明治東京地震>
http://research.kahaku.go.jp/rikou/namazu/05sonota/tokyo/tokyo.html
<地学雑誌 特集号『首都圏直下型地震に備えて』2007年>
http://www.geog.or.jp/journal/back/116-3-4j.htm
<国土交通省 災害列島2006 千葉県北西部地震>
http://www.mlit.go.jp/river/pamphlet_jirei/bousai/saigai/2006/18.pdf