地震リスク delphis manta blue

身近な地震リスク 減災を目指して

<復興を願い 2011.3.11東日本大震災>
<未曾有の巨大災害 記録>

地震リスクの状況(平成19年3月期決算)

2007-05-07 | 地震リスク

平成19年3月期決算の取り纏めが各企業からでてきている。平成18年度は好調な決算の会社が多かったのではないだろうか。

 

東証に上場の優良企業の平成19年3月期決算短信にみる事業リスクの記載内容を点検してみた。地震災害に備えた各企業の取り組みが以前にも増して多く記載されるようになった感がある。これまで決算短信を発表した企業のうち、内容が明確な記載の一例として三菱倉庫を紹介する。また本日発表した企業の地震リスクを記述した部分の一例を以下に抜粋し記した。

 

地震リスク対策を実施している企業、それを積極的に公開している企業は自らの企業価値を高めることになる。投資家の眼も企業の地震リスク対策に注目している。

 

○三菱倉庫(平成19年4月27日公表)

② 事業用資産(倉庫、賃貸ビル等)の災害による被災
当社グループの主たる事業は、倉庫事業を中心とする物流事業並びにビル賃貸を中心とする不動産事業でありますが、倉庫事業、ビル賃貸事業とも施設に多額の投資を必要とし、またこれらの施設は東京、横浜、名古屋、大阪、神戸及び福岡の6大都市圏を中心に立地しており、万一これらの地域で地震等の大規模災害が発生した場合は、当社の施設も被災し、会社経営に相当の影響が生じる事態も予想されます。このため、当社は、地震災害等への備えとして次の対策を行っております。
イ 建物の耐震対策
(イ) 阪神大震災を契機に、昭和56年建築基準法改正以前の耐震基準の設計による建物について耐震診断を行い、耐震性能が不充分な建物については現行基準並みの耐震強化工事を実施し、東京ダイヤビル1~4号館については免震化工事を実施しました。
(ロ) 阪神大震災以降に建設する建物について、現行基準を上回る耐震性能を付与した設計としております。
ロ 外部保険の付保及び自家保険積立金の積立
(イ) 保有する事業用資産(有形固定資産)について、原則として全て火災保険を付保することとしており、全損の恐れの少ない建物(鉄筋又は鉄骨鉄筋コンクリート造若しくは耐火構造の鉄骨造)は実損填補として保険金額を減額して付保しております。
(ロ) また、首都圏(東京、神奈川、埼玉)及び東海地域(愛知、静岡)の重要性の高い倉庫、賃貸ビル等について、地震災害に備えて地震保険を付保しております。
(ハ) このほか、火災保険や地震保険で填補されない事態の発生に備えて、剰余金の処分による自家保険積立金の積立を行っております。

 

○5月7日公表企業

<三菱UFJニコス>

システムリスク
(a)災害に伴うリスク
当社グループは、システムの開発や各種データ処理等を東京都内・名古屋地区に設けたシステムセンターで行っております。同センターには、災害に備えて耐震・防災設備を施し、また顧客関連や提携先関連等の重要情報は耐震設備の整った外部倉庫にバックアップデータを保管する等の対処をしておりますが、バックアップセンターを保有しておりません。そのため、システムセンターが置かれている東京・名古屋で震度6を超える地震が発生した場合や同センター周辺の社会インフラ(通信設備等)に大きな被害が出た場合、周辺火災等により同センター自体に大きな被害が発生した場合、システムが十分稼働できない可能性があり、業務のサービスレベルが大きく低下する可能性があります。

その他

<エ>危機管理リスク
地震・災害・テロ・大規模な事故等の突発的な事象に備え、危機管理体制の構築ならびにコンティンジェンシープランの策定による対策訓練などを実施し、整備・強化を進めてまいりましたが、想定以上の危機事態が発生し、企業資産の維持・事業の継続維持が困難な場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

<ダイドーリミテッド>

不動産賃貸等事業におきましては主力施設が神奈川県小田原市に所在しており東海地震等当該施設に損害がおよぶ大規模地震の発生により商業施設としての機能が果たせない場合、当社グループの経営成績および財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

<ヤオコー>

⑦地震や台風等の災害、テロ活動等に関するリスク
当社グループの本社、物流センター、店舗所在地において、大地震や台風等の災害或いは予期せぬ事故等が発生した場合、本社および店舗、流通網に物理的損害が生じ、営業活動が阻害される可能性があります。また、国内外を問わず、災害、事故、暴動、テロ活動その他当社グループの仕入・流通網に影響する何らかの事故が発生した場合も同様に、営業活動が阻害され、売上高および業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

<ニチアス>

□災害に係わるリスク
当社グループは国内外に複数の生産拠点などを有しており、当該拠点のいずれかが地震などの災害に被災し稼動困難となった場合には、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 


環境問題と自然災害

2007-05-06 | 環境
米の竜巻犠牲者9人に さらに増える可能性も(共同通信) - goo ニュース


日本が環境2基金に120億円 京都でアジア開銀年次総会(共同通信) - goo ニュース


東京では今年4月が異常な気候ではなかっただろうか。肌寒い日が4月末まで続いた。異常気象の原因とされる地球温暖化。日本の四季はもはや感じることができないのだろうか。

地震に強い空港

2007-05-06 | 地震リスク

先月27日に国土交通省は「地震に強い空港のあり方検討委員会報告」について公表した。

http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha07/12/120427_.html

 

大規模地震に対する耐震性がある空港は全体の約15%が現状とのこと。空港は地震時に緊急物資の輸送、緊急要員輸送の受け入れ機能として重要な役割を果たす。首都圏では羽田空港、成田空港の耐震性向上が課題となっている。平成17年2月に公表された政府中央防災会議の首都直下地震被害想定では羽田、成田とものターミナルビルの耐震性は十分との評価であるが、羽田空港の滑走路の液状化、空港への交通アクセスの支障により孤立化することが懸念されている。


免震・制震の普及状況

2007-05-05 | 地震リスク

景気が回復する中、住宅・土地価格も上昇傾向にあるようだ。4月27日に公表された国土交通省の新設住宅着工戸数は128万5,246戸、前年度比2.9%増となった。また、一部報道では住宅の成約件数が「購入予定者の物件選別の眼が厳しい」ことを理由に減少しているとのことであった。優良物件がなかなか市場に出てこないあらわれである。

 

優良物件といえば、マンション、戸建は地震対策に力を入れる商品開発がラッシュだ。最近多いタワー型マンション。ほとんどが免震、制震技術を採用している。免震マンションはいざ災害時には防災ステーションの役割となる。敷地内に防災備蓄倉庫、井戸、防災ベンチ、マンホールトイレ等の共用施設を備えているマンションも登場している。一例として売主が東急不動産、安田不動産等の東京港区にある47階建免震マンション(完売)、また、有楽土地、平和不動産の東京武蔵野市にある免震マンション、丸紅、新日本建物、新日鉄都市開発が売主の神奈川県川崎市にある免震マンション等が現在売り出し中だ。これからの販売予定では東京千代田区に38階建の野村不動産が売主となるマンション、東京港区虎ノ門に30階建の三井不動産レジデンシャルが売主となるマンションの第1期2次分、他にも多数のタワー型免震・制震マンションが販売中、販売計画中である。

 

一方、戸建では多くの住宅メーカーで免震、制震技術を採り入れた商品を宣伝している。今朝の日本経済新聞の記事でも、ミサワホームの制震装置(MGEO)を外販し普及を急ぐとの報道や免震・制震ではないがアイフルホームの60年継続・耐震補償住宅と過去に事例がない地震対策に注目した商品が多い。最近の住宅メーカーのコマーシャルは耐震・免震・制震に力を入れていることがわかる。我々の地震に対する関心のあらわれといえる。

 

西日本は南海トラフ巨大地震前の地震の活動期に入ったといわれ、東日本でも宮城沖地震等いつ起きても不思議ではない状況であり、首都圏では直下地震の襲来、東海地震、東南海地震等の長周期地震動の被害が心配な状況であるが、来る地震に備え毎日生活している住居の安全性を高めることが資産価値を高めることに通じるのではないだろうか。

【以下は地震対策を重点のひとつとして販売している会社の一例】

<ミサワホーム> 

http://www.misawa.co.jp/kodate/tokutyou/pop-up/mgeo/index.html

<東急不動産等の免震マンション>(完売)

http://www.c-m-t.com/top.html

<有楽土地等の免震マンション> 

http://www.sakura500.jp/seismic_01.html

<丸紅等の免震マンション> 

http://www.a-kawasaki.com/structure/structure.html#details01

<アイフルホーム>

http://www.eyefulhome.co.jp/homebuild/taishin/index.html

 

 


気になる地震・経済記事

2007-05-04 | 地震リスク

「天災」「誤使用」は報告不要、改正消安法で10の例外(読売新聞) - goo ニュース

 

経済産業省は、改正消費生活用製品安全法施行を控え「明らかに製品事故とは言えない事例」をまとめ7日から同省のホームページで公開する。

経済産業省 http://www.meti.go.jp/

 ・4月24日に公表している「首都圏での広域停電を受けた対策について」も興味深い。

   http://www.meti.go.jp/press/20070424002/20070424002.html

 

 

世界の金融マン、東京へどうぞ…日本版「シティ」づくりへ(読売新聞) - goo ニュース

 

日本の金融も「欧米か!?」・・・自国日本サラリーマンの働きやすい都市環境づくりもどうにかしてほしい。

 

地銀と連携し環境融資を拡大 三菱UFJ、風力発電や資源再利用(共同通信) - goo ニュース

 

環境対策に着目した環境融資。「環境」、「内部統制」、「地震対策」がビジネスの注目テーマだ。

 

「ゆっくり地震」大小、仕組みは同じ? 東大など調査(朝日新聞) - goo ニュース

 

 


南海地震

2007-05-03 | 地震リスク

南海地震想定震源域近くの微動、原因「スロースリップ」(読売新聞) - goo ニュース

 

読売新聞記事によると、東京大学と米スタンフォード大学の研究でマグニチュード8クラスの巨大地震が予想される南海地震の想定震源域に近い四国で「スロースリップ」に伴う微動が起きていることがわかった。

 

以下は地震調査研究推進本部が公表している海溝型地震の長期評価の概要(算定基準日 平成19年(2007年)1月1日)

(海溝型地震の今後10, 30, 50年以内の地震発生確率)

領域または地震名 長期評価で予想した
地震規模
(マグニチュード)
地震発生確率(注1) 平均発生間隔(注1)
(上段)
10年以内 30年以内 50年以内 最新発生時期
(下段:ポアソン過程を適用した
ものを除く)








南海地震 8.4前後 同時
8.5前後
10%程度 50%程度 80%~90% 114.0年(次回までの
標準的な値(注2)
90.1年)
60.0年前
東南海地震 8.1前後 10%~20%程度 60%~70%
程度
90%程度 111.6年(次回までの
標準的な値(注2)
86.4年)
62.1年前

注1: これらの評価は、基準日を元に更新過程を適用。また、三陸沖から房総沖の海溝寄りの地震、三陸沖北部の一回り規模の小さい地震、福島県沖の地震、茨城県沖の地震、千島海溝沿いのひとまわり規模の小さい地震および沈み込んだプレート内の地震、日本海東縁部の秋田県沖の地震、佐渡島北方沖の地震、日向灘および南西諸島海溝周辺の地震、相模トラフ沿いのその他の南関東のM7程度の地震については、ポアソン過程を適用。
 注2:

時間予測モデルに基づいて推定。