8月から9月が防災週間だったこともあり、各地域、各企業で地震防災訓練・研修をおこなったところが多い。
企業の防災訓練・研修は最近の傾向としてこれまでの地震時の地震体感、消火訓練等のあまり本番に役立たない訓練を卒業し、ロールプレーイング方式による社員参集から対策本部立ち上げ等の対策マニュアル確認訓練、安否確認訓練、帰宅出社訓練等の実戦的な訓練に移行しているようである。また、一般の地域の人々も同様に図上訓練を取り入れるなど防災意識は高くなった。
<静岡県 事業所の防災事例集>
8月から9月が防災週間だったこともあり、各地域、各企業で地震防災訓練・研修をおこなったところが多い。
企業の防災訓練・研修は最近の傾向としてこれまでの地震時の地震体感、消火訓練等のあまり本番に役立たない訓練を卒業し、ロールプレーイング方式による社員参集から対策本部立ち上げ等の対策マニュアル確認訓練、安否確認訓練、帰宅出社訓練等の実戦的な訓練に移行しているようである。また、一般の地域の人々も同様に図上訓練を取り入れるなど防災意識は高くなった。
<静岡県 事業所の防災事例集>
過去の首都直下で起きた数々の地震の発生メカニズムにはいろいろな説があった。2008年に首都直下地震の状況がわかってきたひとつに独立行政法人産総研の遠田研究員が発表した関東フラグメントの存在だ。
首都直下地震の従来のモデルでは、首都東京の真下でフィリピン海プレートと陸側のプレート境界で発生するか、フィリピン海プレート内部で発生すると予想されてきた。
しかし、首都直下に100km四方の太平洋プレートの断片があることがわかった。この断片が関東フラグメントと名付けられた。この関東フラグメントが首都圏で普段起きる地震と関係しているとのことだ。
これまで首都直下地震の代表事例である1855年安政江戸地震は、その発生メカニズムが不明とされてきたが、この関東フラグメントの存在で解明されてきた。
<産総研 首都圏直下に潜むプレートの断片と地震発生>
http://www.aist.go.jp/aist_j/new_research/nr20081010/nr20081010.html
25年前の9月14日、長野県西部を震源とするM6.8の地震が発生した。
長野県の調べによると死者29名、負傷者10名、住家全壊14棟、半壊73棟、一部損壊517棟の被害が生じたとされる。
この地震の発生メカニズムは政府の地震調査研究推進本部が発刊した「日本の地震活動」につぎの記載がされている。
「1984年の長野県西部地震(M6.8)は、御岳山の南側で発生し、死者・行方不明者29名、建物全壊13などの被害が生じた。ほとんどの被害は、地震に伴って発生した大規模な斜面崩壊とそれに続く土石流によるものである。震源域には、活断層は知られておらず、またこの地震に伴って地表に断層運動によるずれは現れなかったが、地震や地殻変動の観測から、地下にある東北東-西南西方向の断層(長さ十数km)が約1mの右横ずれを起こすことで地震が発生したと考えられている。」(地震調査研究推進本部「日本の地震活動」より)
<長野県庁 長野県災害体験集>
http://www.pref.nagano.jp/kikikan/bosai/taiken/htm/honbun/13seibu.html
首都東京で懸念される首都直下地震。記録で残る過去の地震はつぎのとおりだ。
818年に関東諸国でM7.5以上の地震
878年11月1日に関東諸国でM7.4の地震
1257年10月9日に関東南部でM7~M7.5の地震
1615年6月26日に江戸でM6.2~M6.7の地震
1628年8月10日に江戸でM6.0の地震
1630年8月2日に江戸でM6.2の地震
1635年3月12日に江戸でM6.0の地震
1647年6月16日に武蔵・相模でM6.5の地震
1648年6月13日に相模・江戸でM7.0の地震
1649年7月30日に武蔵・下野でM7.0の地震
1649年9月1日に川崎・江戸でM6.4の地震
1697年11月25日に相模。武蔵でM6.5の地震
1703年12月31日にM7.9~M8.2の元禄地震(首都直下地震ではない)
1767年10月22日に江戸でM6.0の地震
1782年8月23日に江戸で武蔵・相模でM7.0の地震
1812年12月7日に武蔵・相模でM6.2の地震
1855年11月11日に安政江戸地震(M6.9~M7.2)(代表的な首都直下地震)
1856年11月4日に江戸・所沢でM6.0~M6.5の地震
1892年6月3日にM6.2の東京湾北部地震
1894年6月20日にM7.0の東京湾北部地震
1923年9月1日にM7.9の関東地震(首都直下地震ではない。大正関東大地震:関東大震災)
1924年1月15日に丹沢山塊でM7.3の地震:東京に被害
1953年11月26日に房総半島沖でM7.4の地震
1956年9月30日に千葉県中部でM6.3の地震
1983年8月8日に神奈川・山梨でM6.0の地震
1987年12月17日に千葉県東方沖でM6.7の地震
阪神淡路大震災以降、全国各地で地震災害が頻発しており全国的に地震に対する防災意識が高まってきているが、東京に住む人々の防災知識に注意が必要だ。
今後30年以内に発生する確率70%の首都直下地震。実は政府中央防災会議が想定した東京湾北部地震(M7.3)を直接示しているのではないということだ。この確率は政府の地震調査研究推進本部が相模トラフ沿いの地震評価で示した「その他南関東のM7程度の地震」の発生確率で、過去関東で発生した明治東京地震以降5つの地震から平均発生間隔23.8年を算出し、このことからM6.7からM7.2の地震が発生するとされており、政府中央防災会議が想定する地震規模の災害にはならない可能性がある。
また、東大地震研究所の瀬野教授が2007年に地学雑誌に掲載した論文によると「関東地方のM 7 クラスの地震は,巨大地震が起こって広い意味の余震活動が収まった後,約140 年間は比較的静穏であり,その後次の巨大地震が迫ってくる約70 年前から活動期に入るということができるだろう。この静穏期は,巨大地震の繰り返し周期が400 年に近いとした場合,さらに長くなる可能性がある。」とされ、1923年関東地震から86年しか経過しておらず、あと50年~60年経過後に関東は活動期に入るということだ。さらに関東の巨大地震が周期400年とされた場合にはさらに先の活動期とされている。
<首都圏直下型地震の危険性の検証 本当に危険は迫っているのか?>
http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/seno/Papers/j.geogr.kanto.danger.pdf
政府中央防災会議が示した東京湾北部地震(M7.3)は、平成16年に政府が首都直下地震対策として検討した18タイプの地震のうち、地震発生の蓋然性が比較的高く(「ある程度の切迫性が高いと考えられる」または「近い将来発生の可能性が否定できない」)、首都機能に大きな影響を与える地震としてピックアップされた。
しかし、この東京湾北部地震を含む18タイプの地震は遡ること平成4年に中央防災会議で検討された地震であり、同じ政府の地震調査研究推進本部公表の長期評価とは連動していないことと切迫性の説明が十分でないことだ。
このように同じ国の機関でも縦割り行政の結果、想定地震規模と切迫性に矛盾を生み、いつの間にかM7.3の首都直下地震が今後30年以内に発生するような知見になってしまっているのではないか。民主党政権には地震対策についてもう一度一から精査し、改善を期待したい。
たとえ首都機能に大きな影響を与える直下地震が今後30年間は発生しないとしても、油断は禁物でM7程度の地震、首都圏に眠る活断層、プレート内地震の発生に不断の備えが必要だ。
<内閣府 中央防災会議首都直下地震対策専門調査会第12回資料>
http://www.bousai.go.jp/jishin/chubou/shutochokka/12/shiryo2-1.pdf
<地震調査研究推進本部 相模トラフ沿いの地震活動の長期評価について>
8月11日早朝に発生した駿河湾地震から1か月が経過した。最大震度6弱にも関わらず倒壊した建物はなく、一部損壊の住宅が7千超、死者1名は出たものの大災害とはならなかった。
1か月が経過したが、現在までのところこの地震による被害額は集計・公表されていない。
<静岡県 緊急情報より9・8地震速報、被災者支援制度>
http://www.pref.shizuoka.jp/kinkyu/documents/jisin_sokuhou_20090908.pdf
http://www.pref.shizuoka.jp/kinkyu/documents/hisaisyakyuusaiseido.pdf
今から66年前の9月10日、鳥取県でマグニチュード7.2の地震が発生し、鳥取市で最大震度6を記録した。この地震により気象庁の調べでは死者1,083人、鳥取県の調べでは死者1,210人、重軽傷者3,860人、住家全壊7,164棟、半壊6,901棟の被害となった。
鳥取地震は鹿野・吉岡断層帯の活断層地震とされ、再来した場合には、死者285人、建物大破2,959棟の被害を想定している。
<鳥取県 地震防災情報>
http://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?moduleid=63399&pfromid=3
https://www.pref.tottori.lg.jp/secure/86647/eikyousaigai.pdf
http://www.pref.tottori.lg.jp/secure/123159/b01_shinsai.pdf
<気象庁 過去の地震・津波被害>
http://www.seisvol.kishou.go.jp/eq/higai/higai-1995.html
393年前の9月9日、宮城県沖を震源とするマグニチュード7.0の地震が発生した。青葉山仙台城の石壁などが破損したとされる。
<仙台管区気象台 宮城県に影響を及ぼした地震・津波>
8日午前1時24分、北海道日高支庁東部を震源とする地震が発生し、浦河町で最大震度4を記録した。
<気象庁 地震情報>
平成16年8月に財団法人建設経済研究所が公表したデータによると耐震化に伴う1世帯の平均費用は木造戸建てで162万円、共同住宅(マンション)で67.5万円、市場規模は21兆円にも上る。
耐震化が進まない最大の理由は所有者の経済事情だ。高齢者をはじめとする耐震改修、建替えが家計のやりくりでどうしてもできない人々、マンション特有の所有者の合意がいるからだ。各市区町村の耐震改修支援も補助率が十分でなく、結局、耐震化を先送りする人々が多いのは事実だ。
新政権では市場規模21兆円の経済効果もあるこの耐震化事業を促進する必要があるが、やはり旧体制が続けた国の財政危機状態での財源の問題がつきまとう。
民主党が2005年の東京都議選で掲げたマニフェストには、耐震改修にあたってかかった費用を固定資産税等から免除する制度を提案している。今回の衆議院選でのマニフェストには危機管理庁の創設と災害対策を掲げている。
<東京都 耐震改修相談窓口一覧>
http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/kenchiku/taisin/kn_t04.htm
<東京都 建築物の耐震化>
http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/kenchiku/taisin/index.html
http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/kenchiku/taisin/kn_t05.pdf
<民主党 2005年東京都議選マニフェスト 震災対応力>
http://www.tokyo.dpj.or.jp/tokyo-manifesto/earthquake/index.html
http://www.tokyo.dpj.or.jp/tokyo-manifesto/earthquake/data.html
<民主党 2009年衆議院選マニフェスト 災害対策>
政府は地震、水害等の自然災害により被災した人々を救うため被災者生活再建支援制度を設けている。自然災害により住宅が全壊した世帯には、最大で300万円が支給される内容だ。
この制度は民主・自民の合意により平成19年に大幅に改正され現行の制度となったが、これまで37の災害に対し17,240世帯、221億円を支給した。1災害の最大支給額は、平成16年新潟県中越地震で5,207世帯、73億円の実績となっている。
今後発生が懸念される首都直下地震をはじめ巨大地震に対しては大きな問題を抱えている。それが財源問題だ。現在の仕組みは、この制度を運営する被災者生活再建支援法人への全国都道府県からの拠出金およびその運用益と国からの補助金(支給額の半額を補助)が支援金支給の原資となっている。しかし、現在までのところその原資はわずか540億円(当初設立時の基金は600億円)しかなく、巨大地震では被災者へ十分に支給されない可能性がある。
想定される首都直下地震では、最悪のケースである東京湾北部地震(M7.3)が発生した場合、住宅・オフィスの建物への被害額は51.4兆円、家財への被害が3.8兆円にも上り、被災者生活再建支援制度が破綻してしまう可能性がある。
支援法人を実質運営している財団法人都道府県会館の公開している資料によれば、540億円の原資を地方債450億円、定期預金50億円、外債30億円で運用しており、平成20年度の収支は収入合計29億円、支出43億円で13億円のマイナスと資産の積み増しには至っていない実態だ。収入の殆どが災害が起これば国が半分補助金を支給する仕組みであることから、支給がなければ運用収益のわずか7.7億円が収入となるのみだ。
近い将来の大問題に発展しないよう早急に制度自体を改善しなければならない。民主党政権に抜本的な防災政策の転換を期待したい。
これまで国は私有財産への公費の投入はご法度の立場であったため、事前の耐震化政策、事後の救済制度が不完全なものであった。その結果、事前の住宅の耐震化が一向に進んでおらず、新潟県中越地震をはじめ耐震化されていない建物の多くが倒壊した。救済策も住宅が再建できない額の支給となり生活再建は長期間に亘った。
被害額を大幅に減少させる国の財源を使った事前の住宅の耐震化、耐火化を推進する政策が必要だ。耐震化されていない建物はその所有者だけの問題ではなく、地域の被害拡大につながる可能性がある。耐震化されていない建物を放っておくと火災延焼、避難の障害となり耐震化された住宅まで巻き込んで被害が拡大する可能性がある。
全建物の耐震化が完了すれば、大幅に被害額が減少するはずだ。そうすることにより大破・半壊ではなく一部損壊等の被害で済めば、早期の生活再建・復興が可能となろう。
民主党政権が構想する危機管理庁創設には賛成だ。地震を含む自然災害対策について、災害に負けないまちづくり、その技術、研究、経済、産業、財源等の問題すべてを検討する世界初の行政機関となるような組織としてほしい。
<内閣府 被災者生活再建支援制度に係る支援金の支給について>
http://www.bousai.go.jp/hou/pdf/090731sienkin.pdf
<内閣府 被災者生活再建支援制度の概要>
http://www.bousai.go.jp/hou/pdf/080818gaiyou.pdf
<財団法人都道府県会館 財産目録>
今から413年前の9月4日、大分別府湾でマグニチュード7.0の地震が発生し、大津波が襲った。瓜生島は海没し700名余りの死者が出た。
この地震は海溝型地震ではなく、別府湾に続く別府万年(べっぷはねやま)断層帯のひとつ別府湾-日出生断層帯東部の活断層地震であった(平均活動周期は1300年~1700年とされる)。
<大分地方気象台 大分県の地震活動の特徴>
http://www.fukuoka-jma.go.jp/oita/oita-jikazan.htm
<地震調査研究推進本部 長期評価>
http://www.jishin.go.jp/main/chousa/05mar_beppu/index.htm
東京・江東区と横浜で震度3(読売新聞) - goo ニュース
午前11時30分ごろ、千葉県北西部を震源とするマグニチュード4.5の地震が発生し、東京、横浜で最大震度3を記録した。
<気象庁 地震情報>