くだらない話 (PART 1)
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デンマンさんは便秘に苦しめられているのですか?
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いや。。。 僕は便秘にならない体質なのですよ。。。
じゃあ、くだらない話というのは、便秘とは違うお話なのですか?
もちろんですよ。。。
。。。で、どんなお話なのですか?
実は、バンクーバー市立図書館で借りていた本を読んでいたら次の箇所に出くわしたのですよ。。。
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「知ってますか、日本語のくだらないは百済にないもののことですよ」
へーそうなの。
私は寛ぐという言葉をずっとつくろぐだと思っていたら教えてくれた。
「くつろぐです。 靴をぬぐという意味で、リラックスする事です」
へーそうだったの。
(注: 赤字はデンマンが強調。
読み易くするために改行を加えています。
写真はデンマン・ライブラリーより)
128ページ 『役に立たない日々』
著者: 佐野洋子
2008年8月20日 第6刷発行
発行所: 朝日新聞出版
あらっ。。。 日本語の「くだらない」は百済にないもののことなのですか?
佐野洋子さんは、そのように本に書いたのですよ。。。 でも、佐野さんは可笑しな事ばかり書くので僕はすぐには信じなかった。。。
それで、くだらない話として、今日の記事を書く気になったのですか?
そうです。。。 いけませんか?
別にかまいませんけれど。。。、つまり、上の意味が正しいかどうか? デンマンさんは確かめてみたのですか?
そういうことです。。。 「ウィクショナリー」には次のように書いてありました。
くだらない【下らない】
1. 問題にならない。価値の無い。無意義な。ばかげた。取るに足らない。
くだらない話で笑いあうことがそんなにくだらないとは思わない。
語源
● 動詞である「下る」に、打ち消しの助動詞の「ない」を付けたものとする説。
● 「下る」には、もともと「筋が通る」というような意味があるとされる。
● 江戸時代に、灘など上方かみがたで醸造された酒のうち、良い物は大消費地であった江戸へ下くだるが、悪い物は主に当地で消費され「下らない」ことから、つまらない、できの悪い物を指し「くだらない」といった。
上方からの下りものは良い酒だが、下ってこない江戸の地酒はぐっと品質が落ちるため、大したことのないものを「くだらない」と言った。
類義語
つまらない いやしい ちっぽけ
英語
●(問題にならない):petty, slight, ignorable, negligible
●(ばかげた):absurd, nonsensical
●(価値の無い):petty, slight, meaningless, valueless, worthless
出典: 「くだらない」
ウィクショナリー日本語版
なるほどォ~。。。 百済とは関係ないのですわねぇ~。。。
そうらしい。。。 “良い物は大消費地であった江戸へ下くだるが、悪い物は主に当地で消費され「下らない」ことから、つまらない、できの悪い物を指し「くだらない」といった”というのが百済の話よりも腑に落ちる説明ですよ。。。
。。。で、「寛ぐ」の方は。。。?
調べてみました。。。 次のような説明をゲットしました。
くつろぐ【寛ぐ】
語源は「クツ(朽・崩・壊)+ろぐ(接尾語、揺)」です。
緊張して堅くなった心を朽ちくずして柔らかにする意です。
ゆったりのびのびする気持ちをいいます。
日本語源広辞典 増井金典/著 増補版
ミネルヴァ書房 2012.8 ※p.317
「レファレンス協同データベース」より
なるほどォ~。。。 靴を脱いでリラックスするという意味ではないのですわねぇ~。。。
その方が面白いけれど、語源としては靴とは関係ないのですよ。。。
要するに、上の語源を調べたかっただけですか?
いや。。。 佐野さんの本の中には、実際にくだらない話があったのでここに引用します。
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目が覚めたら、8時半だった。
ベッドの中から足でカーテンをあけたら、とんでもなくいい天気だった。
天気がいいと気分が少しよいような気がしたかといって、飛び起きたいような気分でもない。
おしっこがもれそうだったが、めんどくさかった。
トイレまで行くなら、がまんした方がいいなあと思ってぼーっとしていた。
いやに重い本『日本人の老後』(グループなごん)を昨夜の続きから読んだ。
どこを読んでも立派な人達ばかりだ。
すべての人が前向きに、くよくよしないと云っていた。(略)
嫁にいびられてぐちをたれる人も、身だしなみが悪いジイさんも居ない。
痴呆の妻を懸命に介護するジイさんも、妻のうんこがくさいなどと云わない。
本当に立派である。
天気がいいのに読んでいたら落ち込んだ。
どうして立派な人に私は落ち込むのだろう。
落ちこむのにあきたから、、がまんしていたおしっこをしに行った。(略)
子供の頃は庭でしゃがんで小便をすると小便の勢いで地面に穴があいた。
その穴に蟻がおぼれたりすると本当に嬉しかったものだ。
だから、私は蟻の巣をめがけて小便をすることもあった。
こっそり快感に酔っていたら、兄にみつかって、「どけ」と云われて、おしりをずらすと、兄は半ズボンからチンチンを出して、私のみつけた蟻の巣めがけて、高いところから、シャーッと小便をした。
本当に口惜しかった。
兄は(栄養失調で)11歳で死んだから、かわいそう。
もっとたくさん蟻の巣みつけて、小便かけさせてやりたいと、65のバアさんの私が、水洗便所に座ったまま思っている。
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58-60ページ 『役に立たない日々』
著者: 佐野洋子
2008年8月20日 第6刷発行
発行所: 朝日新聞出版
佐野洋子
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(1938年6月28日 - 2010年11月5日)
日本の絵本作家、エッセイスト。
代表作として、絵本『100万回生きたねこ』(1977年)。
エッセイ、児童文学、脚本、小説、海外絵本の翻訳も手がけた。
1938年、満鉄調査部勤務の父利一、母シズの間に、長女(7人きょうだいの第二子)として北京で生まれる。
1942年に三弟(生後33日)、1947年の引き揚げ後に四弟(4歳)を亡くし、1948年(10歳)には大好きであった兄(11歳)を亡くしている。
幼少期の肉親との死別は、後の作風にも影響を与えている。
また、母シズとの関係は確執を含んだもので、「家族」を題材とする多くのエッセイが書かれた。
1962年、武蔵野美術大学デザイン科卒。
卒業後、白木屋宣伝部にデザイナー(イラストレーター)として入社。
このころ、最初の結婚をした。
1966年の冬に単身渡欧し、1967年から半年、ベルリン造形大学でリトグラフを学ぶ。
1968年に帰国、同年に長男(イラストレーター・画家の広瀬弦)誕生。
1980年離婚。
1982年に初のエッセイ集『私の猫たち許してほしい』を出版。
1983年に童話『わたしが妹だったとき』で第1回新美南吉児童文学賞を受賞。
1990年に谷川俊太郎と結婚した。
1996年に離婚。
1998年から2003年にかけては北軽井沢に転居。
2003年に紫綬褒章受章。2004年、エッセイ集『神も仏もありませぬ』で小林秀雄賞を受賞。
2004年には乳がんの摘出手術を受けたが、骨に転移。
2010年11月5日午前9時54分、乳がんのため東京都内の病院で死去した。72歳没。
最後のエッセイ集のタイトルは『死ぬ気まんまん』であった。
出典: 「佐野洋子」
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
佐野さんは2010年に亡くなってしまったのですわねぇ~。。。
もう、くだる話も、くだらない話も読めないので 残念です。。。
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(すぐ下のページへ続く)