日本人の性意識に対する『完全なる結婚』の最大の貢献は、女性の“性感曲線”に注意を呼び起こし、前戯、後戯、オーガズムといった考え方や実践を強調した事であった。性交において“男性は教師である”という彼の考え方は、今日では古めかしいが、結婚生活における女性の性交時の感覚や女性の性欲にこれだけの理解を示したことは当時、驚くべき事と思われた。
夫婦の性行為を正々堂々と論じる事が大衆にアピールしたため、これを真似して1949年に『夫婦生活』という雑誌が創刊された。『夫婦生活』はたちまち月刊3万部を越えた。この雑誌があまりに評判となったため、カストリ雑誌の時代はこれで終わったと言われる。
『夫婦生活』が、それまでのカストリ雑誌と根本的に違うのは、結婚を性交に結びつける事によって、性交は恥ずべき行為ではなく正当な行為であって、男女が互いを分かち合い、互いに楽しむ事を両性の平等の象徴とした事である。
レンゲさんは、まだ“性の平等”になっていないと言うけれど、愛する者同士が性交は恥ずべき行為ではなく正当な行為であると信じきって、お互いに楽しんでいる。レンゲさんと清水君が夜桜の下で愛し合う事こそ、僕には両性の平等の象徴だと思えますよ。
デンマンさん、。。。それってマジであたしたちの事を持ち上げているのですか?それともけなしているのですか?
僕は、マジで感心しているんですよ。ヴァン・デ・ヴェルデが生きていたら、レンゲさんたちと抱き合って喜ぶだろうと思いますよ。
あたし、なんだか、馬鹿にされているような気がするのですけれど。。。
僕は馬鹿にしていませんよ。マジで感心しているんですよ。
でも、絶対、デンマンさんは、もう一言何か言いますよね。。。でしょう?
うへへへへ。。。。分かりますかぁ?
デンマンさんとのお付き合いも長くなりますから、そのくらいの事は分かりますわ。それで何がおっしゃりたいのですか?
ヴァン・デ・ヴェルデが生きていたら、レンゲさんたちが夜桜の下で愛し合っているのを見て祝福しますよ。でもね、ファンディー(fundies)をはいて、つながったまま高速道路に出て、しかも80キロで突っ走りながらエッチに夢中になっている姿を見たら、僕以上にぶったまげますよ。命を危険に晒しながら、そういう過激なセックスにふける事は医者の立場上、不健全なものとして、ヴァン・デ・ヴェルデも絶対に反対しますよ。
やっぱり、デンマンさんは、今日もファンディーを持ち出すのですわね。
レンゲさんが交通事故を起こして死んで欲しくないからですよ。
あたしの事がそれほど心配になるのですか?
もちろんですよ。僕は今でもレンゲさんのことを“心の恋人”として愛しているんですよ。
冗談ぬきで、舞い上がるような
いい気持ちです。
2004-8-16 19:46
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ご苦労様、ありがとうございます。
バンクーバーでのわたしは、
デンマンさんに
エスコートされて、
のびのびした表情をしていますね。
ここ大阪では考えられません。
あたしの精神年齢は32歳ですか?
大人ですね。
昔から思索にふけることが
多かったのですが、
そういった時に、
わたしは大人に
なれるのかもしれません。
でも、妄想にふける
中学生のわたしもいますが。
もうひとつ言えば、
不安にさまよう
4歳のわたしもいます。
わたしの詩・・・
(自分では自慰行為と呼んでいますが)
人に見せるのも、
まして批評していただけるなんて、
全く初めてだったんです。
デンマンさんが感想を書いて下さって、
冗談ぬきで、舞い上がるようないい気持ちです。
ネットで公開してよかった・・・
デンマンさんは少々わたしのことを、
買いかぶっておられるんじゃないかと、
少し不安です。
わたしがデンマンさんの“心の恋人”足り得るか・・・
いつか、ガッカリさせてしまうのではないかと、
自分自身の内面を省みて、心配になっています。
それにしても、わたしは幸せ者ですね。
この、“夢のバンクーバー”で、
わたしはデンマンさんを独占してしまったのですから
本当にありがとうございます。
質問の方もできるだけ早く、残りをお答えしますね。
by RENGE
『次元の違いとは端的に言うと』より
こうしてレンゲさんだって、“心の恋人”として僕の“求愛”を受け入れていたんですよ。この時の気持ちをすっかり忘れてしまったのですか?
覚えていますわ。
レンゲさんは、夜桜を眺めながら、清水君に抱かれて“昇天”する気分になったかもしれない。でも、こうして詩を通じてレンゲさんは“冗談ぬきで、舞い上がるようないい気持ち”になったんですよ。でしょう?
そうですわ。でも、でもデンマンさんがあたしを愛してくれるのは、あたしが求めているような“愛”ではありませんわ。
だから、さまざまな愛の形があると言う事ですよ。僕が言いたい事は、江戸時代から明治時代を経て、戦争中も女性の“性”は抑圧されていた。結婚生活の中で女性が性的満足感を詠(うた)いあげるなんて、とても考えられなかった。女は天皇の国家に奉仕する“家”の制度の中で“重い荷を背負わされ”、男に抱かれても、冷凍されたマグロのように寝床の中で、じっとして横たわって居なければならなかった。
冷凍されたマグロなんて嫌なたとえですわ。
でも、実際、そのような教えを受けて、良家の女はマグロでなければならなかった。でもね、古代の日本では、男と女が互いに平等な性の喜びを分かち合うと言う理想を、詩や散文の中で謳(うた)いあげていたんですよ。
どうしてそのような事が言えるのですか?
額田女王(ぬかだのおおきみ)が次のような歌を詠(うた)っていましたよ。
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茜(あかね)さす 紫野行き標野(しめの)行き
野守(のもり)は見ずや 君が袖振る
原文:茜草指 武良前野逝 標野行 野守者不見哉 君之袖布流
意味: 茜色の光に満ちている紫野(天智天皇の領地)で、あぁ、あなたはそんなに袖を振ってらして、領地の番人が見るかもしれませんわ。後で、その番人が天智天皇に告げ口するかもしれませんわよ。
「君」は後に天武天皇になる大海人皇子(おおあまのみこ)、標野(しめの)は上代、貴族の所有で、一般人の立ち入りを禁じた領地。
この歌は大海人と額田女王との恋の歌とされている。
大化の改新から壬申の乱にかけて活躍し、万葉随一の女流歌人と言われた額田女王(額田王とも書く)は神に仕え、神祇を司る巫女であった。
彼女はまた絶世の美女とも言われていた。天智天皇・天武天皇に深く愛された。
彼女の生きた時代には、朝鮮半島への出兵があり、白村江(はくすきのえ)の戦いがあった。
飛鳥から近江への遷都、壬申の乱といった事件も起きた。
激動の歴史の中で、額田女王は、ひたすら自らの想いに忠実に生きた。
この歌には額田女王の性格が、生き生きと現れている。
美しく、才知にあふれ、強く情熱的な女性。
彼女は、巫女としての自分と、二人の天皇の愛の間で揺れ動く女としての自分、そして天武天皇との間にもうけた十市皇女(といちのひめみこ)の母としての自分という、複雑な立場からの葛藤の中で悩みながらも、自分を高く維持し、歴史の荒波に耐えて、鮮やかに生きぬいた。
つまり、額田女王が生きた奈良時代というのは、男と女が互いに平等な性愛の喜びを分かち合うと言う理想を和歌の中で詠(うた)い上げるという自由な気風があったということですよ。
奈良時代、平安時代の女は、江戸時代や明治時代の女よりも自由恋愛をしていたということですか?
そういうことですよ。少なくても歌の中で額田女王は自由恋愛の思いを謳(うた)いあげていますよ。そう思いませんか?戦争中ならとても活字には出来なかったですよ。
どうしてですか?
だって、そうでしょう。二人の天皇を手玉にして“不倫”という自由恋愛をしている邪(よこしま)な女だというレッテルを捺(お)されてしまうのが関の山ですよ。これを印刷して出版したら、天皇制を侮辱するものだということで特高に捕まって拷問を受けるのがオチですよ。
それほどの歌なのでしょうか?
そうですよ。現在ならば、さしずめレンゲさんが作った次の詩と同じぐらいのインパクトがある歌ですよ。
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あなたと
交わした愛
交わした愛
2005/08/19
あなたの全てがいとおしい
そのまぶたをくちびるで愛撫する
くちびるから全身にしびれるような
熱い波がひろがっていく
あなたをつつむやすらぎの光
おだやかな時がいつまでも流れていく
あなたに出会い
そして愛し合う
こんなに強く抱きしめた腕
ふたりは確かに結ばれて
身も心もとけあう
あなた ・ ・ ・
いとしいひと ・ ・ ・
あの出会いからわかっていた
夕べのしじまの中で
あなたと交わした愛が
とこしえに続くことを
愛している
今朝はすべてが澄み切って
誰にもじゃまはできない
(『あなたと交わした愛』より)
あら、あたしの詩が額田女王の歌と比較されるなんて、。。。なんだかうれしいような、恥ずかしいような。。。
額田女王の歌は、雅(みやび)やかに詠(うた)っていますがね、その歌の内容はレンゲさんの詩とあまり変わりがないものですよ。
そうでしょうか?
そうですよ。額田女王はこの歌の相手、つまり、後の天武天皇との間に十市皇女(といちのひめみこ)を儲(もう)けているのですからね。雅(みやび)な歌の裏には、情熱的な“濡れ場”が隠されているんですよ。
でも、あたしがこの詩を読んだ前の晩、あたしはデンマンさんに抱かれましたけれど、“濡れ場”はありませんでしたわ。
ありましたよ。
いいえ、ありませんでしたわああああ~~
でも、レンゲさんは、シーツを濡らしたじゃありませんか?
それは。。。それは。。。
要するに、本当の心の触れ合いとは、エッチしなくてもイケルものなんですよ。うへへへへ。。。。
デンマンさん、初めてこの記事を読む方は、分かったようで、全く分からないで終わってしまいますわよ。
そういう時には次の記事を読んでくださいね。
『あたしは、どのように愛せば良かったのでしょうか? (2006年1月15日)』
【ここだけの話しですけれどね、今日はちょっぴり格調高かったですよね。なにしろ、額田女王が登場しましたからね。。。へへへへ。。。とにかく、レンゲさんの話の続きは、ますます面白くなりますよ。どうか期待して待っていてくださいね。もっとレンゲさんのことが知りたいのなら、下にリンクを貼っておきましたからぜひ読んでくださいね。】
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レンゲさんの愉快で面白い、そして悩み多い日々は
次のリンクをクリックして読んでください。
■ 『レンゲさんのこれまでの話を読みたい人のために。。。』
■ 『レンゲさんの愛と心のエデン』
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レンゲさんをもっと知りたい人は。。。。
■ 『女探偵ふじこが試みたレンゲさんの素行調査』
■ 『“愛の正体” と “レンゲのテーマ”』
■ 『不倫の悦びと苦悩』
■ 『レンゲさんのように苦境から立ち上がった女 ー グロリア・スタイナム』
レンゲさんの写真を見たい人は。。。
■ 『レンゲさん、あなたは実はメチャ美人なんですよ!』
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