量子コンピュータ(PART 1)
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デンマンさん。。。 どういうわけで急に難しい話をするのですか?
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オマエのために あえて量子コンピュータを持ち出してきたのだよ。。。
オイラのためですか?
そうだよ。。。 オマエは早稲田大学の理工学部数学科を優秀な成績で卒業したのだろう?
そうです。。。 よくそんなことまで知ってますねぇ~。。。
オマエが自慢げに僕に話したのだよ。。。
そうでしたか?。。。 忘れていました。。。
オマエは日本の小さなソフトウェア会社に勤めて課長までになって将来は社長の椅子に座ろうかと思ったのに、人間関係で気まずくなって、会社を辞め カナダに移住し、大型計算機のメンテナンスの仕事に就いたのだよ。。。 そうだろう?
よくそんなことまで知ってますねぇ~。。。
オマエが自慢げに僕に話したのだよ!
そうでしたかァ~? 忘れてしまいました。。。
オマエは意外に忘れっぽいのだねぇ~。。。 やっぱり、年のせいかァ~?
。。。で、どういうわけで量子コンピュータを持ち出してきたのですか?
10月23日にGOOGLEが量子コンピュータを使って1万年かかる計算を3分で片付けたと発表したのだよ。。。
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それで、量子コンピュータがどういうものなのか?。。。ということが知りたくなってオイラを呼び出したのですか?
その通りだよ。。。 オマエは早稲田大学の理工学部数学科を優秀な成績で卒業したので知っているだろうと思ったのだよ。。。
知ってますよ。。。 その程度のことはIBMの大型計算機をメンテナンスしてきたから基礎知識として勉強しました。。。
マジで。。。?
デンマンさんも、そう信じてオイラを呼び出したのでしょう?
でも。。。、でも。。。、オマエに恥をかかせたくないので念のために もう一度確認するけれど、オマエは量子コンピュータが どのようなものなのか?。。。マジで知ってるのォ~?
すでに40年以上も日本とカナダでコンピュータに関わる仕事をしてきたオイラにとって、それは極めて常識的なことですよ。。。 うへへへへへ。。。
ホントかよう!? じゃあ、説明してもらうけど、ホントに説明できるのォ~?
簡単なことですよ。。。 じゃあ、デンマンさんのために解り易く説明します。。。 まず、次の図を見てください。。。
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従来のコンピュータは数字を1と0で表示することはデンマンさんも知ってますよねぇ~。。。?
もちろん、知ってるよ。。。 コンピュータの仕事に携わったものとしてその程度のことは僕も常識として知ってるよ。。。
上の図の「010」というビット表示は、十進法では「2」をあらわしていますが、例えばビットが一つ増えて「1010」となった場合には十進法では「10」を表示してます。
確かに、そうなるけれど、それがどうなのォ~?
つまり、「010」の場合も、ビットが一つ増えて「1010」となったとしても、1度に一つの情報しか表示できないのですよ。。。 つまり、「2」と「10」です。。。
それで。。。?
でも、量子コンピュータは、一度にたくさんの情報を表示できるのです。。。
マジで。。。? それって、不可能じゃないのォ~?
だから、デンマンさんのようなミーちゃん、ハーちゃんは不可能だと思うのですよ。。。 でも、頭のいい人は世の中にいるものです。。。
オマエも その頭のいい人の内の一人だと思っているわけぇ~?
当然でしょう! うへへへへへへ。。。 だから、こうして量子コンピュータの説明ができるのですよ。。。
解った。。。 じゃあ、どのようにして一度にたくさんの情報を表示できるのか? その説明をしてもらおうじゃないかァ。。。
では、次の図を見てください。。。
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これは量子コンピュータで使われるビットです。。。 「量子ビット」と呼ばれるものですよ。。。 Qbitとも言います。。。 この上の図では「量子ビット」がゼロの状態です。。。 従来のコンピュータのビットは古典ビット(Cbit)と言います。。。 量子情報では、従来の情報の取扱量の最小単位であるビットの代わりに、情報を量子力学的2準位系の状態ベクトルで表現するのですよ。
オマエは、難しい事を言うねぇ~。。。 その「情報を量子力学的2準位系の状態ベクトルで表現する」というのは、どういうことなのォ~?
古典ビットは0か1かのどちらかの状態しかとることができません。。。 これは理解できますよね。。。 ところが量子ビットは、0と1だけでなく0と1の状態の量子力学的重ね合わせ状態もとることができるのです。。。
もっと具体的に説明してもらわないと解らないよ!
じゃあ、次の図を見てください。。。
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上の「量子ビット」にマイクロ波をあてると、「量子ビット」がゼロの状態から1の状態になります。 「量子ビット」のすごいところは、次のように0と1の状態の量子力学的重ね合わせ状態もとることができるのですよ!
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なるほどォ~。。。 これが従来の「古典ビット」と「量子ビット」の違いなんだァ~。。。
そういうことです。。。 だから、量子ビットが2つになると1度に4つの情報を表すことができます。。。
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量子ビットが3つになると1度に8つの情報を表すことができます。。。
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なるほどォ~。。。 古典ビットでは3つのビットでも1つの情報しか表せないのに、量子ビットが3つになると1度に8つの情報を表すことができるんだァ~。。。
そうです。。。 そうやって量子ビットが50個並ぶと 1125899906842624の情報を表すことができるのですよ!
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マジで。。。? それって すごいことじゃないかア!
だから、量子コンピュータはすごいのですよ。。。 量子ビットの このすごい情報量を使って計算すると 1万年かかる計算が3分でできるわけです。。。
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この上のコンピュータで計算すると1万年かかる計算が3分でできるわけだァ~。。。
そのとおりです。。。
。。。で、量子ビットはどこにあるわけぇ~?
ここにあるのですよ。
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ほおおおォ~。。。 こんなところにあるんだァ~。。。 でも、このコンピュータを使うためにはプログラムを組む必要があるよなァ~。。。?
そうです。。。 Qiskitという量子コンピュータ用のプログラミング・ツールがあるのですよ。。。 これは量子コンピュータ用のオープンソースのフレームワークで、プロトタイプの量子デバイスやシミュレーション上で実行するためのツールです。。。 量子チューニングマシンの量子回路に対応しており、これに従う量子コンピュータに使用することができるんですよ。。。
つまり、誰でも使うことができるわけぇ~。。。
そうです。。。 Qiskitを使えば量子プログラムを記述することができます。。。
どうやったら Qiskitを使うことができるのォ~?
次のクリップを見れば、どのようにしたらQiskitをインストールすることができるか分かりますよ。。。
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さすがは早稲田大学の理工学部数学科を優秀な成績で卒業しただけのことがあるねぇ~。。。 改めてオマエの博識さに脱帽するよ。。。 それなのに、どういうわけで、オマエは奥さんとうまくやってゆけないのォ~?
なぜ、そのようなウザい事を言うのですか?
だってぇ~、オマエは次のように書いていたじゃないか!
私は、この曲集を書き終えたとき、老人見習いから、正真正銘の老人になるのではないか、と思うこの頃である。
真の老人とは、もはや、失うべき何ものも無くなった人のことを言うのではないか。
長女は、私から去った。
次女は、中立を保つ為に、この家に寄りつかない。
家内と言えば、日本語も通じなくなってから何年にもなる。
私には、S.Kierkegaard の言った、一番易しく一番難しいこと、すべてを捨てること、が、案外、無理なくできるのではないか。
いや、その時には、捨てるべき何ものも見当たらなくなった境地であろう。
その意味では、老人になる前に、不慮の死で亡くなった人は気の毒である。
私は、若い時に、死ぬのはいいが風邪をひくのは嫌だ、などと言って、粋がって与太をほざいていた。
今も、願わくは、あまり苦しむことなく死を迎えられたなら、それにこしたことはない、と考えている。
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Kierkegaard は、また、永遠とは有限が無限に出会う瞬間である、と言っていた。
私の人生に、かつて、そのような瞬間があったであろうか。
いや、それもまた、超越の命題であろう。
私の人生は、無明に迷ったそれに終わるのかもしれない。
しかし、私の背後には、母の祈りがあった。
ある麻薬中毒患者が、お母さん、僕は、こんな遠くまで来てしまった、と淋しげに呟いていたが、私は、麻薬中毒者ではないけれど、その気持ちが解かっている、と思う。
どのみち、人生は、rehearsal無しの、ぶっつけ本番なのである。
しかし、私は、F.M.Dostoevsky の「白痴」にある、あの「イッポリトの告白」に書かれているように、もし、生まれる前に、この条件を知らされていたとしたならば、私は、生まれるてくることを肯(がえ)んじなかったであろう、とは思っていない。
私は、感謝して死ねるように、今からでも、心の準備をしておこう。
S.D.G
コーダ(蛇足):
私の懐疑なるものが、深いのか、深くないのか、私自身も知る由もない。
仮に、深かったとしても、そもそも、懐疑の深さというものは、誇るべきものであるのか、という疑問が残る。
【デンマン注:】 改行を加え読み易くしました。あしからず。
S.Kierkegaard: キルケゴール (1813-1855) デンマークの哲学者
S.D.G.: Soli Deo Gloria (ラテン語) To God Alone the Glory(英語) 神に栄光あれ。
F.M.Dostoevsky: ドストエフスキー (1821-1881) ロシアの小説家・思想家
56ページ Michel-Richard de Lalande
『後奏曲集(後書きばかり)』 作品3
著者: 太田将宏
初版: 1994年1月 改定: 2006年9月
『馬鹿やって人気?』にも掲載
(2015年8月18日)
量子コンピュータに これだけ詳しいオマエが女性関係になると、からっきしオツムが寒々としているのだねぇ~。。。 奥さんと「日本語も通じなくなってから何年にもなる」というのは、いったい どういうことなのォ~?
あの天才のアインシュタインが次のように言っていたのですよ。。。 デンマンさんは聞いたことがないのですか?
結婚とは、ひとつの偶然から
永続的なものを作りだそうという、
成功するはずのない試みだ。
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---アルバート・アインシュタイン
判るでしょう! 女性関係は量子コンピュータを使っても解けない問題なのですよ!
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