獲得された絶望感(盲人ウエカジ公式ブログ)

~網膜色素変性症と司法試験とモー娘。と・・・~

嗣永桃子(Berryz工房)が19歳になった。

2011-03-06 14:01:07 | モーニング娘。と私
「お母さんの思いで」
 6年3組  嗣永桃子

 幼い頃に父が亡くなり、母は再婚もせずに私を育ててくれた。学もなく、技術もなかった 母は、個人商店の手伝いみたいな仕事で生計を立てていた。それでも当時住んでいた 土地は、まだ人情が残っていたので、何とか母子二人で質素に暮らしていけた。

 娯楽をする余裕なんてなく、日曜日は母の手作りの弁当を持って、近所の河原とかに 遊びに行っていた。給料をもらった次の日曜日には、クリームパンとコーラを買ってくれた。

 ある日、母が勤め先からモーニング娘。のコンサートチケットを2枚もらってきた。私は生まれて初めての モーニング娘。コンサートに興奮し、母はいつもより少しだけ豪華な弁当を作ってくれた。

 会場に着き、チケットを見せて入ろうとすると、係員に止められた。母がもらったのは 招待券ではなく優待券だった。チケット売り場で一人1000円ずつ払ってチケットを買わ なければいけないと言われ、帰りの電車賃くらいしか持っていなかった私たちは、外の ベンチで弁当を食べて帰った。

電車の中で無言の母に「楽しかったよ」と言ったら、 母は「母ちゃん、バカでごめんね」と言って涙を少しこぼした。

 私は母につらい思いをさせた貧乏と無学がとことん嫌になって、一生懸命にレッスンをした。 キッズオーディションに合格し、映画で主役も張った。ZYXにも選ばれ、母にCDデビューを見せて やることもできた。

 そんな母が去年の暮れに亡くなった。死ぬ前に一度だけ目を覚まし、思い出したように 「コンサートごめんね」と言った。私は「楽しかったよ」と言おうとしたが、最後まで声にならなかった。


 
 桃子ももう19歳かぁ。おめでとう桃子!
コメント
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