獲得された絶望感(盲人ウエカジ @ウエカジハローセンター 公式ブログ)

~網膜色素変性症と司法試験とモー娘。と全盲ヘルパー事業所と・・・~

本 こんなヨフケにバナナかよ を録音図書で読んだ。

2024-12-13 17:44:19 | 網膜色素変性症と私
42歳


数年前に映画化もされたノンフィクション。こんなヨフケにバナナかよ。主演はオオイズミヨー。


その原作本を、視覚障害者用インターネット図書館、サピエ図書館からダウンロードして読んでみた。


ほんのタイトルからは、おもしろ障害者とヘルパーの珍道中、おもしろエピソードの話かとおもったら、それ以上の、青春群像劇だった。


シカノというキンジストロフィーの障害者が、施設から出て、ひとり暮らしをすることから物語ははじまる。今から30年以上前なので、まだ障害者総合支援法もなく、24時間介護が必要な障碍者は、施設か実家でくらすほかなかったそんな時代、シカノは、ひとり暮らしを決意する。


生活保護や障害年金をうけながら、ひとり暮らし。ヘルパーは、ほとんどが学生ボランティア。




障害者のノンフクション本としては、カニは横にあるくがあるけども、それよりも、さらに、障害者をとりまく、ボランティアヘルパーにたくさんインタビューをしてつくられた本。


ボランティアがなぜ、24時間介護が必要なおっさんの世話をするのか、ボランティアひとりひとりにも、そこにつながるストーリーがあり、とてもおもしろかった。逆に、主人公のシカノのエピソードよりも、ボランティアのエピソードのほうがメインになったかも。


でも、結局は、そんなボランティアをまわりにひきよせたのはシカノ本人。なので、ボランティアの物語も、シカノの物語といっていいだろう。


最後は、あっけなく、息をひきとるシカノ。でも、シカノの墓前には、ボランティア同士が結婚してできた赤ん坊の泣き声。ライフ イズ ビューティフル。


私は、シカノであり、赤ん坊でありたい。


そんなことを思った。


映画版のこんなよふけにバナなかよの、音声解説付き映画データ、シネマデイジー版も、サピエ図書館にあるので、ぜひ、見てみてね。
















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