伊藤たかみ「カンランシャ」
いつもと違う図書館で借りたので、帯がない。で、いつもの伊藤たかみさんをイメージして借りたら意外に違う感じだった。
1組の夫婦が崩壊していく話だけど、でもそこには新たな2組のカップルの誕生が同時に描かれてます。
社内結婚した夫婦、いずみと直樹。結婚後独立して東京から京都へ移り、また東京へ。
京都時代に派遣で使っていた女の子と浮気してしまう直樹。そしてその彼女、愛は、直樹を追って東京へ出てきてしまってます。
直樹の大学・職場での後輩隆一。妻とは2年別居中。原因は妻の浮気。
どちらの夫婦にも子供はいません。
そして妻と愛人の間でゆらゆら揺れる直樹は根が真面目で、二重生活に浸りきれてない。
隆一はいつしかいずみに惹かれてしまい、そして妻と正式離婚。
いずみは、夫と同じ事をすれば夫を許せるのかと思い、隆一と付き合いだす。
愛はなんとしても直樹を手に入れたい。
途中、直樹が重病に倒れ、「冷蔵庫の中身がカラになったら離婚届を冷蔵庫にマグネットで貼ろう」といういずみの計画はとん挫。最終的には意識を取り戻した直樹が事前に届けを用意していた事がわかり一件落着?
いずみのお腹には隆一との赤ちゃんが。
主役は誰なのかなあ。みんななのかな。観覧車というのは、直樹といずみが付き合いだすきっかけになったものです。
登場人物の心の動きが違和感なく感じ取れて、最後の決断は当然の帰結だなあ、と思いました。
途中、なるほどな、という記述もたくさんあって、「人生」の参考にもなったかな?
それにしても・・夫婦ってムズカシイ。所詮は他人だしね。そこを理解して生活しないとどんどん気持ちは乖離していきそう。
満足度90