読む日々

テーマばらばらの読書日記

恋ほおずき

2012-03-26 | 
諸田玲子「恋ほおずき」

大好きな作者の本だけど、しかも古そうだけど、初めて読んだ。

江戸。
妊婦の為の、まあ、堕胎が主な女医者 江与が主人公。
昔、辛い恋をして、それがきっかけで女医者になった。

そして、八丁堀の同心清之助。2人が出会い、偶然様々な事件を解決し、いつしか惹かれあって・・という物語。
身分違いの二人。最初、相いれない考え方だったのが、お互いを知ることで、反対の物の見方をどちらもできるようになる、その「お互いを成長させ合う」関係がいい。

「江与どののお陰で、この世には善悪では計れぬものがあるとわかった。」
「わたくしも津田様のお陰で、どんなことにも目をそむけてはならぬと教えられました。たとえ答えが出なくても、迷いが迷いのままにおわったとしても、 真摯に心に問うてみなければなりません。」
・・・・

「それにしてもぬかるみだらけだ」
「平坦な道などありませんね、どこもかしこも」
「尻餅をつこうが泥まみれになろうが、肚を据えれば怖るるに足らず。二人のことも、おれはそう思うている。江与どのも心に留めておいてもらいたい」

この284ページにキューンとしちゃった。
面白かったです。胸が痛くなったけど。

満足度120