読む日々

テーマばらばらの読書日記

カシオペアの丘で

2013-01-17 | 
重松清「カシオペアの丘で」上下巻


泣きたくて借りました。
期待を裏切らず、とことん泣かせてもらった(>_<)

北海道の真ん中の炭鉱の町で育った幼馴染み4人。男3人に紅一点。

4年生で、炭鉱跡の丘で見た星空。
カシオペアの丘と名付け、将来ここに遊園地が欲しいと話し合う。

5年生の時の事故で、トシは車椅子に。シュンは町を出て札幌へ。

30年がたち、夫婦となったトシとミッチョは。カシオペアの丘にできた遊園地で園長として働く夫と、地元の小学校で教師をする妻。
東京ではシュンが癌に侵されて。

そこに絡む、東京で映像の仕事をするもう1人の幼馴染み、ユウ。

カシオペアの遊園地で一年前時を過ごした幸せそうなある家族を襲った悲劇が、4人を再び結びつけ、そこからシュンの死までを追った物語。


なんだか盛りだくさんだけど、すんなりその世界に入っていけるし、様々な出来事が絡まって、人は生きているんだな、と言うことを感じました。

シュンの1人息子が四年生で、ミッチョの受け持つクラスも四年生。息子と被ってまずこのシチュエーションで泣けた。

そして、この本のテーマは「ゆるし」でした。他人を許す、自分を赦す、そんなお話。

ひとつ不満は、ミッチョはトシと結婚し、満たされている風な描写だけど、、わたしにはトシはあまり魅力的なところが感じられなかったところかな。

でもとにかく泣けます。

疎遠になっていた母が病室で、子供の頃の呼び方で呼ぶ場面。

シュンに対してユウが、
お前は死ぬけどこの世界に哲生を残した、それはとても幸せなこと、と思う場面。

誰かを好きになると、そのひとの全てが欲しくなる。けど、過去は手が届かない、とユウのモノローグ。

シュンが昔愛した女性である、ミッチョへの愛と、誰よりも深く愛する妻への愛の違いのさまざまな描写。

はぁ、
書ききれませんね。

満足度は100×2