友達が、知り合いから70cmくらいある「メジロ」をもらったらしい。
あまりの大きさゆえ
家のまな板には乗らないので困った挙句、
「エイ」で調理をしてもらうことになったので
ぜひ食べにおいでとお誘いをいただいた。
エイは、今は普通の赤提灯のお店ではあるが、
元はと言えば焼き鳥屋。
看板にも「焼き鳥 エイ」と書かれている。
そんなお店で「メジロを食べさせてもらうねん」
と言うと愛鳥家から
「メジロは保護鳥やで、
飼うのに都道府県知事の許可がいる鳥やのに食べるとはどういうことか!」
としかられるかも。
しかしそれはメジロ違い。
メジロはメジロでも、
今回食したのは魚のメジロです。
(第一、70cmもある鳥のメジロがおったらおそろしいで~)
寒風をついてチャリンコでエイへ行くと、
すでに友達がまさに乾杯しようとするところ。
「ちょっと待ったー」
(ネルトン風に。ふる~)
あわてて生を注文し着席したところに、
出てきたのは生中と大きな刺身。
乾杯をすませ、
話題は当然その魚の話になった。
その魚が獲れたのは「加太沖」であるとのこと。
鯛釣りに行って、たまたまかかった魚らしい。
たしか、メジロて出世魚やでなあ。
と僕がいうと、
みんなから次々に諸説が飛び出した。
それを紹介すると
①「メジロはハマチとブリの間や」
②「ブリの次がトドやろ。「トドのつまり」のあのトドや。」
③「ハマチの前はツバスや」。
④「ツバスとハマチの間がカンパチや」。
ではここで問題。
正解は何番でしょうか。
答えは①と③。
「とどのつまり」のトドはたしかに出世魚の最終形ではあるが、
これは
ハク→オボコ→スバシリ→イナ→ボラ→トドの系統。
④のカンパチは、
ブリの近縁種ではあるけど、種が違う。
関西では
ツバス→ハマチ→メジロ→ブリが正解。
ちなみにこのほか出世魚には
セイゴ→フッコ→スズキ→オオタロウの系統もある。
ランナーならさしずめ、
ジョガー→ランナー→マラソンランナー→ウルトラランナー?
それとも、
どしろうと→しろうと→愛好家→玄人→ベテラン→神様
なんていかがでしょうか。
話を元に戻して・・っと。

刺身は脂が乗って、
血合いの臭みもまったくない絶品。
生姜や大根と一緒に炊いたアラもコラーゲンたっぷりでした。
残った背骨を見ると、
2cmくらいの太さがあって、
これを見ただけでも魚の大きさが想像できた。
魚もやっぱり脊椎動物なんやあと思ってしまいましたね。
寒いせいか、客は僕らだけでしたが
途中から入ってきた男性が
「今日は僕の誕生日で、ワインをもらったからみなさんで分けて下さい」
と赤ワインを振舞ってくれた。
いい人だ!
僕らは総勢5名で
ハッピーバースデイを唱えてまたもや乾杯。
魚の脂でこってりした口にちょうどの
さっぱりワインでおいしかったあ。
さむ~い木枯らしの吹く夜でしたが、
エイは今夜もとってもあったかでした。