ドンドンこにしの備忘録

個人的な備忘録です。他意はありません。

「陰の季節」 横山秀夫読了!

2016年02月11日 15時03分00秒 | 作家 や行
陰の季節 (文春文庫) 2016.2.11読了。
横山 秀夫 (著)

警察一家の要となる人事担当の二渡真治は、天下り先ポストに固執する大物OBの説得にあたる。にべもなく撥ねつけられた二渡が周囲を探るうち、ある未解決事件が浮かび上がってきた…。「まったく新しい警察小説の誕生!」と選考委員の激賞を浴びた第5回松本清張賞受賞作を表題作とするD県警シリーズ第1弾。




D県警シリーズの第1段。
ちなみに「64」はこのD県警シリーズの第4段ということになる。
人事を担当する部署から見た警察内部を描く。
よって、警察ではあるが、内勤の人間が主役とされる。
短編だが、それぞれの話に謎解きが用意されそして解決していく。
さすがに文章はこなれていて、ストーリー展開もそつがないが、
結局は、警察内部の「保身」に重点が置かれ、
読み手にとってはどうも感情移入しにくいんのではないだろうか?…6点。

「ボトルネック」 米澤穂信 読了!

2015年12月01日 16時40分22秒 | 作家 や行
ボトルネック (新潮文庫) 2015.12.01読了。
米澤 穂信 (著)

亡くなった恋人を追悼するため東尋坊を訪れていたぼくは、何かに誘われるように断崖から墜落した……はずだった。ところが気がつくと見慣れた金沢の街にいる。不可解な思いで自宅へ戻ったぼくを迎えたのは、見知らぬ「姉」。もしやここでは、ぼくは「生まれなかった」人間なのか。世界のすべてと折り合えず、自分に対して臆病。そんな「若さ」の影を描き切る、青春ミステリの金字塔。



自分が生きていた世界と、自分が存在せず、そして生まれなかったはずの姉が生まれていた世界。
その二つの世界を否応なく体験しなくてはならなくなった主人公。
姉の世界の方は、自分がいた世界よりも、周りの人々は幸せになり、環境も改善され、良い事ばかりが目に付く主人公。
そして二つの世界の差は、主人公が生まれていたか、姉が生まれていたか、それしかないのだと悟り、落ち込む主人公。ってお話。
おっさんぐらいになると、そんなことじゃ、落ち込まねーよ。
響きませんし。動じません。
ラストも好きじゃないし。
だいたい、青春ミステリーとか学園ミステリーとかあたったことないんだよ(最初から読むなよ)。…5点。

「謀殺の構図」 本能寺の変異聞 山田 遼 読了!

2015年11月15日 20時52分58秒 | 作家 や行
謀殺の構図 本能寺の変異聞 文芸社文庫 2015.11.15読了
山田 遼 (著)

諸説、様々な解釈が入り乱れる歴史の闇を貫くものは何か……。事件は突発事件か、用意周到な謀略か……。首謀者はいるのか……。恩恵を受けたのは果たして誰か……。常に織田軍団の中枢にいた腹心の部下、光秀が、突然、叛逆に踏み切ったのは何故か。単なる私怨や感情問題で片付けるのは無理だ。複雑に入り組んだ背景があったに違いない。数多い「本能寺もの」に一石を投ずる!



本能寺ものは好きでかなり読んでいる。
どうして本能寺の変なんてものが起こったのか不思議でならない私としては、
本能寺ものに「誰か私にどうして起こったのか教えてよ」って思って読み始める。
本書はその答えはいちお出してくれている。
(こういうのはネタバレしないように書くのは難しい)
そういう理由なら納得できると思ったのだが…。
が、しかしである。
これだけ、大掛かりな陣営がからみ、
それをまとめて静々と計画を緻密に進めるとなると、
そちらの方が今度は至難の業。
大雑把な筋書き的には、その通り進むだろうが
計画が大掛かり過ぎて、どこかで必ず、破綻すると思う。
かかわっている人間が多ければ多いほど、秘密も漏洩しやすいものだからだ。
当時、天下人であった信長が独自に強力な情報網を持っていただろうし、
寝返る人間も、出てこようというものだ。

まあ、その辺はとりあえず置いといて、
この小説、小説として面白くない(ぼそっ)。…5点。

「無人島、不食130日」 山田 鷹夫 読了!

2015年07月20日 17時12分49秒 | 作家 や行
「無人島、不食130日」 単行本 山田 鷹夫 (著)  2015.7.13読了 。

沖縄の無人島・内離島(うちばなりじま)での130日におよぶ不食実験で見えてきたものとは?

10年前に刊行された衝撃の書『人は食べなくても生きられる(不食)』の巻末で著者はこう宣言しています。
「公開実験を提案しておこう。だれでもわかる、不食を証明する方法がないか。1カ月、あるいは100日を無人島で何も持たずに、食糧もなしに暮らすというのはどうか」
ちょうど10年を経て、今年の4月2日から130日にわたって、西表島からボートで15分の無人島「内離島」において行なわれた「不食実験」の全貌をレポートします。
4月2日、外離島到着
4月5日、内離島へ渡る。テント設営
4月7日、内離島を3時間かけて一周
4月8日、不食6日目、頭が空っぽで何も考えられない
4月11日、ハリセンボンを捕らえる
4月14日、全身にジンマシンが出る!
……130日間の無人島生活の全貌
本書にあるのは単に無人島の冒険談ではない。現代生活とはまったく対極なる生き方を提示している。
「食べるものがない」「お金がない」、さらにいえば「やることがない」「助けてくれる人がいない」という暮らしは本当につまらなく、不幸なことであるのか?
無人島暮らしはいったいどんなものであるかということは、皆さんの現代生活を見直す視点と刺激を与えるだろう。




この方、いつもおっしゃっているんで、「食べてもいいし、食べなくてもいい。」って、でも、本のタイトルに「不食」って。
なんか、すごい食べちゃってますが…。
不食者とは「人は食べなくても生きられる」ということを知っている者をいうのだそうです…6点


「不食実践ノート―食べずに暮らす人たちの記録」 山田 鷹夫 読了!

2015年06月30日 22時43分59秒 | 作家 や行
「不食実践ノート―食べずに暮らす人たちの記録」 単行本 山田 鷹夫 (著)  2015.6.30読了 。

人は勘違いをしている。食べるから元気が出ると思いこんでいる。ところが、それは大間違いだった。そんな馬鹿なと思うのであるならば、不食にチャレンジしてみるとわかる。食が変わればすべてが変わるのだ。それであなたの世界は一変する。

人は食べるから疲れる、食べるから老いる、食べるから病気になる。疲れず、老いず、病気にならないためには食べなければいい。体験者の実践レポートやメソッドを通して、魅惑の「不食世界」を紹介する。



人は、食べなくても生きていけるんだということに驚く。
そして、それがなんとなく納得できてしまう。(ここに書いてあることが嘘でなければね)
なんか常識っていうのはなんなんだろうね? 
しかし、いざ、自分でやれそうかというと、それはまったく自信がない。
酒やタバコでさえやめられないんだから…。6点。

「甲賀忍法帖 山田風太郎忍法帖(1)」 山田 風太郎 読了!

2015年04月14日 23時00分55秒 | 作家 や行
「甲賀忍法帖 山田風太郎忍法帖(1)」 [講談社文庫] 山田 風太郎 (著)  2015.4.14読了 。

家康の秘命をうけ、徳川三代将軍の座をかけて争う、甲賀・伊賀の精鋭忍者各10名。官能の極致で男を殺す忍者あり、美肉で男をからめとる吸血くの一あり。400年の禁制を解き放たれた甲賀・伊賀の忍者が死を賭し、秘術の限りを尽し、戦慄の死闘をくり展げる艶(えん)なる地獄相。恐るべし風太郎忍法、空前絶後の面白さ!

私は明らかにハマっていた。風太郎の世界に一網打尽にからめ取られた。――浅田次郎


なんか、むかし読んだときはもっと面白かったような。…6点。

「キッチン」 吉本 ばなな 読了!

2015年03月25日 01時55分53秒 | 作家 や行
「キッチン」 [角川文庫] 吉本 ばなな (著)  2015.3.22読了 。

家族という、確かにあったものが年月の中でひとりひとり減っていって、自分がひとりここにいるのだと、ふと思い出すと目の前にあるものがすべて、うそに見えてくる―。唯一の肉親の祖母を亡くしたみかげが、祖母と仲の良かった雄一とその母(実は父親)の家に同居する。日々のくらしの中、何気ない二人の優しさにみかげは孤独な心を和ませていくのだが…。世界二十五国で翻訳され、読みつがれる永遠のベスト・セラー小説。泉鏡花文学賞受賞。


なんか、今更だけど読んでみた。なんだろうな、雰囲気で読ませるというか、そっとそばになにげにいるよっていう文章。感動するんじゃなくて、じわっと心にしみこんでくるような感じ。でももっと俺は刺激が欲しい。…6点。

「一匹羊」 山本 幸久 読了!

2014年06月10日 20時58分05秒 | 作家 や行
「一匹羊」[光文社文庫] 山本 幸久 (著)  2014.6.6読了 。

縫製工場で働く大神は、受注した制服のデザインを盗作ではないかと疑うが、指摘できずにいた。ある日、職場体験に来た中学生キクチと触れ合ううち、事なかれ主義になっていた自分に気づく。俺はいつからこうなった?自問する大神の中で、何かが少しずつ変わっていく…(「一匹羊」)。職場で、家庭で、小さな町で。新しい一歩を踏み出す人々を描く、傑作短編集。


「一匹羊」って本のタイトル、いいよねぇ~。
そんな中「狼なんてこわくない」が、いいかなぁ。…5点。(まあ、短編だし)


「嫌われ松子の一生」(上・下) 山田 宗樹 読了!

2014年03月17日 16時32分10秒 | 作家 や行
「嫌われ松子の一生」(上・下) [幻冬舎文庫] 山田 宗樹 (著) 2014.3.14読了 。

30年前、中学教師だった松子はある事件で馘首され故郷から失踪する。そこから彼女の転落し続ける人生が始まった__。一人の女性の生涯を通して愛と人生の光と影を炙り出す感動ミステリ巨編。


おもしろかったし、悲しかった。
普通、そんなことしないだろ? なんだけど、やっちゃうんだろうなこの人だったらっていうことで無理めなストーリーも納得できるから不思議。善悪や、常識を超え、愛のみを欲した主人公。自分に向けられる愛しか興味ないんだもんなあ。最後、やっぱり悲惨だったなあ。…9点。

●私はここで泣けました。
龍さんが出所するのを生きがいにずーと待ってるんだけど、出所の日にその場から逃げられる。悲しすぎる。朝食に和牛のステーキも用意していたのにぃ…。

「黒い春 」 山田 宗樹 読了!

2014年02月21日 21時35分46秒 | 作家 や行
「黒い春 」 [幻冬舎文庫] 山田 宗樹 (著)  2014.2.21読了 。

覚醒剤中毒死を疑われ監察医務院に運び込まれた遺体から未知の黒色胞子が発見された。そして翌年の五月、口から黒い粉を撤き散らしながら絶命する黒手病の犠牲者が全国各地で続出。対応策を発見できない厚生省だったが、一人の歴史研究家に辿り着き解決の端緒を掴む。そして人類の命運を賭けた闘いが始まった―。傑作エンタテインメント巨編。


ウイルスパニック小説なんだろうなぁと思って読みはじめ、知らぬうちに伝奇謎解きものに、はたまた夫婦をめぐる愛情、勇気や友情のヒューマンものに。でもやっぱりこの小説の肝は後半の主題、愛するものを失いそうになっているとき、愛する者との別れが確実に近づいてくるとき、人はどのように生きていったらいいのか? そんな時に、前向きにひたむきに時間と運命に立ち向かえる強さがほしいと思えました。…8点。

ただ、ストーリー的には尻切れトンボなんだよなぁ。どうなるんだろうなぁ、ここから。