ドンドンこにしの備忘録

個人的な備忘録です。他意はありません。

「夏の吐息」 小池真理子

2021年02月22日 22時12分59秒 | 作家 か行
夏の吐息 (講談社文庫) 2021.2.22読了。
小池 真理子 (著)

永遠に待ち続けると思うのです。世界のどこに行っても、地の果てにいても、私はあなたを待っている。――6年前、突如行方が分からなくなった恋人を待つ女性のモノローグからなる表題作他、濃厚な死の影の間近で紡がれる詩情。著者自ら「この六編を超える作品はもう書けないかもしれない」と語る傑作短編集。



「秘めごと」「月の光」「パロール」「夏の吐息」「上海にて」「春爛漫」の6編からなる短編集。
小池さんがこれを超える作品はもう書けないかどうかはわからないですが、どれも完成された短編。
愛と性、そして死。どうしてこんなに美しい文章が書けるんだろう。7点。

「ふたりの季節」 小池真理子

2021年02月16日 22時24分46秒 | 作家 か行
ふたりの季節 (幻冬舎文庫) 2021.2.15読了。
小池 真理子 (著)

なぜ、私たちは別れたのだろう――。家事と子育てを卒業し、久し振りに自由で穏やかな日々を過ごしていた由香。たまたま立ち寄ったカフェで、昔の恋人・拓と再会する。未来への不安、親や社会への反発、抑えきれない互いへの想い。共に過ごした高校最後の夏が一瞬にして蘇り……。三十年の歳月を経て、再び出会った男女の切なくも甘い恋愛小説。


大人の感傷、そんなものさえ、遠く思える今日この頃。なんか美しいなぁこの小説。6点。

「暗殺者の鎮魂」 マーク・グリーニー 読了!

2020年03月20日 16時03分31秒 | 作家 か行
暗殺者の鎮魂 (ハヤカワ文庫NV) 2020.3.19読了。
マーク・グリーニー (著), 伏見 威蕃 (翻訳)

CIAをはじめ幾多の勢力から追われる身となった“グレイマン(人目につかない男)”と呼ばれる暗殺者ジェントリー。彼はアマゾンの奥地に潜伏していたが、密かに追跡していた男が居所を突き止め、戦闘チームに襲撃させた。グレイマンは反撃する。その後彼はメキシコ湾岸へ向かうが、途上で命の恩人の死を知り、メキシコの町に墓参に訪れる。だがそこで、麻薬カルテルと戦うことに!迫力溢れる出色の冒険アクション。グレイマン・シリーズ。



グレイマンシリーズも第3弾となりましたが、またしても、お人好し全開のグレイマン。しかもお人好し度がどんどん上がっていく。しかもしかも、命がけで助けた女には、さっさと信仰を選ばれて捨てられる始末、情けなし。もうこうなると、どこが超一流の暗殺者なんだかわからないね。超一流のお人好しであることは間違いないのだが…。もうちょっとビシッとしてくれんかな。…6点。

「暗殺者の正義」 マーク・グリーニー 読了!

2020年03月06日 16時58分32秒 | 作家 か行
暗殺者の正義 (ハヤカワ文庫 NV) 2020.3.6読了。
マーク・グリーニー (著), 伏見 威蕃 (翻訳)

“グレイマン(人目につかない男)"と呼ばれる暗殺者ジェントリーは、ロシア・マフィアから、悪名高いスーダンの大統領の暗殺を依頼された。だがCIA時代の上官が現われ、意外な提案をする。大統領を暗殺するふりをして拉致せよ。成功すれば、今後命を狙うことはないというのだ。彼はロシア・マフィアの依頼を受けたように見せかけてスーダンに赴くが、次々と思わぬ事態が! 『暗殺者グレイマン』に続く傑作冒険アクション



このシリーズしか、読みたくなくなった。
今回も面白かったが、ほんの良心から変な女を助けて、メインのストーリーから脱線するのはいただけんなぁ~。これじゃーセミプロだよな。矛盾は見なかったことにする類の小説だが世界最高峰のプロの暗殺者にしてはお人好しすぎる。人道的世界貢献とかしてるし。前作よりグレードダウン。…7点。

「暗殺者グレイマン」 マーク・グリーニー 読了!

2020年02月21日 21時15分57秒 | 作家 か行
暗殺者グレイマン (ハヤカワ文庫 NV) 2020.2.21読了。
マーク・グリーニー (著), 伏見 威蕃 (翻訳)

身を隠すのが巧みで、“グレイマン(人目につかない男)"と呼ばれる凄腕の暗殺者ジェントリー。CIAの特殊活動部に属していた彼は、突然解雇され命を狙われ始めたが、追跡を逃れて今は民間警備会社の経営者から暗殺の仕事を受けている。だがナイジェリアの大臣を暗殺したため、兄の大統領が復讐を決意、やがて様々な国の暗殺チームがグレイマンを標的とする死のレースを開始した! 熾烈な戦闘が連続する冒険アクション小説。



いやー、面白かったわ。あまりにも他の方の書評が良いもんだから、だまされたと思って読んだら、大当たりだった。しかも、シリーズ物だし、これからの楽しみが一つ増えました。
ま、とは言っても、苦手な翻訳ものだし、かなりのご都合主義。だがしかし、ご都合がなければあんな相手に一人で戦えないよね。なんとも言えない主人公のキャラクターがいいし、疾走するようなスピード感もいい。気持ちよく本の中に没入させていただきました。このシリーズ全部読むでしょ。…8点。



「謀略のステルス艇を追撃せよ!」(上・下)クライブ・カッスラー 読了!

2020年02月05日 15時37分01秒 | 作家 か行
謀略のステルス艇を追撃せよ! 上・下 (扶桑社ミステリー) 2020.2.4読了。
クライブ・カッスラー&ジャック・ダブラル (著)

外見は老朽化した定期貨物船だが、じつはハイテク装備を満載した秘密工作船オレゴン号。男気あふれるカブリーヨ船長の指揮のもと、精鋭の乗組員とともに、オレゴン号は世界を股にかけ、幾多の危機を切り抜けてきた。そしてカブリーヨはいま、決死の作戦に身を投じようとしていた。悪辣なロシア海軍提督によって、極寒のシベリアの監獄にとらわれている旧友を救出しようというのだ。しかし、そこは海軍提督の支配下に置かれた難攻不落の要塞だった!「現代の騎士」カブリーヨ、颯爽と登場。



久しぶりのカッスラー様。まあ面白いことは面白いんだけど、なんだろな、なんかもの足りないんだよな。
初期のころの作品とは比べようもないような。
あの時空と世界を一瞬にして飛び越えていくエンターテイメント感は他に読んだことがなかった。それに終盤に向かっての見事な伏線の回収。主人公のダークピットも魅力的だった。夢中になって読んだ。
そのころの作品と比べてしまうとやっぱり数段落ちるんじゃないだろうか。しかも、クライブ・カッスラー&ジャック・ダブラル (著)ってなっているし(謎)。ほんとはカッスラー様書いてないんじゃないのか?知らんけど。…5点。

「危険な食卓」小池真理子 読了!

2019年11月15日 20時40分00秒 | 作家 か行
危険な食卓 (集英社文庫) 2019.11.15読了。
小池 真理子 (著)

健康至上主義の妻と美食家の夫の晩餐は、殺意が隠し味の特別料理。(『危険な食卓』)がさつな嫁に耐える姑の、穏やかな顔の下にある、もうひとつの顔。(『天使の棲む家』)妻と夫、姑と嫁、同窓生など、ごく普通の人々の、ありふれた日常に芽生える小さな悪意、裏切りの予感、殺意の兆し。人間の心理を、恐怖というスパイスをきかせて鮮やかに料理した極上のメニュー8編。



「囚われて」「同窓の女」「路地裏の家」「姥捨ての街」「天使の棲む家」「花火」「鍵老人」「危険な食卓」からなる短編集。
どの短編もすばらしい完成度。プロットがいいし、伏線の回収も見事、短いストーリーの中にアッというオチも盛り込んで、やっぱ小池様短編もうまいですね。…7点。

「天獄と地国」 小林泰三 読了!

2019年05月07日 19時38分59秒 | 作家 か行
天獄と地国 (ハヤカワ文庫JA) 2019.5.7読了。
小林 泰三 (著)

頭上に地面、足下に星空が広がる世界。人々は僅かな資源を分け合い村に暮らしていた。村に住めない者たちは「空賊」となり村々から資源を掠め取るか、空賊の取りこぼしを目当てに彷徨う「落穂拾い」になるしかない。世界の果てにもっと人間の暮らしやすい別天地があると確信した、落穂拾い四人組のリーダー・カムロギは、多くの敵と生き残りを賭けた戦いを繰り返し、楽園をめざす旅を続ける―。傑作短篇の長篇化完全版。



軽い感じの正統なSF。
でもやっぱり、ぐちゃぐちゃだったり、べとべとだったり。
グロクても、世界観はいい。…6点。

「スローなブギにしてくれ」片岡義男 読了!

2019年04月08日 16時44分54秒 | 作家 か行
スローなブギにしてくれ (角川文庫) 2019.4.5読了。
片岡 義男 (著)

あらすじがアマゾンにもない!

「スローなブギにしてくれ」
「モンスター・ライド」
「ハートブレイクなんて、へっちゃら」
「ひどい雨が降ってきた」
「青春の荒野ってやつ」


40年ぶりかな? 再読。
当時は頭使って読んでなかったんだろうけど、
お洒落な感じの軽い小説ぐらいにしか思ってなかった、
再度読んでみて全然印象が違った。
結構深いし、しかもこれはれっきとしたハードボイルド小説だし。
18歳ぐらいの小僧にはそんなことも読み取れなかったんだなぁと。
しかし、ありったけタバコと酒とバイクだなぁ~。なんかいいなぁ~。
当時の自分にはどれもなくてはならなかったもの。
そして、今は全部手放してしまったもの…。
再読してよかった、面白かった。…8点。

「健康診断という「病」」 亀田高志 読了!

2018年07月20日 21時38分46秒 | 作家 か行
健康診断という「病」 日経プレミアシリーズ新書 2018.7.19読了。
亀田 高志 (著)

飲酒量のウソは必ずバレる?がんは見つけられない?大人になっても、なぜ毎年身長を測るのか―20年以上前から産業医として勤務した著者が、現場で直面した様々なエピソードとともに、働く人にとっての真の健康や元気のためのヒントを紹介。




健康診断という「病」というタイトルからして、もっと過激な内容を期待したが、普通の産業医の経験を書いた本でした。…5点。