ドンドンこにしの備忘録

個人的な備忘録です。他意はありません。

「アルコール依存症がよくわかる本」小杉好弘 読了!

2018年07月02日 16時40分54秒 | 作家 か行
アルコール依存症がよくわかる本―正しい理解と回復のための68ケース 単行本 2018.7.2読了。
小杉 好弘 (著)

飲まずにはいられない…。どうしてもやめられない…。やめると言っていたのに…。アルコール依存症といわれる人の思い、家族がすべきことなどを、事例を通してわかりやすく解説。アルコール問題に困っている本人・家族、依存症にかかわる援助職に役立つ情報が満載の一冊です。




多くの実例を紹介しながら、その他コラムや豆知識なども掲載。アルコール依存症の人だけでなく、家族や、ケースワーカーなどアルコール依存症にかかわる人すべてが勉強になると思います。これを読むと「アルコール依存症」という病気が、ひとすじなわではいかないということがよくわかります。…7点。

「危ない呑み方・正しい呑み方」 仮屋暢聡【再】読了!

2018年06月29日 20時18分21秒 | 作家 か行
危ない呑み方・正しい呑み方 (マイコミ新書) 2018.6.29読了。
仮屋 暢聡 (著)

「毎日お酒を飲んでいるけれど、健康診断で肝臓の値は正常な範囲内。だからまだまだ大丈夫」。そう考えているあなたは危険かもしれません。肝臓にダメージがなくても、アルコールはあなたの脳を蝕んでいくのです。深酒して記憶が飛んだ…、これはもう黄色信号。脳の記憶を司る海馬がアルコールによって萎縮している可能性があります。それはやがてあなたの心を壊し、大切な家族を壊し、アルコール性認知症の発症、そして死という悲劇を招きかねません。精神科医として膨大な数のアルコール依存症患者を診察・治療してきた筆者が、アルコールの知られざる危険性を警告します。



肝臓は大丈夫でも、脳は壊れる。脳は脂質でできているから、アルコールで溶ける。ギャー!って感じです。読むのが2度目でも。
まあよくある「ブラックアウト」。大酒飲みなら経験あるはずなんだけど、実は、これ、すんごく怖いことだったんですよ。それをわからせてくれる本です。酒を飲むのってリスキー過ぎる。…6点。

「室町無頼」 垣根涼介読了!

2017年07月06日 22時20分31秒 | 作家 か行
室町無頼 単行本 2017.7.5読了。
垣根 涼介 (著)

腐りきった世を変えてやる。前代未聞のたくらみを一本の六尺棒で。超絶クールな大傑作エンタテインメント。応仁の乱前夜、富める者の勝手し放題でかつてなく飢える者に溢れ返った京の都。ならず者の頭目ながら骨皮道賢は権力側に食い込んで市中警護役を任され、浮浪の徒・蓮田兵衛は、ひとり生き残った用心棒を兵法者に仕立てようとし、近江の古老に預けた。兵衛は飢民を糾合し、日本史に悪名を刻む企てを画策していた……。史実に基づく歴史巨篇。



応仁の乱以前の室町時代はなかなか小説の舞台として描かれていない。まずは、時代背景が興味深い。そして、垣根さんの小説(過去読んでおもしろかったやつ)はどれもそうだけど、登場人物がみんな実にかっこいいんだよね。かっこいいあげくに爽やか。時代小説だけど、ワイルド・ソウルやヒートアイランド的な小説。この手は面白いね。ほとんど一気読みでした、厚い本なんだけどね。…8点。

「愛の夢とか」 川上 未映子読了!

2017年06月13日 17時20分33秒 | 作家 か行
愛の夢とか (講談社文庫) 2017.6.13読了。
川上 未映子 (著)

あのとき、ふたりが世界のすべてになった――。ピアノの音に誘われて始まった女どうしの交流を描く表題作「愛の夢とか」。別れた恋人との約束の植物園に向かう「日曜日はどこへ」他、なにげない日常の中でささやかな光を放つ瞬間を美しい言葉で綴る。谷崎潤一郎賞受賞作。収録作:アイスクリーム熱/愛の夢とか/いちご畑が永遠につづいてゆくのだから/日曜日はどこへ/三月の毛糸/お花畑自身/十三月怪談



すいません、文体があいません。
途中頓挫しそうになりながら、皆さんのレビューを頼りに、最後の「十三月怪談」まで読み進み、やっぱだめだったわ。自分の今までの体験的文章に対する好き嫌いを素直に信じていれば、冒頭の1編でやめていたものを。…3点。

「次の時代を、先に生きる。」 - まだ成長しなければ、ダメだと思っている君へ - 髙坂 勝読了!

2017年04月07日 22時39分39秒 | 作家 か行
次の時代を、先に生きる。 - まだ成長しなければ、ダメだと思っている君へ - 2017.4.7読了。
髙坂 勝 (著)

もう、やめよう。できもしない成長を目指す、無理ながんばりをやめて、幸せこそを目指そう。経済成長なんてクソ喰らえ。その神話から、イデオロギーから脱出しよう。今までの暮らしを、Re Lifeし、働き方を、Re Workし、人生を、Re designする時が来ている。ただ消耗させられる「消費者」から、仕事も、食べ物も、住まいも、エネルギーも自ら創り上げる「クリエイター」へ。 次の時代を、先に生き始める君が、今迷う誰かの未来になる。時代を変えてゆく一人になる。「減速して自由に生きる ダウンシフターズ」の髙坂勝が送る、新たな経済と人生の教科書となる1冊。



経済成長すれば問題が解決し、みんなが幸せになるという誤った常識を、覆してくれる本。
これからは経済成長できないし、そもそも経済成長など必要ない。経済成長をめざすからすべての不幸が生まれているということをこの本に教えてもらったよ。わかりやすくて、納得できた。…7点。

「リプレイ」 ケン・グリムウッド読了!

2017年03月22日 22時12分34秒 | 作家 か行
「リプレイ」 (新潮文庫) 2017.3.22読了。
ケン・グリムウッド (著), 杉山 高之 (翻訳)

ニューヨークの小さなラジオ局で、ニュース・ディレクターをしているジェフは、43歳の秋に死亡した。気がつくと学生寮にいて、どうやら18歳に逆戻りしたらしい。記憶と知識は元のまま、身体は25年前のもの。株も競馬も思いのまま、彼は大金持に。が、再び同日同時刻に死亡。気がつくと、また――。人生をもう一度やり直せたら、という窮極の夢を実現した男の、意外な、意外な人生。



人生を何度もやり直せるのはすばらしいことではないか。読む前はそう思っていた。
でも、何度も人生を構築し、そしてある年齢になると規則正しく死亡し、また人生途中に生き返り、やり直し。
幸福な人生、お金を持ち、伴侶にも恵まれ、子どもをもうけ、満ち足りた生活、でも、その人生も半ばでまたリプレイ。
しかもその記憶を持ったまま、また途中からやり直し、その無力感、喪失感。
こうなるともう拷問。死ねないことが恨めしくなる。
その繰り返しで、いったいどんな結末をもってくるんだろうと思って読んでいたが、結末に至るストーリー展開の巧みさにはうならされた。
翻訳がもっと華麗な筆致だったらもっと良かったのに。…8点。

「貧乏という生き方」 川上卓也読了!

2017年03月01日 10時47分22秒 | 作家 か行
貧乏という生き方 単行本  2017.2.28読了。
川上 卓也 (著)

「なんでもかんでもお金で簡単にすませる。そんな生活を支えるために仕事をするのでは、寂しいんです。大切なものを失っていくのです。お金で手に入れた便利で快適な生活の中で、ただ生きるだけでは切ないんです」――著者渾身の思いがほとばしる珠玉のエッセイ。



何が豊かさで、何が幸せなのか?よーく考えてみたくなった。
貧乏を極めれば、貧乏道に至るのかも知れない。
貧乏と貧乏臭いは、似て異なるものというのがよくわかる。
貧乏臭い思考を改め、自分のけち臭さも、貧乏道の域まで高めなければなるまい。
こんな不安と閉塞感満載の時代をそれでも心豊かに生きるための道にも通じる。…7点。

「光秀の定理」 垣根涼介読了!

2017年02月22日 18時34分02秒 | 作家 か行
光秀の定理 (角川文庫) 2017.2.21読了。
垣根 涼介 (著)

厳然たる「定理」が歴史と人生を解き明かす、全く新しい歴史小説が誕生!
明智光秀はなぜ瞬く間に出世し、信長と相前後して滅びたのか――。
厳然たる「定理」が解き明かす、乱世と人間の本質。
各界絶賛の全く新しい歴史小説、ここに誕生!
永禄3(1560)年の京。
牢人中の明智光秀は、若き兵法者の新九郎、辻博打を行う破戒僧・愚息と運命の出会いを果たす。
光秀は幕臣となった後も二人と交流を続ける。やがて織田信長に仕えた光秀は、初陣で長光寺城攻めを命じられた。
敵の戦略に焦る中、愚息が得意とした「四つの椀」の博打を思い出すが――。
何故、人は必死に生きながらも、滅びゆく者と生き延びる者に分かれるのか。
革命的歴史小説、待望の文庫化!



垣根さんは大好きな作家さん。歴史小説を書かせても、やはりうまいし、一気に読まされた。しかし、四つの碗の定理を城攻めに流用するくだりは、いかにもという展開でしらけた。本能寺物の新解釈ではあるが、どうもいまいち腑に落ちないかなぁ~。でも、ここで光秀は良い人、優しい人として描かれている。しかも、根は弱く、奥さんを亡くして生きる希望を失っている。それならば、この解釈、万民のために魔王信長を道連れにした壮大な自殺だったんじゃなかろうかとも思えてくる。あと、前半と後半であまりにも物語りの密度が違い過ぎる。垣根さんの作品にしてはイマイチかな、次作の歴史物に期待します。…6点。

「エデン」 五條 瑛読了!

2016年12月01日 23時20分44秒 | 作家 か行
エデン (文春文庫)  2016.12.1読了。
五條 瑛 (著)

新宿のスラムで育った亞宮柾人は、ストリートギャング同士の抗争で逮補され、矯正施設に送られる。だがK七号施設と呼ばれるそこは、政治・思想犯専用の刑務所だった。囚人による自治が認められ、一見、自由で新しい施設だが、柾人は陰謀のにおいを感じ、真相に迫ろうとする。思想と信仰の危うさに迫るノンストップ近未来サスペンス。



あらすじ的にはもっと面白いかと思ったが、期待はずれ。
展開が単調、ありえないことの連続で真実味がない、落ちがわかる、ラストがわざとらしい。
やっとこさ読了。
この作家さんはこんなもんじゃないと思うけど。…4点。

「よるのふくらみ」 窪美澄読了!

2016年11月08日 23時48分37秒 | 作家 か行
よるのふくらみ (新潮文庫) 2016.11.8読了。
窪 美澄 (著)

同じ商店街で幼なじみとして育ったみひろと、圭祐、裕太の兄弟。圭祐と同棲しているみひろは、長い間セックスがないことに悩み、そんな自分に嫌悪感を抱いていた。みひろに惹かれている弟の裕太は、二人がうまくいっていないことに感づいていたが――。抑えきれない衝動、忘れられない記憶、断ち切れない恋情。交錯する三人の想いと、熱を孕んだ欲望とが溶け合う、究極の恋愛小説。



ありがちな恋愛ものかとおもいきや、普通の善人の生きていればきれいごとだけでは済まない負の感情っていう部分を丁寧かつリアルに、そしてちょっと前向きに描き、読み終わるとちょっと元気になる気がする小説。ってどんなんや?…6.5点。