ドンドンこにしの備忘録

個人的な備忘録です。他意はありません。

「美しき一日の終わり」 有吉 玉青 読了!

2013年04月30日 14時12分31秒 | 作家 あ行
「美しき一日の終わり」(単行本)  有吉 玉青 (著) 2013.4.29読了。

ある日父が弟を連れてきた。父が愛人に生ませた少年は秋雨と名乗り、美妙より八つ年下の異母弟である。実母を失くしてから希望を捨て孤独をつらぬく秋雨と、彼への思いを心の奥底に秘め生きてゆく美妙。二人は、住む人の無いかつて暮らした家で、会うことを決めていた。二人は庭を眺め、過去に思いをめぐらし、互いの来し方を語り合う。悲しいまでにひたむきに生きた男と、忍ぶ思いを持ち続けた女のすべてを、この一日に。


おもしろかった。一晩で読むつもりなかったのにページをめくる手が止められなかった。
まさに「美しき一日の終わり」とは、二人の人生の終焉を意味しているわけです…8点。

「戦国鬼譚 惨」 伊東 潤 読了!

2013年04月30日 13時52分12秒 | 作家 あ行
「戦国鬼譚 惨」(講談社文庫)  伊東 潤 (著) 2013.4.26読了。

人を欺けば謀られ、人を信じれば殺される。木曾谷の治世をめぐり反目する木曾家当主の義昌と弟の義豊。武田に殉じるか織田へ寝返るか――谷間に常と変らぬ春が訪れたとき、兄弟は慟哭の中で身悶えしなければならなかった。武田家滅亡が招いた鬼哭啾啾を活写し、極点での人間の本性を炙り出した傑作戦国絵巻5 編。 「遂に伊東潤が文句のつけようのない傑作をものした」――文芸評論家・縄田一男(講談社文庫)


木曽義昌、下條頼安、武田逍遙軒、仁科盛信、穴山梅雪を主人公に、武田家の滅亡をそれぞれの視点から描く連作。このあたりを主人公にもってくるところがアレですね。しかし、人の業というものは…。つくづくアレですね。…6点。