ドンドンこにしの備忘録

個人的な備忘録です。他意はありません。

「掏摸(スリ)」 中村文則読了!

2016年02月10日 16時02分29秒 | 作家 な行
掏摸(スリ) (河出文庫) 2016.2.10読了。
中村 文則 (著)

東京を仕事場にする天才スリ師。
ある日、彼は「最悪」の男と再会する。男の名は木崎、かつて仕事をともにした闇社会に生きる男。木崎は彼に、こう囁いた。
「これから三つの仕事をこなせ。失敗すれば、お前を殺す。逃げれば、あの女と子供を殺す」
----運命とはなにか、他人の人生を支配するとはどういうことなのか。
そして、社会から外れた人々の切なる祈りとは……。大江健三郎賞受賞作にして、LAタイムズ文学賞候補作、アメリカ「ウォール・ストリート・ジャーナル」2012年ベスト10小説、アメリカ・Amazonのbest books of the month(March)に選ばれたベストセラーがついに文庫化。



中村文則さんの小説、初読みです。
文体に個性があり、雰囲気がある。うまいとは思わないが、人を惹きつける文章だ。
人の描き方も、薄く、曖昧な書き方で、人物造詣が足りないかと思ったが、突き放した感じで、ひょっとしてこれも著者の持ち味だろうか?
物語りも、細部の説明が足りず、読者の判断にゆだねるところが多く、荒っぽいし、雑なストーリー展開。
主人公がスリというのは、面白い。
あとは、もうこの著者の文体の魅力に尽きる。荒削りだが魅力的。…7点。
他の作品も読んでみたいと思わせる作家さん。