エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

▲奥佐幌岳 (1043m)

2009年12月02日 | 山紀行 (日高山系)
想定外の雪で撤退も・・・奥佐幌岳(1043m)
(佐幌岳の北西尾根に地元で呼ばれる隠れ山があった・・)

■ 山 行 日     2009年12月02日(水) 日帰り
■ コース・ルート  狩勝峠コース
■ メンバー
     夫婦登山 No.33
■ 登山形態     登山道・新雪(長靴つぼ足)
■ 地 形 図     1/25000地形図 「佐幌岳」「狩勝峠」
■ コースタイム   桜山まで・・(登り2時間22分 下り1時間30分)


想定外・・・山は完全に冬山だった!!

★ 奥佐幌岳・・・
 主峰、佐幌岳には2005年狩勝峠コースと2008年サホロスキー場コースからそれぞれ登頂しているが、
その頂上から北西に派生する尾根上約1.3㌔のピークに名前の付いた1000m超峰の頂があることは
全く知らなかった。その名は「奥佐幌岳(1043m)」と呼ばれ、主だった文献にも名は無くネット上で検索する
と唯一ヒットしたのが2004年10月の登山記録である。つまりここでこの山の存在を知り登行意欲に駆ら
れそのチャンスを伺っていた。この記録を読むと佐幌岳から奥佐幌岳の尾根上には少しの笹薮漕ぎはあれ
ど踏み跡がしっかりとあり容易に登頂しているようで益々気になる山となっていた。
 この山の名については、今のところ文献が見付からない以上地元新得町の登山関係者に伺うしか術は
ないがまだ確認を取っていないのが正直なところだ。


【 12/ 2(水) 】 晴れ 登山口の気温-3℃

 わが安平町から約2時間、占冠町・トマムを経由し登山口となる国道38号線「狩勝峠頂上」に8:47に
着いた。峠茶屋(ドライブイン)は冬季休業のようだが公衆トイレは使用可能できれいで暖かい快適なトイレ
だった。
 風が強く冷たく想像以上に体感温度は寒い。登山スタイルは、長靴にカッパだったがインナーダウンも着
てスタートすることにした。(天気だけは良い)

★長い尾根道(登山道・狩勝峠コース) 佐幌岳まで5キロ
★ラッキーな先行トレースに助けられ・・・


 9:05 出発。
 峠駐車場はきれいに除雪されこれまでにある程度の積雪があったことを物語っていたが、登り始めてす
ぐに登山道に積った新雪を見て「ヤバイかな?」と直感した。しかし、同時に登山者なのか何日か前の先
行者のトレースがしっかりと残され新雪の踏み跡はずっと続いているようだったので非常に助かった。
また、こんな時期にここに訪れる登山者が私たち以外居るんだ・・とちょっと嬉しくもなった。
 先行者は恐らく3名で犬を連れていたようだ。この何日か降雪は無かったので11/29の日曜日に来たも
のと想像する。始め積雪は20cm程度で登山道の上を忠実に辿っていたが進むに連れ積雪も多くなり笹
の上の踏み跡を辿るようになっていた。



峠茶屋の横(国道側)に 「佐幌岳」登山口がある



登山口から急登ひと登りで平坦な尾根上に出る



次第に高度を上げて行くと、積雪も30~50cmと深くなっていく・・・そして

★消えた・・・
10:30 地図上の842ピークに着く。
この地点で登山口からすでに1時間25分も掛かっていた。通常の夏道なら中間の「桜山」まで1時間で
登るところをその半分足らずに1時間25分も要したのだ。
しっかりとした踏み跡といっても登行スピードは半減していたことになる。
この時点で目標の奥佐幌岳の登頂は無理だと判断した。ただ天気だけは良いので時間を決めて、取り
合えず佐幌岳を目指して再び歩き始めた。

しかし、842ピークを少し下ったところで忽然とトレースが消えていた・・。
積雪が50cmを超え一歩一歩が穴凹になった踏み跡になっては来たがまさかここで・・という実感である。
せめて佐幌岳まではあるんだろうと期待していただけにショックは大きかった。ただこのトレースがもし無
ければここまでも辿り着けずに敗退していたのは言うまでもないので、トレース先行者に感謝しなければ
ならない。

★装備の不備を痛感・・・
想定外の積雪・・・ではあったが、本来12月の山に臨むのであればそれなりの装備をもって挑むのは当
たり前なのに、長靴にカッパ・・とは結果論にしても甘い装備だったと教訓する。

★冬山訓練・・・
 トレースが消えた時点で、すべての登行を中止し引き返そう・・と提案したのはエバであるが、「何を言っ
てるの・・」という顔をして黙々とラッセルを始めたチーヤンは逞しかった。「止めよう」と後ろから声を掛けた
ら「訓練、訓練」と言ってどんどん登って行く。仕方ネェなぁと思いながらズボズボ埋った穴に足を入れ更に
埋まって中々前には進まない。確かに立派な訓練だわぁ~だ。

★訓練は「桜山」まで・・・
 さすがに訓練とは言え時折股下まで埋まるラッセルは、長靴のツボ足では限界があった。ただ時間も早
いし天気も良い、風も弱くなって雪と戯れるにはもう少しいいか・・とトップを交代しながら汗を流し、この訓
練を「桜山」までとして続けた。



「桜山」頂上の少し下まで来た・・・場所により固い雪面もあった


目の前に頂上標識があった・・・



チーヤンは初登頂 「桜山」(950.5m)に到着・・・

★桜山にて・・・
11:27 桜山頂上(登山口から登り 2時間22分)
消えたトレースから1時間近くのラッセルだった。途中夏道の痕跡を失い進路に迷う場面もあったが、今
回はここまでで満足である。元気の良いチーヤンも未踏のピークを踏んだ事で満足しているようだった。
目標だった佐幌岳や奥佐幌岳はすぐ北隣の尾根上にどっしりと座っていた。奥佐幌岳まではまだ3㌔以
上もあり深い新雪を長靴のツボでは無理な話である。必ずリベンジに来るぞと誓いながら寒い頂上で暫
しの眺望を楽しんだ。



桜山頂上から・・左のポコが奥佐幌岳、右が佐幌岳だ。

★謎の飛行物体・・・
 頂上についてすぐの事だが、謎の飛行物体(ヘリコプター)が自分たちの上空を何度か旋回し気になって
見ていると、佐幌岳頂上付近で停止しホバーリングしていた。「どうしたんだろう?」と興味深く見ていると
今度は桜山と佐幌岳の中間尾根上でホバーリングしそこから人が降りて来た。「えっ!」遭難救助?全部
で3人降りて何度か旋回しながらまたホバーリングをする。その後降りた3人は再びヘリに乗ったが遭難
救助でもなかったようだし不可解な飛行を目の当たりにしてちょっとびっくりだった。寒いので下山を開始
する。
11:40 下山開始

 下りは早く自分たちのトレースも無視して駆け下りた。それでもアップダウンがあるので1時間30分ほど
掛かったが楽しい雪山との戯れだった。
次回は、スキーもスノーシューも装備して現地に合った万全の体制でリベンジしよう・・・と無事下山した。



尾根上にヘリコプターがホバーリングしているのが分かるだろうか?

★山行タイム・・・
 9:05 登山開始
11:27 桜山頂上
(登り2時間22分)

11:40 下山開始
13:10 登山口(駐車場)
(下り1時間30分)


まだ昼過ぎとは言え西日が差し込む夕暮れに思えた尾根の下りだった・・・