増毛山魂・・・西暑寒岳 (1413m)
(2009年のリベンジは林道ゲートが開くこの時期に延ばして楽をする・・・)
■ 山 行 日 2010年4月24日(土) 日帰り
■ ル ー ト 北尾根ルート 往復
■ メ ン バ ー 夫婦登山 No.9
■ 登山形態 山スキー&ツボ足(アイゼン歩行)
■ 地 形 図 1/25000地形図 「暑寒別岳」「雄 冬」
「別 苅」「暑寒沢」
■ タ イ ム 登り4時間48分 下り1時間55分 (休憩含む)
★ 再来の楽しみ・・・
昨年の4月9日まだ林道ゲートが閉鎖中の増毛に再来した。この山魂では群別岳に次ぐ厳しい山行の
イメージを抱いて翌日早朝出発に備えての前泊であった。 毎回立ち寄る増毛町の国稀酒造で限定新酒
を買ってゲート前の居酒屋ハイエースでしみじみと味わう。至福の時であることは間違いないが高ぶる気
持ちを誤魔化すために早く酔い潰れて明日を迎えたい・・という気持ちも混在していた。
しかし、夜中から台風並みの風雨に見舞われホテルハイエースが大きく揺れて目を覚ます。
山行は未明に中止・・・帰路途中で漁岳に切り替えて登った記憶が蘇えってくる。その1年後再来出来る
楽しみと幸せを感じ、また高揚する自分が居た。
★ 概要とルート・・・
西暑寒岳(1413m)は、増毛山魂の最高峰「暑寒別岳(1491m)」に次ぐ第二峰の山であるが、暑寒別岳
から西に延びる吊り尾根上の小ピークに過ぎない。山名も三角点も無いが更に西に繋がる尾根上の中ノ
沢岳(1189m)から望む西暑寒岳は主峰暑寒別岳に勝る秀峰に見える。夏道は無く登頂には沢登りか積
雪期の尾根ルートになるだろう。中ノ沢岳を巡る尾根周回ルートも考えたが、中ノ沢岳自体は2008年3
月に登頂しているので今回、北尾根の往復で試みる事にした。
★ 林道ゲート開きを待って・・・
4/22 ゲートが開放される情報を聞き、計画していた山を変更して訪れた。
悪天続きの中で唯一4/24留萌地方が晴れるという予報で早朝?5:30に出発する。
8:30に山小屋・暑寒荘駐車場に到着する。すでに数台の車が止めてあり先行している様だった。 驚く
のは残雪の多さ、写真でも分かるようにまだ2mを超える雪壁が駐車場を囲んでいた。
暑寒荘駐車場・・・まだ2mを超える積雪がある

★ 渡渉点・・・
8:52 出発。
雪壁を登り山荘脇を流れるポンショカンベツ川沿いに200mほど南下する。沢は二股となり左股側沿い
を辿りながら渡渉点を探す。この時期すでに雪解け水で増水した川面が顔を出し渡渉点探しに苦労する。
渡渉した正面の斜面を登ると西暑寒岳の北尾根だ。 幸い20分ほど歩いた標高350m付近でスノーブ
リッジを発見し辛うじて渡渉する事が出来た。
ポンショカンベツ川左股沢(西暑寒岳直登沢)の唯一?の渡渉点・・・標高350m付近。

★ 北尾根・・・
9:32 標高415m付近の北尾根上。
渡渉を終えてすぐに北尾根の斜面に取り付き僅かの標高差で汗も掻かずに尾根上に登った。
しかし、430m付近から600m付近までは痩せ尾根で傾斜もキツク崩れ落ちた雪庇の残骸が危険な状
態で尾根上を辿ることが出来ない場所もあった。 慎重に西側の斜面をトラバースしながら徐々に高度を
稼ぎ難関をクリアした。
10:52~11:00 C816付近 休憩
尾根上では快晴に近く汗が噴き出る。 見上げると左手に主峰・暑寒別岳とその北尾根、西暑寒の全容
も見え出した。 昨夜の雨はここでは雪だった様で真っ白に化粧替えした美しい山容と下りのスキーが楽
しみになるほど雪質も良かった。 厳しいとイメージしていたこの北尾根だったがここまでは快適に推移し
ていた。
北尾根も標高600mを越えると比較的登りやすい斜度となる・・・

★ 怪しい雲・・・
12:15~25 1130m付近 スキーデポ
1000mを超えてスキー底から雪面の固さが伝わってくる。目の前にはC1221のピークが見えて斜度
がキツそうだった。 上空の雲行きも怪しさを増しこの先視界の無い雲の中に突入することが濃厚になっ
てきたのでスキーをデポしアイゼンを着ける事にする。
前方のポコが地図上の1221ピーク・・・天候が怪しくなって来たので手前でスキーをデポした。

★ 半ホワイトアウト・・・
13:40 西暑寒岳(1413m) 頂上
C1221ピークへアイゼンで快適に登る。やはりスキーだと苦労しそうな斜度があったし雪面も固かった
のでデポが正解と納得する。このピークから頂上までは顕著な尾根を辿って約1.2キロだった。次第に
ガスが濃くなり顕著なはずの尾根も判断出来ないほどホワイトアウト状態になって来た。 尾根の左側に
寄り過ぎれば断崖絶壁なのでそこだけ注意して高みを目指した。 最後の1250mから1350mでは
一瞬壁のように立ちはだかる氷壁に見えて・・「あぁ、ここまでか」と思ったが、近づくと不安は消えた。
頂上稜線は比較的広く平らな尾根だった。距離は約500m、平らな中に頂上ポコを目指して歩く。
そして、ここを頂上と判断して雄叫びを上げた。
雲の中の頂上・・何も見えないが地図と標高と勘でここを頂上と判断する。

★ 満足の下山・・・
14:00 下山開始。
滞在は20分。恒例の山頂コーラで登頂を祝い視界ゼロの頂を満喫する。風は弱く寒くは無かった。
時々晴れそうな兆しはあったが、濃いガスは中々消えそうになかったので下山を決める。
14:50~15:00 スキーデポ地点
★ 快適なスキー滑走・・・
頂上以外は雲の無い快晴状態。シールを外し楽しみにしていた最高の尾根ゲレンデを下る。800m付
近で新しい熊の足跡を見つけたがこれが自分たちのトレース上を辿っていたのでびっくりした。 熊に遭
わないよう早々に滑り降りる。
C615付近から雪庇の切れた場所を見極め東側の急斜面を降りた。登りで苦労した尾根を避けるため
だった。慎重に降りながらも軽く表層雪崩を起こしていた。 後は登りの渡渉点に付けたテープを探し
15:45 渡渉を無事終え15:55 駐車場に到着して無事下山となる。
登り 4時間48分、下り 1時間55分 トータル約8時間の意外にも快適な西暑寒岳のリベンジに超満
足の二人だった。 最初の予定ではこのまま車中泊するつもりだったが、明日の予報が雨なので帰宅す
る事にした。
国稀酒造で蔵限定の新酒を買い、浜益村の門脇商店でタコを買って温泉で汗を流し20:10 帰宅した。
頂上でも晴れる兆しは感じたが、下山を開始して標高が下がると青空が出てくる・・

1300m付近の急な尾根を慎重に降りる・・・

スキーをデポした1130m付近から青空に映える1221ピークを見上げる・・・

スキーデポ地点からシールを外し最高の尾根ゲレンデを楽しむ・・・

時々姿を見せてくれた西隣の「中ノ沢岳」(1189m)・・・

往路でもあったが帰路ではトレース上に熊が足跡を残す・・・ずっとそばに居たのだろうか?

800m位まで降りてようやく暑寒の全容が姿を表す・・

帰路の浜益村(門脇商店)でいつも買うタコは絶品です・・・

サービスで頂いた タコの白子 これまた濃厚な味で絶品でした。
(2009年のリベンジは林道ゲートが開くこの時期に延ばして楽をする・・・)
■ 山 行 日 2010年4月24日(土) 日帰り
■ ル ー ト 北尾根ルート 往復
■ メ ン バ ー 夫婦登山 No.9
■ 登山形態 山スキー&ツボ足(アイゼン歩行)
■ 地 形 図 1/25000地形図 「暑寒別岳」「雄 冬」
「別 苅」「暑寒沢」
■ タ イ ム 登り4時間48分 下り1時間55分 (休憩含む)
★ 再来の楽しみ・・・
昨年の4月9日まだ林道ゲートが閉鎖中の増毛に再来した。この山魂では群別岳に次ぐ厳しい山行の
イメージを抱いて翌日早朝出発に備えての前泊であった。 毎回立ち寄る増毛町の国稀酒造で限定新酒
を買ってゲート前の居酒屋ハイエースでしみじみと味わう。至福の時であることは間違いないが高ぶる気
持ちを誤魔化すために早く酔い潰れて明日を迎えたい・・という気持ちも混在していた。
しかし、夜中から台風並みの風雨に見舞われホテルハイエースが大きく揺れて目を覚ます。
山行は未明に中止・・・帰路途中で漁岳に切り替えて登った記憶が蘇えってくる。その1年後再来出来る
楽しみと幸せを感じ、また高揚する自分が居た。
★ 概要とルート・・・
西暑寒岳(1413m)は、増毛山魂の最高峰「暑寒別岳(1491m)」に次ぐ第二峰の山であるが、暑寒別岳
から西に延びる吊り尾根上の小ピークに過ぎない。山名も三角点も無いが更に西に繋がる尾根上の中ノ
沢岳(1189m)から望む西暑寒岳は主峰暑寒別岳に勝る秀峰に見える。夏道は無く登頂には沢登りか積
雪期の尾根ルートになるだろう。中ノ沢岳を巡る尾根周回ルートも考えたが、中ノ沢岳自体は2008年3
月に登頂しているので今回、北尾根の往復で試みる事にした。
★ 林道ゲート開きを待って・・・
4/22 ゲートが開放される情報を聞き、計画していた山を変更して訪れた。
悪天続きの中で唯一4/24留萌地方が晴れるという予報で早朝?5:30に出発する。
8:30に山小屋・暑寒荘駐車場に到着する。すでに数台の車が止めてあり先行している様だった。 驚く
のは残雪の多さ、写真でも分かるようにまだ2mを超える雪壁が駐車場を囲んでいた。
暑寒荘駐車場・・・まだ2mを超える積雪がある

★ 渡渉点・・・
8:52 出発。
雪壁を登り山荘脇を流れるポンショカンベツ川沿いに200mほど南下する。沢は二股となり左股側沿い
を辿りながら渡渉点を探す。この時期すでに雪解け水で増水した川面が顔を出し渡渉点探しに苦労する。
渡渉した正面の斜面を登ると西暑寒岳の北尾根だ。 幸い20分ほど歩いた標高350m付近でスノーブ
リッジを発見し辛うじて渡渉する事が出来た。
ポンショカンベツ川左股沢(西暑寒岳直登沢)の唯一?の渡渉点・・・標高350m付近。

★ 北尾根・・・
9:32 標高415m付近の北尾根上。
渡渉を終えてすぐに北尾根の斜面に取り付き僅かの標高差で汗も掻かずに尾根上に登った。
しかし、430m付近から600m付近までは痩せ尾根で傾斜もキツク崩れ落ちた雪庇の残骸が危険な状
態で尾根上を辿ることが出来ない場所もあった。 慎重に西側の斜面をトラバースしながら徐々に高度を
稼ぎ難関をクリアした。
10:52~11:00 C816付近 休憩
尾根上では快晴に近く汗が噴き出る。 見上げると左手に主峰・暑寒別岳とその北尾根、西暑寒の全容
も見え出した。 昨夜の雨はここでは雪だった様で真っ白に化粧替えした美しい山容と下りのスキーが楽
しみになるほど雪質も良かった。 厳しいとイメージしていたこの北尾根だったがここまでは快適に推移し
ていた。
北尾根も標高600mを越えると比較的登りやすい斜度となる・・・

★ 怪しい雲・・・
12:15~25 1130m付近 スキーデポ
1000mを超えてスキー底から雪面の固さが伝わってくる。目の前にはC1221のピークが見えて斜度
がキツそうだった。 上空の雲行きも怪しさを増しこの先視界の無い雲の中に突入することが濃厚になっ
てきたのでスキーをデポしアイゼンを着ける事にする。
前方のポコが地図上の1221ピーク・・・天候が怪しくなって来たので手前でスキーをデポした。

★ 半ホワイトアウト・・・
13:40 西暑寒岳(1413m) 頂上
C1221ピークへアイゼンで快適に登る。やはりスキーだと苦労しそうな斜度があったし雪面も固かった
のでデポが正解と納得する。このピークから頂上までは顕著な尾根を辿って約1.2キロだった。次第に
ガスが濃くなり顕著なはずの尾根も判断出来ないほどホワイトアウト状態になって来た。 尾根の左側に
寄り過ぎれば断崖絶壁なのでそこだけ注意して高みを目指した。 最後の1250mから1350mでは
一瞬壁のように立ちはだかる氷壁に見えて・・「あぁ、ここまでか」と思ったが、近づくと不安は消えた。
頂上稜線は比較的広く平らな尾根だった。距離は約500m、平らな中に頂上ポコを目指して歩く。
そして、ここを頂上と判断して雄叫びを上げた。
雲の中の頂上・・何も見えないが地図と標高と勘でここを頂上と判断する。

★ 満足の下山・・・
14:00 下山開始。
滞在は20分。恒例の山頂コーラで登頂を祝い視界ゼロの頂を満喫する。風は弱く寒くは無かった。
時々晴れそうな兆しはあったが、濃いガスは中々消えそうになかったので下山を決める。
14:50~15:00 スキーデポ地点
★ 快適なスキー滑走・・・
頂上以外は雲の無い快晴状態。シールを外し楽しみにしていた最高の尾根ゲレンデを下る。800m付
近で新しい熊の足跡を見つけたがこれが自分たちのトレース上を辿っていたのでびっくりした。 熊に遭
わないよう早々に滑り降りる。
C615付近から雪庇の切れた場所を見極め東側の急斜面を降りた。登りで苦労した尾根を避けるため
だった。慎重に降りながらも軽く表層雪崩を起こしていた。 後は登りの渡渉点に付けたテープを探し
15:45 渡渉を無事終え15:55 駐車場に到着して無事下山となる。
登り 4時間48分、下り 1時間55分 トータル約8時間の意外にも快適な西暑寒岳のリベンジに超満
足の二人だった。 最初の予定ではこのまま車中泊するつもりだったが、明日の予報が雨なので帰宅す
る事にした。
国稀酒造で蔵限定の新酒を買い、浜益村の門脇商店でタコを買って温泉で汗を流し20:10 帰宅した。
頂上でも晴れる兆しは感じたが、下山を開始して標高が下がると青空が出てくる・・

1300m付近の急な尾根を慎重に降りる・・・

スキーをデポした1130m付近から青空に映える1221ピークを見上げる・・・

スキーデポ地点からシールを外し最高の尾根ゲレンデを楽しむ・・・

時々姿を見せてくれた西隣の「中ノ沢岳」(1189m)・・・

往路でもあったが帰路ではトレース上に熊が足跡を残す・・・ずっとそばに居たのだろうか?

800m位まで降りてようやく暑寒の全容が姿を表す・・

帰路の浜益村(門脇商店)でいつも買うタコは絶品です・・・

サービスで頂いた タコの白子 これまた濃厚な味で絶品でした。
