エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

神威岳(1600m)

2010年07月09日 | 山紀行 (日高山系)
ガイド登山のサプライズ・・・神威岳 (1600m)
(一行は、男性と女性組に分かれて行動・・男性は暑寒別岳へ)

■ 山 行 日  2010年7月5日(月)
■ ル ー ト   神威山荘~ニシュオマナイ川~神威岳北西尾根コース
■ メンバー    CLエバ、小野寺横山伊藤
■ 登山体形   沢登り&登山道
■ 地 形 図   1/25000地形図  「ピリガイ山」 「神威岳」
■ コースタイム
神威山荘出発      5:00
下二股(524二股)    6:22
上二股(710二股)    7:12
尾根の取付き       7:20~35
 (沢靴をデポし登山靴に履き替える)
神威岳頂上       10:15     (登り 5時間15分)
下山開始         11:10
沢出合          12:40
神威山荘         15:15
    (下り 4時間05分)

★予備日のサプライズ・・
7/2~5 のぺテカリ岳計画で内一日は予備日だった。計画通り7/4 神威山荘に下山し翌日が晴れ
なら神威岳にも案内をしてほしいと追加依頼があった。
計画は予定通りとなり7/4 10:35無事に下山した一行は早々に2パーティーに分かれた。
男性組は、3名で暑寒別岳を目指すため早々に移動するためである。 僅か3日間のお付合いでした
が鈴木さんの200名山登頂へ北海道最後の山となる198座目の暑寒別岳が成功裡に終わることを祈
って女性組と共に見送った次第です。

さて、残った女性組3名とエバは余る時間の利用法で一旦街に降りて温泉で汗を流し、外食して神威山
荘に戻る事にした。


★下界と山の天気・・
快晴の下界に下りてゆっくりと温泉で汗を流し、レストランで食事をした後山に戻ると天候は一変していた。
真っ黒い雲が上空を覆い林道は何故か濡れていた。奥へ入ると更に急変した状況で、坂のある所では川
のように水が流れ、切り立った壁面からは幾筋の滝となって水が落ちていた。低いところにある橋は池
のように一面が水に浸かり一部の土砂が林道に流出していた。
ほんの僅かな時間だったと思うが激しい雨が降ったことを物語る状況であった。
そんな中、なんとか無事神威山荘に戻ったのは15:30頃だった。


★4組7名の登頂・・・
前日の山荘は、平日にも関わらず10名の登山者で賑わった。他、駐車場で車中泊していた単独の男性
を入れると11名である。その内、神威岳を目指したのは4組7名で私たち以外はほぼ4:30に出発して
いた。

朝の天候は晴れ。山荘から目指す神威岳がくっきりと聳え立っていた。
山荘前の小沢を跨ぎ林道を少し歩くとニシュオマナイ川の本流を渡渉する。足首より少し上くらいの水量
で問題なく渡渉する。林道から踏み跡的な登山道となり右岸沿いに暫く続く。440二股で支流沢に出合、
入渓となるも渡渉したのち小さな尾根越えをして再び本流に出合う。ここからが本格的な沢登りとなるが
半分以上は高巻きの踏み跡を利用しながら上流を目指す。沢自体で難しい箇所は無いが、対岸への渡
渉場所が不明瞭なところやゴーロ帯のルートに不明なところもあるので経験者が居ると安心だろうと思う。
渡渉点にはテープなどの印もあるが最初からしっかりと読図をしながら遡行したい。


★標高差600m、これぞ日高急峻な登りだ・・
尾根の取り付まで約2時間20分。のんびりと遡行するも休憩は2度だけだったので遅いタイムではない
だろう。ここでゆっくり休憩を取りながら沢靴から登山靴に履き替える。沢靴は通常取付きの脇にデポし
ていく。(ちなみにエバは沢靴のまま頂上を目指す)

いよいよ日高の急峻な登りに入る。その入口付近ではオオタカネイバラが出迎えてくれ心が和むようだ。
ぺテカリ以上の標高差で斜度も増す。正に胸を突くような・・という表現がぴったりの傾斜が続く。



★貸切の頂上・・・
取付きから2時間40分。ようやく頂上に到着した。先行していた各パーティーとは皆途中で出会い挨拶
を交わす。今日は誰も景色を楽しむことは出来なかったようで、ならば私たちだけでもと欲を掻いたが、
貸切の頂上と言う贅沢だけを味わって下山となった。





ミヤマダイコンソウ


ハクサンイチゲ


オオサクラソウ


尾根の取付きにだけ何株かあったオオタカネイバラ


珍しくないゴゼンタチバナも急峻な日高では癒しさえ感じる可憐さだ・・


沢に慣れていない伊藤さんの渡渉・・・何処しか頼りない感じです


尾根の取付きにはペンキの矢印がある。通常、ここに沢靴をデポしていく。


神威岳頂上直下の岩場から・・・(背景は神威岳頂上)



神威岳(1600m) 頂上にて・・・ここでもガスで眺望は無かった。


両手に花・・・というのでしょうか


頂上に咲くミヤマキンバイ・・・


下りの沢も終盤に来たところで記念の一枚を撮る


★久々のガイド登山を終えて・・・
一期一会を大切にしながら押し付けではない自然体で北海道の山々を紹介したい。
単なる出合は無意識に多くあるが、言葉を交わしたり語り合ったりする機会は少なくなる。
更にそこから一生の友が現われるのはどのくらいの確立だろうか。
人それぞれの人生があるように山に対する思いも様々である。
だからこそ色々な人に出会い、色々な人生を聞き色々な山の思いを吸収したくなる。

久々のガイド登山を終えて何より1人も怪我も無く無事下山出来た事に感謝したいし安堵している。
そして参加者の笑顔が一番のご褒美かも知れない。