往復20キロの長丁場・・・ポンネアンチシ山 (1145m)~余別岳 (1298m)
(強風とホワイトアウトで余別岳700m手前で登頂を断念・・)
■ 山 行 日 2011年4月18日(月) 日帰り
■ ル ー ト 神恵内村大川林道~古宇川C305二股南尾根
~ポンネ南西尾根~ポンネ~余別岳 往復
■ メ ン バ ー CLパッポ隊長、パブマル、I籐、チーヤン、エバ
■ 登 山 形 態 つぼ足&スノーシュー
■ 地 形 図 1/25000地形図 「神恵内」「ポンネアンチシ」「余別」
■ コースタイム ポンネまで(登り 5時間 下り 3時間50分)
<登り>
5:45 出発(滝ノ沢橋1キロ手前の林道)
6:02 滝ノ沢橋林道二股
6:48~7:00 林道終点(休)
7:13 南尾根取付き
8:00 600m付近
8:40~45 750m付近でスノーシューを履く
9:00 810m付近南西尾根合流地点
10:42 ポンネアンチシ山 頂上 (登り 約5時間 )
※ 10:50 余別岳へ・・・しかし、中間の1163mポコで登行中止 (強風とホワイトアウト)
11:42 ポンネアンチシ山
<下り>
11:55 ポンネアンチシ山 下山開始
12:10~30 南西尾根雪庇下で大休憩 (昼食)
14:30~40 林道終点(休)
15:45 出発点(駐車地点) ( 下り 3時間50分 )

地形図提供「パッポ隊長」より
★ ポンネアンチシ山と余別岳
積丹半島の名峰「積丹岳」と並ぶ「余別岳」と「ポンネアンチシ山」は積丹三山と呼ぶにふさわしい1000m超峰の山々で積丹半島最高峰の余別岳を中心に北隣に積丹岳、南隣にポンネアンチシ山が連なる標高順で1位~3位をここに独占した形で半島の先端部に鎮座している。
これらの山には、1999年5月7日に当丸峠から岳友3人で縦走しポンネ、余別、積丹と踏破した記憶が蘇る。最初のポンネでは南東尾根から南斜面を登ったが標高差は約300m、傾斜は40度~50度もあるような雪壁を重装備を背負いビビりながら一歩一歩登った。しかし、頂上直下の雪庇が崩れてポッカリと口を開け、南西尾根に上がるだけでも非常に苦労した思い出は今も忘れない。そして、タイムアウトでポンネアンチシの頂上でテントを張ったのも今は良き思い出として記憶に残る。もう12年も前のことなんだぁ~。
今回は、パッポ隊長のお誘いを受けて神恵内の大川林道からのポンネと余別岳を日帰りで・・というお話は、当時より12年も経過した老体のエバには「棚から牡丹餅」の心境で未踏の妻チーヤンと共に再び訪れたビックチャンスにこの日が待ち遠しいかった。
隊長の住む小樽4時集合に合わせて、まだ夜中の2時15分に家を出た。これもまたエバ夫婦の山紀行では新記録となる出発時間である。
3時30分には待ち合わせ場所に到着し、僅かな気持ちの余裕と仮眠も出来、隊長一行と合流後は「おんぶにだっこ」で付いて行った。

大川林道の最終除雪地点からスタートとしてすぐの林道
★ 大川林道ルート・・・
当丸峠を降りて神恵内村に入り大川に架かる橋を渡って200m程進むと右手に大川林道の入口がある。3週間前の3/28に来たときには林道の両脇に1m50を超える雪壁があったが、すでに1m以上は解けてしまっていた。最終除雪は、前回と同じで入口から約2.6キロ進んだ滝ノ沢川二股手前の砂防ダム付近で、林道の真ん中に駐車する。(200~300m手前にUターン場所があるのでそこからバックで入ると帰りが楽かも知れない)滝ノ沢川二股までは約1キロほどある。
5:30 最終除雪地 駐車
5:45 出発
林道上の雪は固く締まり「ツボ足」で軽快に歩く事が出来る。装備としてスノーシューとピッケル、念のためアイゼンもザックに忍ばせてスタートした。滝ノ沢橋林道二股まで15分、更に大川林道終点まで45分掛かった。休憩を挟み取付き予定の北隣の尾根まで古宇川右岸沿いに600mほど歩くとC305沢の二股があり支流のスノーブリッジを渡って尾根に取付いた。

林道終点から古宇川右岸側を北に進みC305二股から南尾根に取付く

南尾根の取付きは急斜度で苦労するも数十メートル登ると一端、緩斜度になる

南尾根標高400m付近

標高450m~500mの登りで再び急斜度になる
★ 最初の難関?・・・
C305尾根の取付きから急斜度の登りに汗を掻く。しかし、トップは常に若きパッポ隊長がステップを切り老体エバは常に最後尾で「楽」を選択していた。この体制は結局登りのすべてに崩れることはなかった。 (隊長どうもすいません・・)
標高500m付近まで急斜度の登りが続くが30分から40分ほどの辛抱で傾斜は緩む。ただ途中にナイフリッジ的な微妙な稜線があるので緊張もした。クリアーすると次第に尾根は広く、なだらかになって行く。

南尾根、標高700m付近の稜線。正面にポンネからの南西尾根が見えて来る。
★ ホワイトアウト・・・
登り始めから上空には青空は無く低い雲が垂れ込めていた。標高の低いところでは細かい雨を感じ上は雪に変わって来た。700m付近の尾根上では周りはガスに覆われ遠望は利かず前方に見えるはずの南西尾根もようやく確認出来る程度だった。ただこの時点では風が弱く登行には支障なかったのでみんな元気だった。
南西尾根の手前で全員スノーシューを履く。

ポンネへの南西尾根、時折晴れるも遠望は利かず・・・
★ 隊長の判断・・・
南西尾根に上がると完全に視界不良のガスの中に突入した感じだ。風も時折強く前の人の足跡だけを見て歩く場面もあった。1000m付近の尾根上では誤って支尾根に入りそうになるも素早い隊長の判断で難を逃れた。その分岐にスノーシューをデポし再びツボ足で登る。

女性3名が初登頂のポンネアンチシ山に先立つ・・
★ 女性隊の初登頂・・・
10:42 ポンネアンチシ山 頂上
登り 約5時間を要したが、女性隊3名が初登頂を果たす。良くがんばりました。
ポンネアンチシ山の頂上には大きな岩が目印のようにどっかりと座り込み、周りのハイ松帯からは違和感のある頂上である。ホワイトアウトで視界はゼロ、吹雪模様で岩影の風下に隠れるように避難してから登頂を喜ぶ。頑張ったのにここからの眺望を楽しめないのが唯一残念だった。
さて、計画は「余別岳」までの往復である。距離は約1.6キロだが、隊長からエバに続行いなかの判断を託された。メンバーの中で唯一ポンネ~余別間を歩いた経験者だからだ。しかし、判断は相談の結果隊長が下し「12時まで行動し余別岳に達しない場合は登行を中止し下山する」だった。全員了解。一応エバが初めてトップを切る。

ポンネアンチシ山から余別岳へ向かう稜線上の割れ目・・
★ つかの間・・・
視界ゼロの状況でトップを歩き始めたエバは、ただ勘で北への稜線を辿る。東側に大きく迫り出した雪庇は異常に大きくホワイトアウト状態では雪庇と判断は付き難い。ただ登行経験のあるエバは雪庇と承知していたからハイ松の際を歩いて北に進路を取ったが、それもつかの間・・際を外し雪庇に穴を開けて肝を冷やした。そうこうしている内に隊長が再びトップとなりエバは再び最後尾をキープした。
今日は、最初から体調が思わしくないエバだった。
★ 勇気ある撤退の判断・・・
11:22 ポンネと余別の中間になる1163mポコ
風は一層強まり吹雪模様で厳しさが増して来た。余別岳は1298mで更に100m以上登ることを考えると一つの判断が求められる場面となる。無理をしてでも登ることは可能だったかも知れないが、視界も無い中で登頂しても喜びは半減し危険は倍増する事を思うと、ここで登行を中止する「勇気ある撤退」の判断は参加者誰もが納得の下山だった。

余別岳からの下り、稜線で雪庇を踏み外し危うかったパッポ隊長・・・
★ 笑って・・・
勇気ある撤退をして再びポンネに戻る途中、隊長が落ちた・・・
パブマルさんの悲鳴に近い声で振り返ると隊長が胸まで雪穴に沈んでいるではないか。自力では登れそうも無く底知れぬ空洞への埋没を避けるためピッケルを差し出して支えにさせた。でも、隊長の足は穴の底に付いていたそうだ・・・。(安心?)
余裕を持って笑顔の隊長を写真に収める・・。そして手を貸して無事引き上げた。
過ぎてしまえば何気ないハプニングに終わった「穴ポコ」だが、もし雪面全体が崩れ落ちる雪崩が発生したら・・と考えると危機一髪の気を許せない場面だったのだ。

隊長が踏み抜いた穴ポコ・・結構深いぞ!
★ 結婚記念日・・・

再び踏んだポンネアンチシ山頂上で記念撮影・・
撤退して再びポンネの頂を踏み全員で記念写真を撮った。その時、パブマルさんが「あれぃ~今日って結婚記念日じゃなかったっけぃ~」とつぶやく。隊長はキョトンとした顔で他は歓声を上げる。「ええ~本当~おめでとう・・!」
結婚○○年らしい・・。本来なら祝杯のビールでも飲む場面だが、誰も出す人は居なかった・・。
11:55 下山開始・・

下りも慎重に・・こうゆう場所が多い
★ ありがたきトレース・・・
ところどころ不明瞭となった自分たちのトレースだが、視界不良の中ではありがたき目印であり下りは早い。西風を右頬に受けながらお腹の「グゥ~・・・」が気になってしょうがない。
隊長が大きな雪庇の棚を見つけそこで大休憩を取ってくれた。ゆっくりと昼食を取り元気が蘇った。

ポンネアンチシ山の南西尾根C858から南東尾根に降りるとカバノ穴場
★ カバノアナタケ・・・
南西尾根上C858付近から南東の小尾根に降りることにした。ここは以前パッポ隊長が単独でポンネに登った時に辿ったルートらしく少しだけ近道でもありダケカンバの疎林帯で「カバノアナタケ」を見つけた場所でもあるようだ。
案の上すぐにその木を見つけ小さなカバノアナタケをゲットした。そしてさらに下りながら2本の木からゲットして大量(約1.5キロ)のアナタケを収穫出来た。正に穴場の小尾根だった。

南尾根の500m~450mへの下りで尻滑りだ・・

滑りはいまひとつ・・I籐さん

南尾根もまもなく終了・・・

写真提供 「パッポ隊長より」

古宇川と滝ノ沢川の分岐にある林道は沢で崩壊しているので渡渉する
★ 感謝、感謝・・です。
結果として往復10時間と言う長くハードな山行となり当初から覚悟していた・・と言ってもエバの体調が思わしくなかった事で皆さんにご迷惑を掛けてしまったかも知れない。反省と教訓の山行でもあった。しかし、パッポ隊長一行の下で貧弱なエバが最後まで諦めずに登り切れたことは紛れも無く隊長のおかげ。夫婦登山ならポンネ手前で撤退は確実だったねと後の夫婦会話だった。
下山後は、温泉998で汗を流し隊長と二人だけで飲んだビールは最高に美味かった。
帰路、チーヤンの運転に身を任せ爆睡するエバの満足な帰宅だった。隊長・・みなさん本当にありがとう。そして、お疲れ様でした。
「パッポ隊長出動ログ」へ
(強風とホワイトアウトで余別岳700m手前で登頂を断念・・)
■ 山 行 日 2011年4月18日(月) 日帰り
■ ル ー ト 神恵内村大川林道~古宇川C305二股南尾根
~ポンネ南西尾根~ポンネ~余別岳 往復
■ メ ン バ ー CLパッポ隊長、パブマル、I籐、チーヤン、エバ
■ 登 山 形 態 つぼ足&スノーシュー
■ 地 形 図 1/25000地形図 「神恵内」「ポンネアンチシ」「余別」
■ コースタイム ポンネまで(登り 5時間 下り 3時間50分)
<登り>
5:45 出発(滝ノ沢橋1キロ手前の林道)
6:02 滝ノ沢橋林道二股
6:48~7:00 林道終点(休)
7:13 南尾根取付き
8:00 600m付近
8:40~45 750m付近でスノーシューを履く
9:00 810m付近南西尾根合流地点
10:42 ポンネアンチシ山 頂上 (登り 約5時間 )
※ 10:50 余別岳へ・・・しかし、中間の1163mポコで登行中止 (強風とホワイトアウト)
11:42 ポンネアンチシ山
<下り>
11:55 ポンネアンチシ山 下山開始
12:10~30 南西尾根雪庇下で大休憩 (昼食)
14:30~40 林道終点(休)
15:45 出発点(駐車地点) ( 下り 3時間50分 )

地形図提供「パッポ隊長」より
★ ポンネアンチシ山と余別岳
積丹半島の名峰「積丹岳」と並ぶ「余別岳」と「ポンネアンチシ山」は積丹三山と呼ぶにふさわしい1000m超峰の山々で積丹半島最高峰の余別岳を中心に北隣に積丹岳、南隣にポンネアンチシ山が連なる標高順で1位~3位をここに独占した形で半島の先端部に鎮座している。
これらの山には、1999年5月7日に当丸峠から岳友3人で縦走しポンネ、余別、積丹と踏破した記憶が蘇る。最初のポンネでは南東尾根から南斜面を登ったが標高差は約300m、傾斜は40度~50度もあるような雪壁を重装備を背負いビビりながら一歩一歩登った。しかし、頂上直下の雪庇が崩れてポッカリと口を開け、南西尾根に上がるだけでも非常に苦労した思い出は今も忘れない。そして、タイムアウトでポンネアンチシの頂上でテントを張ったのも今は良き思い出として記憶に残る。もう12年も前のことなんだぁ~。
今回は、パッポ隊長のお誘いを受けて神恵内の大川林道からのポンネと余別岳を日帰りで・・というお話は、当時より12年も経過した老体のエバには「棚から牡丹餅」の心境で未踏の妻チーヤンと共に再び訪れたビックチャンスにこの日が待ち遠しいかった。
隊長の住む小樽4時集合に合わせて、まだ夜中の2時15分に家を出た。これもまたエバ夫婦の山紀行では新記録となる出発時間である。
3時30分には待ち合わせ場所に到着し、僅かな気持ちの余裕と仮眠も出来、隊長一行と合流後は「おんぶにだっこ」で付いて行った。

大川林道の最終除雪地点からスタートとしてすぐの林道
★ 大川林道ルート・・・
当丸峠を降りて神恵内村に入り大川に架かる橋を渡って200m程進むと右手に大川林道の入口がある。3週間前の3/28に来たときには林道の両脇に1m50を超える雪壁があったが、すでに1m以上は解けてしまっていた。最終除雪は、前回と同じで入口から約2.6キロ進んだ滝ノ沢川二股手前の砂防ダム付近で、林道の真ん中に駐車する。(200~300m手前にUターン場所があるのでそこからバックで入ると帰りが楽かも知れない)滝ノ沢川二股までは約1キロほどある。
5:30 最終除雪地 駐車
5:45 出発
林道上の雪は固く締まり「ツボ足」で軽快に歩く事が出来る。装備としてスノーシューとピッケル、念のためアイゼンもザックに忍ばせてスタートした。滝ノ沢橋林道二股まで15分、更に大川林道終点まで45分掛かった。休憩を挟み取付き予定の北隣の尾根まで古宇川右岸沿いに600mほど歩くとC305沢の二股があり支流のスノーブリッジを渡って尾根に取付いた。

林道終点から古宇川右岸側を北に進みC305二股から南尾根に取付く

南尾根の取付きは急斜度で苦労するも数十メートル登ると一端、緩斜度になる

南尾根標高400m付近

標高450m~500mの登りで再び急斜度になる
★ 最初の難関?・・・
C305尾根の取付きから急斜度の登りに汗を掻く。しかし、トップは常に若きパッポ隊長がステップを切り老体エバは常に最後尾で「楽」を選択していた。この体制は結局登りのすべてに崩れることはなかった。 (隊長どうもすいません・・)
標高500m付近まで急斜度の登りが続くが30分から40分ほどの辛抱で傾斜は緩む。ただ途中にナイフリッジ的な微妙な稜線があるので緊張もした。クリアーすると次第に尾根は広く、なだらかになって行く。

南尾根、標高700m付近の稜線。正面にポンネからの南西尾根が見えて来る。
★ ホワイトアウト・・・
登り始めから上空には青空は無く低い雲が垂れ込めていた。標高の低いところでは細かい雨を感じ上は雪に変わって来た。700m付近の尾根上では周りはガスに覆われ遠望は利かず前方に見えるはずの南西尾根もようやく確認出来る程度だった。ただこの時点では風が弱く登行には支障なかったのでみんな元気だった。
南西尾根の手前で全員スノーシューを履く。

ポンネへの南西尾根、時折晴れるも遠望は利かず・・・
★ 隊長の判断・・・
南西尾根に上がると完全に視界不良のガスの中に突入した感じだ。風も時折強く前の人の足跡だけを見て歩く場面もあった。1000m付近の尾根上では誤って支尾根に入りそうになるも素早い隊長の判断で難を逃れた。その分岐にスノーシューをデポし再びツボ足で登る。

女性3名が初登頂のポンネアンチシ山に先立つ・・
★ 女性隊の初登頂・・・
10:42 ポンネアンチシ山 頂上
登り 約5時間を要したが、女性隊3名が初登頂を果たす。良くがんばりました。
ポンネアンチシ山の頂上には大きな岩が目印のようにどっかりと座り込み、周りのハイ松帯からは違和感のある頂上である。ホワイトアウトで視界はゼロ、吹雪模様で岩影の風下に隠れるように避難してから登頂を喜ぶ。頑張ったのにここからの眺望を楽しめないのが唯一残念だった。
さて、計画は「余別岳」までの往復である。距離は約1.6キロだが、隊長からエバに続行いなかの判断を託された。メンバーの中で唯一ポンネ~余別間を歩いた経験者だからだ。しかし、判断は相談の結果隊長が下し「12時まで行動し余別岳に達しない場合は登行を中止し下山する」だった。全員了解。一応エバが初めてトップを切る。

ポンネアンチシ山から余別岳へ向かう稜線上の割れ目・・
★ つかの間・・・
視界ゼロの状況でトップを歩き始めたエバは、ただ勘で北への稜線を辿る。東側に大きく迫り出した雪庇は異常に大きくホワイトアウト状態では雪庇と判断は付き難い。ただ登行経験のあるエバは雪庇と承知していたからハイ松の際を歩いて北に進路を取ったが、それもつかの間・・際を外し雪庇に穴を開けて肝を冷やした。そうこうしている内に隊長が再びトップとなりエバは再び最後尾をキープした。
今日は、最初から体調が思わしくないエバだった。
★ 勇気ある撤退の判断・・・
11:22 ポンネと余別の中間になる1163mポコ
風は一層強まり吹雪模様で厳しさが増して来た。余別岳は1298mで更に100m以上登ることを考えると一つの判断が求められる場面となる。無理をしてでも登ることは可能だったかも知れないが、視界も無い中で登頂しても喜びは半減し危険は倍増する事を思うと、ここで登行を中止する「勇気ある撤退」の判断は参加者誰もが納得の下山だった。

余別岳からの下り、稜線で雪庇を踏み外し危うかったパッポ隊長・・・
★ 笑って・・・
勇気ある撤退をして再びポンネに戻る途中、隊長が落ちた・・・
パブマルさんの悲鳴に近い声で振り返ると隊長が胸まで雪穴に沈んでいるではないか。自力では登れそうも無く底知れぬ空洞への埋没を避けるためピッケルを差し出して支えにさせた。でも、隊長の足は穴の底に付いていたそうだ・・・。(安心?)
余裕を持って笑顔の隊長を写真に収める・・。そして手を貸して無事引き上げた。
過ぎてしまえば何気ないハプニングに終わった「穴ポコ」だが、もし雪面全体が崩れ落ちる雪崩が発生したら・・と考えると危機一髪の気を許せない場面だったのだ。

隊長が踏み抜いた穴ポコ・・結構深いぞ!
★ 結婚記念日・・・

再び踏んだポンネアンチシ山頂上で記念撮影・・
撤退して再びポンネの頂を踏み全員で記念写真を撮った。その時、パブマルさんが「あれぃ~今日って結婚記念日じゃなかったっけぃ~」とつぶやく。隊長はキョトンとした顔で他は歓声を上げる。「ええ~本当~おめでとう・・!」
結婚○○年らしい・・。本来なら祝杯のビールでも飲む場面だが、誰も出す人は居なかった・・。
11:55 下山開始・・

下りも慎重に・・こうゆう場所が多い
★ ありがたきトレース・・・
ところどころ不明瞭となった自分たちのトレースだが、視界不良の中ではありがたき目印であり下りは早い。西風を右頬に受けながらお腹の「グゥ~・・・」が気になってしょうがない。
隊長が大きな雪庇の棚を見つけそこで大休憩を取ってくれた。ゆっくりと昼食を取り元気が蘇った。

ポンネアンチシ山の南西尾根C858から南東尾根に降りるとカバノ穴場
★ カバノアナタケ・・・
南西尾根上C858付近から南東の小尾根に降りることにした。ここは以前パッポ隊長が単独でポンネに登った時に辿ったルートらしく少しだけ近道でもありダケカンバの疎林帯で「カバノアナタケ」を見つけた場所でもあるようだ。
案の上すぐにその木を見つけ小さなカバノアナタケをゲットした。そしてさらに下りながら2本の木からゲットして大量(約1.5キロ)のアナタケを収穫出来た。正に穴場の小尾根だった。

南尾根の500m~450mへの下りで尻滑りだ・・

滑りはいまひとつ・・I籐さん

南尾根もまもなく終了・・・

写真提供 「パッポ隊長より」

古宇川と滝ノ沢川の分岐にある林道は沢で崩壊しているので渡渉する
★ 感謝、感謝・・です。
結果として往復10時間と言う長くハードな山行となり当初から覚悟していた・・と言ってもエバの体調が思わしくなかった事で皆さんにご迷惑を掛けてしまったかも知れない。反省と教訓の山行でもあった。しかし、パッポ隊長一行の下で貧弱なエバが最後まで諦めずに登り切れたことは紛れも無く隊長のおかげ。夫婦登山ならポンネ手前で撤退は確実だったねと後の夫婦会話だった。
下山後は、温泉998で汗を流し隊長と二人だけで飲んだビールは最高に美味かった。
帰路、チーヤンの運転に身を任せ爆睡するエバの満足な帰宅だった。隊長・・みなさん本当にありがとう。そして、お疲れ様でした。
「パッポ隊長出動ログ」へ