台風と前線に阻まれて・・・リベンジ ナメワッカ岳はまたも幻に
※ 2011年8月30日~9月2日 計画破棄の回想を辿る・・・
★ 回想・・・
2005年8月12日~14日エサオマントッタベツ川から遡行してエサオマントッタベツ岳の神秘的な北東カール (写真1) に感動しその初登頂を喜び初めてナメワッカ岳を目指したあの頃を想い出す。快晴・無風で気温は30度近くあったかも知れまない。往復12時間を覚悟していざナメワッカ岳へ・・と期待と不安を抱いていたアタックスタートの (写真2) だった。しかし、途中からエバの体調が思わしくなく休憩と給水が頻繁になる。また、顔の周辺にまとわりついて離れない飛び交う虫にもストレスが溜まりとうとう座り込んでしまった。持ち上げた水はほぼ飲み干し予定した時間も大きく遅れてしまった。もう少しでナメワッカ分岐の位置だが、無念の撤退をせざる負えなかった。あれは熱中症だったかも知れない。
登行を断念し座り込んだ稜線から照りつける太陽の下でボーッと遠のくナメワッカ岳を眺めていた事を思い出す。
「もう一度必ず来るからな、待ってろよ」・・と遥かなるあの山に力の無い決意を新たにした。
「・・待ってろよ」なんて言われたナメワッカは無論動かぬ山、逆に「お前が来るのをここでずっと待ってやるさ」と言われたのかも知れない。

<写真1> 2005.8.12 エサオマントッタベツ岳北東カールにて・・・

<写真2> 2005.8.13 札内JP(ジャンクションピーク)から主稜線を背に・・
★ リベンジ・・・
あれから5年・・・
初のリベンジは、2010年4月28日。季節を夏から残雪期の春に変えて冬ルートで知られるカムイ岳の北東尾根から4泊5日の計画だった。しかし、計画した期間の予報は悪く初日に湿った大雪に見舞われ登山口林道で撤退した。
2度目のリベンジは、2011年4月29日。前年と同じルートで計画を立てた。今年は運良く林道終点のゲートまで車が入れて尾根の取付きまで苦労しなかったが、初日から雨交じりの雪と風そして二日目以降も予報は悪い中でスタートした。肩に食い込む重荷と急傾斜の尾根にツボ足登行で疲労困憊し北東尾根の途中にテン場を設けた。予報通り夜から風が強まりテントを叩く。翌日は半端でない風が吹くも天気だけは良かった。すでにこの時ナメワッカ岳への挑戦は断念するもカムイ岳のみ登頂を果たして下山出来たのは収穫だったと今に思う。
カムイ岳からエサオマンまでの白く長く切立った稜線を見て自分たちの力量を超えた場所に来てしまった・・と思いを知った。
この時期、このルートを辿るためには「快晴」が唯一絶対の条件だろう・・。それ以外私たちが近寄れる場所ではないと感じた。
そして、3度目。8/30~9/2まで4日間の休暇を取り、夏の沢~ハイ松の稜線を辿る計画に戻す。一つだけ違うのは日程で2泊⇒3泊に増やした。1泊目は北東カール、2日目はナメワッカ分岐までテントを持ち上げ3日目にアタックという手筈だ。
今度こそ・・・だったのに、またまた台風の接近と前線の影響が計画と重なり悪天予報の4日間だった。
計画は、呆気なく中止・・・・言葉も無い。
★ 計画の変更も・・・
日高・ピリガイ山 (1167m)
先月登ったペテカリ岳の南西に位置するベッピリガイ山(1307m)とその西側に位置する1000超峰の山「ピリガイ山」と「ウチイチ山」が未踏峰として残っていたので1泊2日悪天を潜り抜けて行けないか・・と期待しつつ計画を立てる。あわよくば2泊3日掛けて一気に2座の登頂も・・なんて目論んでいたが、日が近づくにつれ予報は悪くなっていた。

2011.8.3 ベッピリガイ山頂上から望む「ピリガイ山 1167m」(左側)と「ウチイチ山 1021m」
この計画も前日に中止し流れる・・・
★ 変更の変更も・・・
夕張・前岳 (1501m) ルート偵察
■ 山 行 日 2011年8月30日(金) 日帰り
■ ル ー ト 夕張岳馬の背コース~憩沢右股支沢南東面
~前岳南西尾根~前岳
■ メ ン バ ー 夫婦登山 №19
■ 登 山 形 態 夏道登山~一部藪漕ぎ
■ 地 形 図 1/25000地形図 「滝ノ沢岳」
■ コースタイム 途中撤退につき掲載せず・・

2011.6.21 滝ノ沢岳頂上から望む前岳のズーム (ルートは反対側から登る)
★ 石原平で撤退・・・
遅い遅い登山口 9:30の出発
陽はあるものの上空の雲はどんよりと暗く厚い。あまり期待もしていないが歩き慣れた夕張岳ならいつ撤退しても悔いは無い。それに一番のナメワッカ岳がダメになってこれ以上落ち込む理由など無かった。
ヒュッテに立寄って管理人さんにご挨拶をして馬の背コースから出発する。この時、後で使う予定の沢靴を預かってもらった。
924ピークまでゆっくり30分、滝ノ沢岳の頂上にはすでに怪しげな雲がかかっていた。分岐まで更に30分で着く。前岳のかなり下までガスが立ち込めていて今日の登頂は無理だと確信する。
石原平 11:20
風も出て来て休憩していると寒いくらいだった。霧雨が降って来て一時雨具を着た。
試案の余地無く「登行中止・撤退」を決める。
11:30 下山開始
12:25 ヒュッテ到着
結局、変更の変更も中途半端に終わってしまった・・・。
★ 夕張岳ヒュッテの水源調査・・・
ヒュッテに預けていた沢靴に履き替えて、ヒュッテの水源沢に入る。
ヒュッテの水はいつも冷たくきれいで大雨が降ってもあまり濁らない。コザクラの会代表に聞くと、この沢は伏流水だと言うのだが・・前から確かめて見たかった。
ヒュッテ前から馬の背コースを辿るとすぐに勢い良く流れる清流が目に飛び込む。太いゴム管はどこから引いているのかその出発点を探る。
沢は苔むして冷たく足首程度の小さな沢だ。沢靴を濡らすとすぐにその冷たさが伝わってくる。沢に入るとすぐに比較的斜度のある滝を思わせる流れになっていてその上部から先は見えない。以前からその先が気になってしょうがなかった。ゴム管もずっと上まで延びていた。
ほんの数分で滝上まで直登して着いてしまった。その先はきれいに苔むした静かな流れで沢的には何の変哲もない・・でも「ブタ沢」とは言いたくない場所だ。ゴム管は滝上が終点だった。小さな滝壺の中に小さな穴の開いた箱が設置されそこからゴム管が繋がれていた。ゴム管や箱が移動しないようロープや石でしっかりと固定されいる。
その後、この沢の源頭を目指す。
すると数分で涸れ沢となりその先、沢形はあるも藪に覆われていた。
驚いたのは、源頭のすぐ手前左岸に一面苔生した岩場がありその間から噴き出すように勢い良く水が流れていたことだ。
水源は伏流水だった・・・
まさに伏流水だった。何箇所かに分散して伏流水が沢を形成して流れ出していた。苔が木漏れ陽に映えると神秘的である。非常に冷たくそして美味しい・・最高の水源だった。

水源調査開始・・・

冷たい清流・・・

水源は完璧に伏流水でした

岩間から噴き出す水源

清流とハンゴンソウのコラボ
★ 安心・・・
ヒュッテで利用されている沢の水源は、伏流水でした。
距離も非常に短く汚染されずに水源近くからゴム管を引いています。少なくてもエキノコックスといった菌の汚染が入り込む余地は少ないと思いますので安心して飲料出来るものと思います。(あくまでも個人的見解ですが・・)
以上をもって流れた計画に喘(あえ)いだ一日だったが、幸いにしてその翌日から色々と要件が出来て流れた計画を感謝する皮肉もあった。
次も必ず「ナメワッカ岳計画」を立ち直し4度目のリベンジで登頂を目指したいと思う。
ユウパリコザクラの会 公式ホームページです。どうぞご訪問下さい。

※ 2011年8月30日~9月2日 計画破棄の回想を辿る・・・
★ 回想・・・
2005年8月12日~14日エサオマントッタベツ川から遡行してエサオマントッタベツ岳の神秘的な北東カール (写真1) に感動しその初登頂を喜び初めてナメワッカ岳を目指したあの頃を想い出す。快晴・無風で気温は30度近くあったかも知れまない。往復12時間を覚悟していざナメワッカ岳へ・・と期待と不安を抱いていたアタックスタートの (写真2) だった。しかし、途中からエバの体調が思わしくなく休憩と給水が頻繁になる。また、顔の周辺にまとわりついて離れない飛び交う虫にもストレスが溜まりとうとう座り込んでしまった。持ち上げた水はほぼ飲み干し予定した時間も大きく遅れてしまった。もう少しでナメワッカ分岐の位置だが、無念の撤退をせざる負えなかった。あれは熱中症だったかも知れない。
登行を断念し座り込んだ稜線から照りつける太陽の下でボーッと遠のくナメワッカ岳を眺めていた事を思い出す。
「もう一度必ず来るからな、待ってろよ」・・と遥かなるあの山に力の無い決意を新たにした。
「・・待ってろよ」なんて言われたナメワッカは無論動かぬ山、逆に「お前が来るのをここでずっと待ってやるさ」と言われたのかも知れない。

<写真1> 2005.8.12 エサオマントッタベツ岳北東カールにて・・・

<写真2> 2005.8.13 札内JP(ジャンクションピーク)から主稜線を背に・・
★ リベンジ・・・
あれから5年・・・
初のリベンジは、2010年4月28日。季節を夏から残雪期の春に変えて冬ルートで知られるカムイ岳の北東尾根から4泊5日の計画だった。しかし、計画した期間の予報は悪く初日に湿った大雪に見舞われ登山口林道で撤退した。
2度目のリベンジは、2011年4月29日。前年と同じルートで計画を立てた。今年は運良く林道終点のゲートまで車が入れて尾根の取付きまで苦労しなかったが、初日から雨交じりの雪と風そして二日目以降も予報は悪い中でスタートした。肩に食い込む重荷と急傾斜の尾根にツボ足登行で疲労困憊し北東尾根の途中にテン場を設けた。予報通り夜から風が強まりテントを叩く。翌日は半端でない風が吹くも天気だけは良かった。すでにこの時ナメワッカ岳への挑戦は断念するもカムイ岳のみ登頂を果たして下山出来たのは収穫だったと今に思う。
カムイ岳からエサオマンまでの白く長く切立った稜線を見て自分たちの力量を超えた場所に来てしまった・・と思いを知った。
この時期、このルートを辿るためには「快晴」が唯一絶対の条件だろう・・。それ以外私たちが近寄れる場所ではないと感じた。
そして、3度目。8/30~9/2まで4日間の休暇を取り、夏の沢~ハイ松の稜線を辿る計画に戻す。一つだけ違うのは日程で2泊⇒3泊に増やした。1泊目は北東カール、2日目はナメワッカ分岐までテントを持ち上げ3日目にアタックという手筈だ。
今度こそ・・・だったのに、またまた台風の接近と前線の影響が計画と重なり悪天予報の4日間だった。
計画は、呆気なく中止・・・・言葉も無い。
★ 計画の変更も・・・
日高・ピリガイ山 (1167m)
先月登ったペテカリ岳の南西に位置するベッピリガイ山(1307m)とその西側に位置する1000超峰の山「ピリガイ山」と「ウチイチ山」が未踏峰として残っていたので1泊2日悪天を潜り抜けて行けないか・・と期待しつつ計画を立てる。あわよくば2泊3日掛けて一気に2座の登頂も・・なんて目論んでいたが、日が近づくにつれ予報は悪くなっていた。

2011.8.3 ベッピリガイ山頂上から望む「ピリガイ山 1167m」(左側)と「ウチイチ山 1021m」
この計画も前日に中止し流れる・・・
★ 変更の変更も・・・
夕張・前岳 (1501m) ルート偵察
■ 山 行 日 2011年8月30日(金) 日帰り
■ ル ー ト 夕張岳馬の背コース~憩沢右股支沢南東面
~前岳南西尾根~前岳
■ メ ン バ ー 夫婦登山 №19
■ 登 山 形 態 夏道登山~一部藪漕ぎ
■ 地 形 図 1/25000地形図 「滝ノ沢岳」
■ コースタイム 途中撤退につき掲載せず・・

2011.6.21 滝ノ沢岳頂上から望む前岳のズーム (ルートは反対側から登る)
★ 石原平で撤退・・・
遅い遅い登山口 9:30の出発
陽はあるものの上空の雲はどんよりと暗く厚い。あまり期待もしていないが歩き慣れた夕張岳ならいつ撤退しても悔いは無い。それに一番のナメワッカ岳がダメになってこれ以上落ち込む理由など無かった。
ヒュッテに立寄って管理人さんにご挨拶をして馬の背コースから出発する。この時、後で使う予定の沢靴を預かってもらった。
924ピークまでゆっくり30分、滝ノ沢岳の頂上にはすでに怪しげな雲がかかっていた。分岐まで更に30分で着く。前岳のかなり下までガスが立ち込めていて今日の登頂は無理だと確信する。
石原平 11:20
風も出て来て休憩していると寒いくらいだった。霧雨が降って来て一時雨具を着た。
試案の余地無く「登行中止・撤退」を決める。
11:30 下山開始
12:25 ヒュッテ到着
結局、変更の変更も中途半端に終わってしまった・・・。
★ 夕張岳ヒュッテの水源調査・・・
ヒュッテに預けていた沢靴に履き替えて、ヒュッテの水源沢に入る。
ヒュッテの水はいつも冷たくきれいで大雨が降ってもあまり濁らない。コザクラの会代表に聞くと、この沢は伏流水だと言うのだが・・前から確かめて見たかった。
ヒュッテ前から馬の背コースを辿るとすぐに勢い良く流れる清流が目に飛び込む。太いゴム管はどこから引いているのかその出発点を探る。
沢は苔むして冷たく足首程度の小さな沢だ。沢靴を濡らすとすぐにその冷たさが伝わってくる。沢に入るとすぐに比較的斜度のある滝を思わせる流れになっていてその上部から先は見えない。以前からその先が気になってしょうがなかった。ゴム管もずっと上まで延びていた。
ほんの数分で滝上まで直登して着いてしまった。その先はきれいに苔むした静かな流れで沢的には何の変哲もない・・でも「ブタ沢」とは言いたくない場所だ。ゴム管は滝上が終点だった。小さな滝壺の中に小さな穴の開いた箱が設置されそこからゴム管が繋がれていた。ゴム管や箱が移動しないようロープや石でしっかりと固定されいる。
その後、この沢の源頭を目指す。
すると数分で涸れ沢となりその先、沢形はあるも藪に覆われていた。
驚いたのは、源頭のすぐ手前左岸に一面苔生した岩場がありその間から噴き出すように勢い良く水が流れていたことだ。
水源は伏流水だった・・・
まさに伏流水だった。何箇所かに分散して伏流水が沢を形成して流れ出していた。苔が木漏れ陽に映えると神秘的である。非常に冷たくそして美味しい・・最高の水源だった。

水源調査開始・・・

冷たい清流・・・

水源は完璧に伏流水でした

岩間から噴き出す水源

清流とハンゴンソウのコラボ
★ 安心・・・
ヒュッテで利用されている沢の水源は、伏流水でした。
距離も非常に短く汚染されずに水源近くからゴム管を引いています。少なくてもエキノコックスといった菌の汚染が入り込む余地は少ないと思いますので安心して飲料出来るものと思います。(あくまでも個人的見解ですが・・)
以上をもって流れた計画に喘(あえ)いだ一日だったが、幸いにしてその翌日から色々と要件が出来て流れた計画を感謝する皮肉もあった。
次も必ず「ナメワッカ岳計画」を立ち直し4度目のリベンジで登頂を目指したいと思う。
ユウパリコザクラの会 公式ホームページです。どうぞご訪問下さい。
