エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

屋久島遠征・・その③ 縄文杉紀行

2012年11月08日 | 山紀行 (本州)
屋久島遠征・・その③
いちばん会いたかった森の主・・・縄文杉 (1310m)
(片道8.3キロのトロッコ道と2.7キロの登山道を往復)

■ 山 行 日   2012年10月28日(日)  日帰り
■ コ ー ス    荒川登山口コース
■ メ ン バ ー  
夫婦登山 №20
■ 登 山 形 態  登山道
■ 地 形 図   1/25000地形図   

■ コースタイム  登り 4時間10分  下り 3時間40分
<登り>
荒川登山口5:20--小杉谷集落跡6:05~10--大株歩道入口7:40~8:00
--ウィルソン株8:18~22--縄文杉9:30
   (登り 4時間10分・・休憩含)

<下り>
縄文杉10:00--ウィルソン株11:10~25--大株歩道入口11:40~50
--小杉谷集落跡12:55~12:00--登山口13:40
 (下り 3時間40分・・休憩含)

★ 縄文杉・・・

島一番の大木と言われている縄文杉の樹齢は2170年~7200年と諸説はあるが、樹高25.3m、
桐周16.4mになっている。荒川登山口から片道11キロその内8キロがトロッコ道で歩き易いがそれ
なりの装備と体力が必要と感じた。

現在、縄文杉に荒川登山口から登る場合環境負荷の軽減や混雑緩和などのためにマイカー乗入れ
は不可となっている。(11月末まで)
そのため島の各地区からバスやタクシー、レンタカーを利用して屋久杉自然館まで行き専用のシャト
ルバスに乗り換えなければ行けない。 シャトルバスの料金は往復1700円。

朝一番のシャトルバス屋久杉自然館発は4:40一台の運行。
以降のバスは5:00、5:30、6:00と続くが少しでも早い便で登山口に向かう事が
余裕を持てるトレッキングとして定着しているようで人気の一番バス。


★ 同行者・・・

今日は同行者が2名居ます。
登山大会で共に参加した北海道チームのメンバーHIRAさん夫妻です。
安房からバスに乗って屋久杉自然館に行きシャトルバスに乗り換える予定だったと聞き、
それなら一番バスに乗るため一緒にレンタカーで行きましょうとお誘いする。

HIRAさんの泊まる民宿へ4:00に迎えに行く。
予約していた登山弁当を受け取りにそれぞれの店に立寄り一路自然館へ。
と言っても10分もせずに到着。すでに多くの車が停まっていて人気度が分かる。
係員から来た順にバスの乗車口前にザックを置くように指示があり従う。
前から10番目位だった・・・

4:40 最初のシャトルバスが満員で出発。3名程乗り切れなかった。
5:10 荒川登山口に到着。予定より10分早く着く。
バスの中では飲食が禁止されているので下車後登山口で朝食を取る。
登山口にはきれいな水洗トイレや広い待合所もあって整備されている。

当初明るくなる6:00頃に出発出来れば良いと思っていたが、まだ暗い登山口から
何人か出発するのを見て私たちも後を追うように出発する事にした。5:20だった。

ヘッドランプを点けて暗闇のトロッコ道へ吸い込まれていく・・・



夜明けのトロッコ道を歩く・・・(楠川分かれ付近)

★ トロッコ道・・・

トロッコ道は登山口から始まっている。
江戸時代から行われてきた杉の伐採で杉を運搬するトロッコが走っていた道。
現在は走る姿を見る事は出来ないが大正12年(1923)に開設されたこの軌道には
その歴史を垣間見る事も出来る。



三代杉


仁王杉

★ 終点・・・

8キロのトロッコ道をひたすら歩くこと2時間20分・・・
終点の大株歩道入口 7:20に到着する。

少し手前からポツンポツンと雨粒が落ちて来てここで雨具を着る。

安房川の上流「大杉谷」という支流に架かる橋の向こう側が軌道の終点で立派なトイレがある。
橋の手前を右に登ると大株歩道の入口で木道が整備された登山道となっている。


★ カッパ事件・・・

大株歩道で雨具を着ようとした時である。
チーヤンのカッパに異変・・・

ズボンがエバのカッパだった。(上はチーヤンのもの)

以前二人のカッパは同じメーカーの黄色を着ていた。現在エバのカッパは新調した別のメーカーに
なっているが、洗濯などをして整理する時に取り違えて袋に入れてしまった・・とみられる。
「大は小を兼ねる」と諦めブカブカのカッパをはいて歩く事にした。



大株歩道(トロッコ道終点)に架かる橋から上流の渓谷


大株歩道入口からは本格的な登山道に変わる・・・

★ 別世界・・・


翁杉(おきなすぎ)

翁杉・・・
大株歩道に入って最初に出会う屋久杉。しかし、2010年9月に倒木してしまいその姿が痛々しい。
倒木前は樹高23.7m 桐周12.6mもあったらしい。ただここは太陽の日差しが多く倒木更新
の可能性もあるという事で2代目の翁杉誕生も見られるかも知れない。

ウィルソン株・・
縄文杉の次に人気のある屋久杉らしい。
開けた場所に鎮座する大切り株。大人10名は余裕で入れるスペースがある。
名前の由来は、植物学者アーネスト・ウィルソン博士が世界へ発表したこと。
博士が洞窟だと思って雨宿りをしたらしい。中には清水が湧き出ている。

午前と午後、または晴れと曇りなどでウィルソン株の見え方が異なる。
登りでは雨、下りでは快晴の株を撮って見てその違いは歴然だった・・・



午前雨降りの・・・ウィルソン株 (上から光が下は影になっている)


午後快晴の・・・・ウィルソン株 (明暗がなく全体がはっきりと見える)


ウィルソン株の内部に入り切り株を見上げるとかわいいハートのマークがすっかり有名になっている


帰路に再び写したウィルソン株のハート


大きなウィルソン株の内部



屋久鹿には時々出会うもまったく逃げようとはしない・・


整備された木道がありがたいが結構なアップダウンに汗を掻く・・


夫婦杉

夫婦杉・・・
2本の杉が手を取り合うエバ夫婦のような姿。
枝が融合して成長した合体木、右がエバ左がチーヤンと言われている・・(ウソ)



縄文杉とのご対面・・

雨の中随分と奥へ入って来た感に、沢登りで詰めて稜線らしき明るさと沢の源頭
そしてピークが近いと感じる思いが重なった。

これまでの雰囲気とは違う木の階段を登って行くと、ついに縄文杉が現れる。

樹齢2170年~7200年と諸説があって定かではないが、ここまで登って来る間に見た屋久杉とは
比べ物にならない存在感は誰しもが感じるだろうと思う。
いまは展望デッキ越しからで触れる事は出来ないが、森の主たる貫禄は充分に感じる屋久杉である。



辿り着いた「縄文杉」、雨が降っていたがこの後すぐに上がり陽が差す


同行していただいたHIRAさん夫妻と・・・


身近に見るこれぞ森の主・・「縄文杉」


縄文杉の展望デッキ・・(左端に縄文杉)


デッキ下から見上げる縄文杉・・この時晴れて来た

★ 達成感・・・

「山登り」とは少し違うが、未知の世界に足を踏み入れ長い長い道のりと亜熱帯の未体験ゾーンの中を
とにかく堪能して歩いたその先でこの島のこの森の主とご対面出来た事に喜びと達成感に満ちた。
北海道中心の山しか知らない・・北海道の街しか知らない・・山オヤジ一直線の初体験である。

宮之浦岳、モッチョム岳、滝、ガジュマル、ヤクシカ、ヤクサル、素泊まり民宿、島のレンタカー
高速トッピーそして芋焼酎「三岳」「愛子」「森伊蔵」「魔王」「村尾」・・・

全てに満足の屋久島でした。





同行のHIRAさん夫妻と早足で歩くトロッコ道


帰路快晴のトロッコ道


長かった往復22キロのトレッキングも間もなく終了です


午後一番のバスに間に合いました。荒川登山口到着です。

★ 帰路・・・

下山開始10:00
ふと計算してしまうが登山口一番のバスは14:00発なので丁度4時間しかなかった。
登りで4時間20分掛かった縄文杉だったが、ゆっくり休憩を取ったのは大株歩道入口だけ。
せめて帰路では快晴になった大株歩道をゆっくりと・・・と思うものである。

団体登山ツアー・・・
何故か自然と足早になり、時折駆け足になっていた。
でも雨でゆっくり見る事の出来なかった夫婦杉や大王杉も立ち止まって
ウィルソン株では昼食も食べた。もうお昼時なのにどんどんと登って来る団体登山ツアー
大小何十組ものツアーに遭遇、その度に狭い木道では道を譲るために足を止める。
屋久島現地ガイドは150人ほど居るそうだが、ほとんどのツアーがガイド付きに驚く。

下りは早い・・・
大株歩道11:40~50
登りでは2時間20分掛かった場所だが下りでは2時間は掛からないと読んだ。
休憩したのは「小杉谷集落跡」だけでそれ以外はほとんど早歩き詰め

トップ下山・・・
自慢にはならないが登山口に着いた時はほぼトップ下山で、バスと登山口係員以外に人は居なかった。
14:00発のバスには一番で乗り込み、発車時にも十数名程度しか乗って居なかった。

特に下山を急ぎ一番になる事が目的では無い。
ゆっくりとじっくりと屋久杉を堪能したいとも思う。
現地ガイドでも付けば一つ一つの案内を聞きながら一段一段ゆっくりと木道を歩く・・
なんていう事も想像出来るが、「ゆっくりしたい」と思う場所は山だけでなく下界だったかも知れない。
早めに降りたら下界でビール?

いやいや洗濯、お風呂、食事そして日本シリーズの楽しみも・・
やりたい事、見たい事が沢山あったという事でした。

HIRAさんご夫妻とは民宿まで送り別れた。
一緒に登れた事で楽しさ倍増だったし、互いを意識したお陰で変に休まず予定通りの山行が
出来たと思っています。

ありがとうございました。お疲れ様でした。





安房最後の夜は、小さな居酒屋「天勝」で・・和やかな雰囲気と美味しい料理ありがとう



※屋久島遠征・・・目次編はこちら
※屋久島遠征・・・その① 宮之浦岳はこちら
※屋久島遠征・・・その② モッチョム岳はこちら

※屋久島遠征・・その④  白谷雲水峡はこちら 
※屋久島遠征・・その⑤  ヤクスギランドはこちら
※屋久島遠征・・その⑥ END ラスト3時間の島巡りはこちら