エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

リベンジ南日高・豊似岳(1105m)

2012年12月01日 | 山紀行 (日高山系)
リベンジ日高山脈の最南端・・・
1088峰(三枚岳)(1088m)
   ~豊似岳(1105m)~オキシマップ山(895m)

えりもの風は止まない、10時間の周回ルートも日高を満喫

■ 山 行 日      2010年1月28日(木)~29日(金) 1泊2日
■ ル ー ト      歌別川上流~馬蹄型縦走ルート
■ メ ン バ ー     夫婦登山 No.4
■ 登 山 形 態     山スキー
■ 地 形 図     1/25000地形図  「え り も」
■ コースタイム    豊似岳まで4時間50分  トータル 9時間20分
<登り>
06:30      登山開始(追分峠)
07:35~40   夏の登山口
09:55      稜線
10:50      三枚岳
11:20      豊似岳
 (登り 4時間50分)

11:30      豊似岳出発
13:28      オキシマップ山

 (登り 約2時間)

<下り>
13:32      オキシマップ山下山開始
14:55      牧場の橋
15:50      登山口

  (下り 2時間18分)  トータル 9時間20分


★ 2週連続、リベンジ成功への奇跡・・・

先週に続き南日高の「豊似岳」初登頂を目指して出発する。前回は、22年ぶりに襟裳岬を訪れるも
もの凄い突風の歓迎を受けて退散し泊まったホテルハイエースの夜も止むことの無い強風でホテルが
揺らされ眠れぬ夜を過ごしていた。「こんな風なら山行は無理・・」と最初から登頂は諦めて二度寝をした
事が敗因だった。陽が登り徐々に天候が好転し風も弱くなるのに出発が予定より1時間半も遅れた事や
雪面が固く途中でスキーをデポして登った事で時間を要したのも理由の一つだろう。
そんな反省を踏まえ、今回は暗いうちから出発し時間に余裕を持って登ることと前回スキーをデポした
事で「ツボ足での稜線歩きが困難である」と認識してスキーが使えなくても稜線まで持ち上げる計画で
出発することにした。



① 夜明け前の登山口から目指すオキシマップ山と豊似岳の稜線が見える・・・

★ 踏む決意・・・

昨夜の宿泊先は、先週とまったく同じ国道336号線追分峠の少しえりも寄りにある駐車帯と決めて安
着する。就寝もほぼ同じ19:30だったが、えりもの風は夜になると活発になるのかこの頃から急に強く
なり車(ホテルハイエース)を揺らしていた。しかし、明日の早朝出発とえりもの風は昼間弱くなる・・と勝
手にテンションを上げてピークを踏む決意新たにシュラフに潜り込んだ。


★ リベンジ・・・

 6:30 出発
国道336号線追分峠から公営牧場へ続く林道入口に駐車してすぐにスキーで歩く。
昨日の下界は3月下旬の気温と雨が降っていたが、今朝は一転の氷点下である。先週のトレースがそ
のままに新雪はほんの僅かで雪面は固い。
夏の登山口まで牧場を抜けて約3㌔路面がテカテカの氷状化で歩きにくく1時間は掛かった。

 7:35~40 夏の登山口
先週ここに着いたのは9:18だったので、1時間30分以上早い。標高も約340mとなり積雪も30cm
以上はあるだろうか。昨日の雨はここでは粉雪だったようで固い雪面の上に薄っすらと柔らかい新雪が
積っていて歩き易かった。

 9:55~10:05 1000m稜線
どうしても対比してしまうが、前回は夏の登山口から稜線まで3時間47分を要していたのに対し
今回は2時間15分で登ってしまった。ルートを夏道のある尾根上ではなく、尾根の東側に吹き溜まった
場所を選んで登ったため登行がスムーズに進みスキーをデポしなくても歩いて登れたのが時短に繋が
ったと見ている。
また、稜線直下の標高800mから上は急斜度のためスキー登行は無理と思っていたが、昨夜の新雪
が幸いしてジグを切りながら比較的苦労せず稜線に上がった。



②朝の牧場から計画の全容を見渡す・・・


③スキーをデポせず尾根東側の雪庇上を利用すると意外に容易に登ることが出来た。


④稜線上C1012の濃い薮付近も何とかスキーを履いたまま通過出来た。これを越えるとほとんど
薮はない。1012mからの下り場面です。



⑤遠く感じた1088峰三枚岳までの稜線も意外と近かった。(三枚岳の登り)


⑥エバも時には登場する・・・間もなく三枚岳

★ 密集した潅木帯の稜線もスキーで・・・

10:50~55 1088峰(三枚岳) 頂上
前回、C1012の屈曲点付近でタイムアウトした場所は、若い潅木帯の密集する稜線で非常に歩きづ
らかったが密集しているのはここだけでこの先のルート上に潅木帯が無い事を前山行の帰宅後HP
「甘藷岳山荘」  

で知り、リベンジ意欲がここで高まったことは確かだった。あまいものこさんには感謝の意を表したい。
遠く感じた三枚岳までの稜線は、確かに痩せ尾根という感じで東側に雪庇を形成しているが発達はして
おらず、仮に滑落したとしても斜面の潅木帯に引っかかって止まる・・・という安心感を覚える尾根なので
足取りも軽く早かった。



⑦1088峰(三枚岳)から豊似岳への稜線・・・写真では読み取れないが常に突風が吹いている


⑧三枚岳から豊似岳への下りで僅かながらスキーを楽しめる斜面があったのは嬉しい・・


⑨感動の豊似が目の前に・・・三枚岳から僅か25分だった。


⑩烈風吹き荒れる豊似岳の頂上・・・正面奥はオキシマップ山

★ 感激の抱擁・・・

11:20~30  念願の 豊似岳(1105m) 頂上    (登り 4時間50分)
稜線上はどこも強風が吹き荒れ、特に三枚岳から豊似岳では耐風姿勢を取らなければ倒れるほどの
突風に神経を使った。しかし、稜線は平坦で広くどんどん近づく豊似岳を見ながら歩くので今日は踏め
るという期待の方が強く風には負けなかった。短いがスキーを楽しめた斜面もあって三枚岳から僅か
25分で頂上だった。
雪煙が上がり立っているのがようやく・・の頂上だったが、快晴に近い青空が広がり峰々が幾重にも
重なり合った日高山脈の眺望は、やはり来た者だけの特権だろう。その感動と神々しい神秘に幸福を
感じるひと時だった。
スキーを脱ぎ捨て二人で抱き合って登頂を喜ぶのも久しぶりの事と記憶している。



⑪豊似岳頂上にて・・・強風で立ったままだとバランスを崩すので座って写す。


⑫日高山脈の最南端・豊似岳頂上から北の峰々を望む・・・


⑬豊似岳からオキシマップ山への南尾根を下る・・・C969までは何とかだが。


⑭豊似岳とオキシマップ山の稜線上(C969の少し手前)から襟裳岬を望む・・・


⑮オキシマップ山頂上直下・・・急斜面の痩せ尾根も細かいジグを切ってスキーで登り切る。

★ 想定外・・・

13:28 オキシマップ山(895m) 頂上   (豊似岳から 登り 約2時間)
最後の最後で苦戦するとは想定外だった。C1093のピークまでは広い稜線でスキーを楽しみながら来
れる。そしてC969までの下りも手前は痩せ尾根だが、何とかスキーを履いたまま降りる事が出来た。
しかし、ここからC761コルの下りでは急な痩せ尾根で雪庇は小さいが階段状に繋がりスキーで降り
るには危険を感じ時間も要した。途中からはスキーを背負いツボ足で下ったが・・正解でした。
コルから再びスキーを履いて頂上への急斜度の痩せ尾根を見上げながら慎重に登り、細かくジグを切
り最後の登りに根性を出し切った。(下山開始 13:32)
下りは、南端から南東尾根をスキーで滑って牧場に下り歌別川に架かる橋を辿って林道に戻った。
橋には、14:55.登山口(駐車地)には、15:50に着き無事下山した。




※ 過去の山行ですが一度アップしてから再更新しましたので報告します。