エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

道東遠征その2 フレベツ岳(1097m)~白湯山(916m)

2019年02月14日 | 山紀行 (道東)
道東遠征その2・・・
-21℃極寒の黒い山 フレベツ岳(1097m)
                         白湯山(916m)
■ 山 行 日    2019年2月12日(火)  日帰り
■ ル ー ト    阿寒湖畔スキー場ルート
■ メ ン バ ー     夫婦登山 №4
■ 登 山 形 態     山スキー
■ 地 形 図    1/25000地形図  「阿寒湖」「雌阿寒岳」
■ 三角点・点名   フレベツ岳 三等三角点  点名「風烈岳 フウレツダケ」
           白湯山   三角点無し スキー場の上の山

■ コースタイム   登り 3時間05分  下り 2時間30分
<登り>
09:10     スキー場リフト乗車
09:20     リフト頂上(降車)
09:30     スタート
10:00     白湯山東コル
10:05     フレベツ白水林道出合
10:15     風烈林道出合
10:20     フレベツ岳北尾根取付き
10:50     892P
12:15     フレベツ岳頂上

<下り>
12:30     下山開始
13:00     892P
13:15     風烈林道出合
13:25     白湯山東コル付近
14:10     白湯山頂上

14:25     下山開始
14:30     スキー場近くの作業道(往路のトレース)出合
14:40~50  スキー場リフト終点
15:00     スキー場ロッジ



フレベツ岳と白湯山のGPSルート図

★ リベンジの山(思い出)・・・
2013年4月に遡り、知床「海別岳」遠征の計画を実行すべく準備していた。
しかし、アタック日である二日目が雨の予報となり呆気無く計画は中止。
それでも道東に拘り未踏の1000m超峰に登れないかと探して選んだのが阿寒湖
周辺の「フップシ岳(1225m)」と「フレベツ岳(1097m)」だった。

当時の記録はこちらをクリック⇒ 道東・フップシ岳(1225m)

4月2日、早朝に家を出てフップシ岳登山口となる足寄峠から取付き山スキーと
スノーシューで登り初登頂出来た。
3日は、フレベツ岳に登るため登山口となるスキー場まで偵察に行くとすでにクローズ
していてスタッフによる後片づけの作業中だった。3日からゲートが締まり誰も居ない
と言われたが、ゲート前に車を停める許可は得る事が出来た。

温泉街の公共駐車場で車中泊するも早朝から車の屋根を打つ雨音で目を覚ます。
濃いガスで視界はゼロに近くしばらく様子を伺うも雨が本降りとなりフレベツ岳が中止
になったという経緯だ。そのリベンジが今回となり6年前を思い出した・・・。

当時はHP「一人歩きの北海道山紀行」坂口さんの記録を参考にさせて頂いたが、その
後ネットでヒットする記録が見つからなかったが、HYMLのメンバーたちで出版した
「雪山ガイド」に掲載されたフレベツ岳も参考に今回の挑戦となった。


★ リフト使用山行・・・
山屋なら下から登れ・・・と言われそうだが、楽をしてもピークを踏めば正解のエバ
夫婦を勘弁して欲しい。
昨日の10時間サマッケヌプリと夢のような温泉一泊に乗じて、午前9時から動き出す
リフトを待ってスキー場リフト終点を登山口にしても罰は当たらないだろう・・・。
リフト一回券210円もシルバー割引(60歳以上)で170円だから利用する価値はあ
るだろう?
リフトに乗って約10分で終点となり降車し、早々スキーにシールを貼る。

リフトを背にして少し左側の広く平坦な伐採道を南に進む。



スキー場リフト終点から広い伐採道を歩き始めて振り返る・・・


スタートしてすぐの広い伐採道・・・


途中までルート上にこのポールが一定間隔で立っていました・・

★ 軌道修正・・・
スタートして南を目指すも正確なルートが分からない。
はじめ広い伐採道に沿って歩いているとふとその脇に一定間隔で立っているポールに気が
付いた。よく見ると「防災無線用電源ケーブル」と表示がありこれを辿れば白湯山の東側
に導いてくれるかな?と楽観していると道は急に西側を辿るのですぐ違うと気が付き軌道
修正する事になった。こんな時GPSは偉大である。



白湯山東側の林道を歩く・・・

★ エゾ松の原生林・・・
本来のルートにはすぐ戻る事が出来てロスはほとんどない。
白湯山の東側林道は広く迷う事はないと思うが、どこを見てもエゾ松の濃い樹林帯である。
帰りに登る予定だが道はあるのかと誰かに問いたい気分だ。そんな場所を注視しながらも
見付けられぬまま大きなフレベツ白水林道に出合った。ここまで概ね30分ほどだった。



スキー場からフレベツ白水林道手前にて 前方のフレベツ岳を望む


同場所からフレベツ岳をズームする・・・


広いフレベツ白水林道・・・

★ 雪山ガイド・・・
情報の無い山を地図とコンパスと高度計で登る面白さは充分知っているつもりだ。
しかし、安全に確実なルートが分かるならそれを参考にするのも選択肢である。
フレベツ岳は、HYMLのメンバーたちで編集・出版した「雪山ガイド」(北海道新聞社発行)
でも紹介されているので敢えて冒険するルートは不要だ。

雪山ガイドに従って右300m、左200mと確実にルートを辿るのも検証している様で
楽しいものだ。ただこの先が問題だった。

風烈林道に入り約200m進んだところからフレベツ岳の北尾根末端に取付く。
少しだけ間違えて小さな尾根に乗っかってしまい濃厚な樹林帯に入ってしまった。
最初に目指すものは、地形図上の892Pなので、方向だけ定めて慎重に登った。
この山の最大のポイントはここだ!と私は思った。

892Pからは顕著な痩せ尾根なのでルートを外す事は無く、南に進路を取って
高度を稼ぐと自然と頂上が近くなるものである。とは言ってもGPSで現在地の
確認は怠らず、次の目標は1000mの北尾根末端である。



白水林道と風烈林道の分岐点・・左の風烈林道に進む


林道分岐にある「風烈林道」の標識

★ 今年2座目の未踏峰制覇・・・
フレベツ岳を2月に登った記録をまだ見た事はないが、積雪は全体的に少なく感じた。
雪質はパウダーであるが、グラニュー糖のようにサラサラし過ぎて固まらずスキー
を履いていても沈む箇所は何度もあった。全体的に樹林帯を縫うように登り、下り
のスキーを楽しむことなど考えられないコース取りだった。

それでも一歩一歩登ればやっぱり頂上は近づくものである。
最後の笹藪に苦労しながらも前方が明るくなって「来たぞぉ~・・」と歓喜高まる
至福の瞬間である。

いつもながら初登頂は二人同時に登り、一緒にピークに立った!

今年2座目の未踏峰制覇だ。



頂上直下1050m付近の樹林帯。雪が少なく笹や灌木が顔を出し歩き難い


フレベツ岳頂上・・・


フレベツ岳頂上・・・頂上は小高く木は無いが展望はほとんど無い

★ これからも一歩一歩・・・
夫婦登山の目標達成までは、まだ遥か向こうにある・・・
二人とも健康でケガ無くいつまで山に登れるのか神こそ知る物語だ。
焦ったところで早く目標に達するとは限らず、一歩一歩登り続ける事が目標に
近づくと信じてやるしかない。

今年2座目の未踏峰制覇
あと何座と数えずに行ける時に行こう、登れるときに登ろうが今年のテーマだ。

小雪舞うフレベツ岳頂上の展望はゼロ。でも達成感100%で下山する事にした。

シールを付けたまま登って来たトレースをベースに下り始めた。



2019年2月12日(火) フレベツ岳1097m 初登頂

★ 意外に楽しい・・・
シールを付けたままである。
ちょっと急な下り笹や灌木が邪魔をして怖い。
そろそろとゆっくりスキーを滑らせ少しずつ高度を下げていく。
950まで降りると少し緩斜度となり樹林帯もトレースを辿ると意外にもスキーが
滑って楽しくなって来た。細かなジグを切って登って来たところも上から見下ろすと
滑りやすいルートが目に入りトレースを無視して滑れるのも嬉しい。

892Pから頂上まで1時間半掛かった登りも下りなら30分で着けた。
ここから登りのトレースを無視して空いている樹間を探すと意外にもすぐに見つかり
林道出合までスキーが楽しかった。

シールが付いているから林道はそのまま歩けて次は白湯山を目指すことになる。


★ 白湯山の伐採道・・・
白湯山は916mなので本来は目標外の山であるが、フレベツ岳とセットで登るのが
セオリーのようなので準ずる事にした。
ガイドでは東のコルから登り30分とあり標高差はおよそ100mしかない。
濃い樹林帯も100mの標高差なら我慢して登れるだろう・・。

しかし、結構しんどい登りだった。
出来るだけ広い樹間を選んで登っているつもりでもどこかで障害にぶつかり苦労され
られた。そんな時50mほど登ったところで作業道跡のような道に出た。
このままあと50m直登すれば頂上台地に出られるも楽する方を選びたくなるもので
作業道跡を辿る事にした。少し遠回りも楽をして平らな頂上台地に着いた。

GPSで頂上と標識を探すも見当たらず、再度点となる頂上を確認すると樹林帯の中
に頂上があるようだ。しかし、ここは三角点も標識も無さそうだし広い平らな台地の
真ん中を頂上として写真を撮った。

下りは、出来るだけスキー場の近くに降りたかったので北側に進み、広い樹間を見つ
けて下るとあっと言う間にトレースのある往路に降りた。ものの5分である。

後は、トレースを10分ほど歩くとスキー場リフト終点に着き、ようやくシールを
外してスキー場コースを滑り降り終了、下山となった。



白湯山916m頂上・・・頂上台地だけ広く疎林帯。展望はゼロ。頂上標識も無し。


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※ 遠征その1は、サマッケヌプリ山