エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

気になる未踏の低山・・丹鳴尾山(742m)

2021年02月22日 | 山紀行 (道央・札幌・積丹)
気になる未踏の低山・・・
支笏湖の西側 丹鳴尾山(になるびやま)(742m)
■ 山 行 日     2021年2月22日(月)  日帰り 晴れ~曇り
■ ル ー ト     美笛林道~東尾根ルート 往復
■ メ ン バ ー      夫婦登山 №9
■ 登 山 形 態      山スキー
■ 地 形 図     1/25000地形図 「白老岳」
■ 三角点・点名    三等三角点  点名「丹鳴尾 ニナルビ」
■ コースタイム    登り 2時間40分  下り 1時間10分
<登り>
09:50         登山口(国道出合)
10:45         出発から約2帰路地点(C290付近)
11:42         C530尾根合流
12:30         丹鳴尾山(742m)頂上

<下り>
13:00         下山開始
13:10         C530合流点
13:25         東尾根取付き点(C340付近)
13:30~35      シールを貼る
13:40         林道出合
14:10         登山口P



GPSを元に地形図に移行したルート図です・・・

★ 触発されて・・・
山友が2/10に登った記録を見て触発された。近くに居ながら聞いたことが無い低山。地形図に
山名が無いので三角点を調べると三等三角点を有し点名は「丹鳴尾ニナルビ」だった。その北にあ
る805mの「鳴尾山」には三角点が無いので、どういう経緯でこの名が付いたのか知りたいとこ
ろだ。ともあれ、山友の山行記には興味を持ち行って見たくなるのは愛好家の性なのだろうか?


★ 敢えてスキー・・・
山友はスノーシューで登っていて、深雪のラッセルでヘロヘロになったらしい。また、515の尾
根は痩せていて両サイドが落ちて苦労したとも書いていた。私たちは最初からスキーを使うつもり
だったが、同じルートならもっと苦労しそうだったので地形図を吟味し、別ルートを模索する。

すると彼らのルート北側には小沢を挟んで少し広めの小尾根があり斜度も緩そうだった。美笛橋を
渡ってから取付けそうな場所を現地の状況とGPSで確認しながら歩き、2㎞の標識あたりからト
ドマツの人工林に入る事にした。取付き点は地形図を参照して欲しいが、若干雪は少なく笹が出て
いる個所もあるが慎重にジグを切りながら登ると間もなく緩斜度の尾根上に着く。すると50m程
登った尾根上に作業道跡と分かる道に出合い、その道が目指したい方向に延びているようなので利
用する事にした。その作業道跡はより顕著になり邪魔になる木も無く515の尾根に近づくではな
いか!515の尾根手前で作業道は不明瞭となるが、斜面をひと登りすると尾根上に出合い、スノ
ーシューだらけのトレースと合流した。危険な痩せ尾根を回避した先で緩斜度の広い尾根になると
ころだった。

ここからは完全にトレース泥棒。
そして、スキーならではの斜面のトラバースも容易にルートをクリアし、頂上直下の大きなオープ
ンバーンもジグを切れば苦労せずに頂上台地に達した。



駐車地から美笛キャンプ場に向かう道路だが、数ヶ所の倒木が道路を支障していた・・・


写真は帰路に撮ったものだが、電柱もなぎ倒され電線が地面に垂れ下がり無残だった。


後半は、きれいな個所もあるが小枝の散乱は酷く歩く場所を選んで通過した・・・

★ トドマツの人工林・・・
道路脇の平坦な敷地にはトドマツが植樹された樹林帯になっている。しかし、人工林なので規則正
しく植えられていて中に入っても前が良く見えていた。トドマツ林を抜けるのにさほど時間は掛か
らず、取付き点まで迷う事は無かった。



規則正しく並ぶトドマツ林、比較的明るく先が見えるので迷う事は無かった。


尾根に取り付き少し登ったところ・・・


C450付近の作業道跡を歩く・・・


C550付近の尾根上は広く緩斜度だった・・・


上とほぼ同じ場所・・・




C600付近の尾根上はビューポイント たまには被写体チーヤンに撮ってもらう 背景は支笏湖と恵庭岳


C600手前から支笏湖と雲に掛った風不死岳を望む




頂上直下の登りで望む白老岳とホロホロ山・・・


頂上直下のオープンバーン、下りのスキーは面白かった・・・

★ 丁度良い2時間半の登頂・・・
スタートが9:50と遅かったが、最初の1時間は林道歩きだった事を考えると登行は1時間半で
登頂した事になる。ルートの選択も幸運で苦労もしなかったし、合流した尾根からはトレース泥棒
で更に楽をさせて頂いた。GPSはありがたく登り切れば頂上台地と分かるので気持ちに余裕が出
来る。風は弱く比較的暖かいし視界もあるので、絶好の登山日和となった。



広い広い頂上台地・・・


あのダケカンバの木に頂上標識があったが、本当の頂上は20mほど先だった。


釘で直打ちされた頂上標識・・・木の成長にはあまり影響は無いと知るが。

★ 看板があれば撮るさ!・・・
事前に記録を見ていたので、頂上台地の様子や標識がある事は知っていた。
色々気になる点も多く・・・古い山屋の考え方かも知れないが「物申したい」気分は避けられない。
ただ最近はSNS上(私もYAMAPやブログでアップ)で記録を紹介しているので、すぐにメジャー的
に登る愛好家も急増している事を問う事は出来ないし、多くがこのスタイルで登っているとすれば、
それが常識なのかも知れない。

以前は「冬山に看板は要らない」と言った事もあった。
看板を釘で直打ちする事は、木を痛める原因になるので以ての外と批判をした事もあった。
更に冬ルートを限定するかのようにルート案内板まで作り登山者を誘導する事は非常に危険な行為
で黙ってはいられなかった。こうした行為をする方たちにとっては、冬山をより安全に楽しんで貰
おうと言う親切心なのだろうが、本来の冬山の楽しさを奪い、冬山の厳しさを忘れさせる行為でも
ある事を知って欲しいと思う。この山が「丹鳴尾山」と呼ぶなら自作の標識を持って頂上で撮れば
良いし、誰かのトレースだけを頼らず自分で考え、自分が選んだルートを辿る面白さを知って欲し
いと思う。吹雪になったらどうすればいいのか、日が暮れたらどうすればいいのか、冬山に必要な
装備は持っているのかと要らぬ心配をしてしまうから始末に悪い。

いずれにせよ、どんな頂上でもそこに看板があれば登頂写真としてその前で撮りたくなるのをダメ
とは言えない。俺だって撮るさ!



2/22 丹鳴尾山(742m) 初登頂


頂上標識があれば、ここまで来た証となるので撮るさ。

★ 山スキーお勧めのルートです・・・
下りでスキーの写真を撮るつもりだったが、相方のチーヤンがすぐ後ろから付いて来るので撮る暇
もなく、撮ろうと思ったらセルフタイマーのままだったりですっかりチャンスを逃してしまった。
そんなこんなであっと言う間の下山となり山頂から30分足らずで降りてしまった。

相方も楽しかったようで、ここならまた来たいとリクエスト・・。
頂上からの展望の良さ、時間に余裕があれば北隣の「鳴尾山」まで足を延ばすも良いかも知れない。
滑りだけを求めるBC向きとは言えないが、山スキー派にはお勧めのルートだと思った。近々機会
があれば再訪し、再び報告が出来ればもう少し役に立てるかも知れない。



最後の林道出合はこの地点だった・・・


帰路も倒木を避けながら約30分で戻る事が出来た・・・