エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

乗り鉄旅、日々の発信は難しかった・・・

2021年04月09日 | 日記
乗り鉄、終わって見れば
  日々の発信は難しかった

一昨日(7日)、予定より1時間早く帰宅し「乗り鉄」の退職旅行が無事終了した。
総距離1681㎞、まさに乗りっぱなしの旅だったが天気に恵まれた3日間で車窓から眺める山並
みと風景は想像以上に素晴らしかった。
長い列車の旅だからと車中でブログをアップしようとノートPCを持ち込んだのに慣れない事は出
来る訳も無く、リアルな報告が出来なかった事は反省だった・・。また、ホテルでも一応PCを開
いて写真を取り込んだり、アップもしようと思ったが、家にいるような落ち着いて出来る状況では
無く一杯飲んだらもう終わり・・・という感じだった。
結果このアップは8日から自宅で3日間分をまとめて報告する事になってしまった。

結局、言い訳から始まる乗り鉄の旅報告で、いつもながら長いから興味のない方は、
ここで読むのはスルーしてほしい。



4/5 おおぞらの車内から撮った釧路近くの太平洋・・・


3号車指定席を座席から撮る・・・

退職旅行、始まり、はじまりぃ~

<4/5(月)>
追分7:33発、釧路行き特急おおぞら1号は定刻に到着、この駅から乗車したのは私たち二人
だけだった。「乗り鉄」と言ってもそれはただの気分だけで、JRのマニアでは無い。ただ今回
の旅は、会社から頂いたJR10日間乗り放題のきっぷを利用して、乗っていないJR線を短期
間で周って見ようと計画した2泊3日の旅だった。
一日の大半は列車の中で今日も8時間以上乗ったままの旅であるから「乗り鉄」を名乗っても差
支えは無いと思う。

現役の頃、通勤時もJR利用だったが、列車に乗るとすぐに寝るのが習慣で、車窓を楽しむ気持
ちはあっても座るといつの間にか眠気に変わってしまう・・。それに対してチーヤンは、ずっと
窓の外を眺めて景色を楽しんでいるので、申し訳ないと思いつつ眠気が勝ってつい寝てしまった。

十分過ぎるほど時間があるからノートPCを持って行けば、ブログのアップも日々できるかな?
と思ったが、飲み鉄もしたいと言いながら眠っている時間も多く、車内で旅情を語る文章をPC
で打とうなど当初から無理だったのかも知れない。

おおぞら1号は、5両編成で指定席は1号車~3号車だが、乗車率は20%ほどだった。自由席
はもっと空いていて、足を伸ばして飲み鉄がしたければ、自由席の方が良いかな?と思うほど。
コロナ対策で乗務員の車内改札も無く、無言の巡回で何度か通り過ぎるだけだった。

お酒も用意して「飲み鉄」も楽しみたかったのに、車内ではマスクの着用とか会話は控えめに、
なんて車内放送が流れると独り酒でも控えてしまう小心者だ。

なので、おおぞらの車内では飲めないまま釧路に到着。乗り換えた「快速・ノサップ」に乗った
時、勇気を出して「菊水・ふなぐち」の栓を開けた次第だ・・・。


★ 初めての花咲線・・・
乗り換えの時間は14分と僅かしかない。釧路駅で降りてすぐに乗り換えホームへ向かう。
キハ54系気動車1両編成のワンマン列車だ。ここから未知の135㎞花咲線の旅が始まった。
乗客は意外にも多く二人用の座席の片側はすべて埋まっていた。見ると私たちと同じような旅行
者風・マニア風の客層で地元組は少ないのかな?と素人目線で見てしまう。
54系の車両は、座席の向きが固定され、真ん中の左右各4席だけが向かい合わせのBOXタイ
プで間にテーブルがある。その前後の半分の席は進行方行を半分は後ろ向きで固定されていた。
残念ながら私たちは進行方向に向いている席には座れず、ずっと後ろ向きで座り居心地は良くな
かった。

終着根室には11時22分着で2時間10分もあるので、車窓と停車駅を一つ一つ確認しながら
乗り鉄を楽しむ事にした。いくつかの駅を過ぎた頃、ちょっと喉も乾いて来たかなと冷やして来
た「菊水・ふなぐち」の栓をようやく開けた。



釧路駅で乗り換えた「快速・ノサップ」キハ54系気動車1両編成だった。


勇気を出して「ふなぐち」の栓を開ける・・・

★ 折り返し12分・・・
ふなぐち1本でほんのりと顔を赤らめ、着いてしまえば早く感じるも列車は折り返しの使用で12
分後には発車する。乗っていた乗客は全員下車し、改札口へ。車両は、車内清掃を行うのでドアが
閉められる。折り返しの列車に乗る乗客は、当然ながら根室駅からもいるので改札口で並んでいる。
ならば私たちもと5人目に並び改札を待った。

前に並んでいたのはほとんど地元組だったのか、先に乗っても真ん中のBOX席に誰も座らない。
私たちは余裕で席を確保出来た。なので復路は快適な135㎞を楽しんだ。

変な話だが、ワンマン列車なのにどこに座るかで優劣を感じる車両だったが、地元風の乗客はみな
どちらともなく空いている席に座っていた。そしてBOX席が空いていても決して座ろうとする人
は無く、復路ではもう一つのBOX席は最後まで空いたままだった。

また話は前後するが、根室駅では駅から外に出る事も無く迫る発車時刻だけを気にして清掃の終わ
った折り返しの車両に乗っただけ。復路は完全ローカルの各駅停車。往復270㎞、約4時間半の
乗り鉄は初めての体験だったが、ワクワク感もあってか疲れる事はなかった。



根室駅にて 






席を確保してから旅行者らしき記念写真も撮ったりする・・・


車両の真ん中だけがBOXになった席、レモンサワーの栓を開けてまた一杯飲む・・・


釧路駅前の某ホテルから・・・部屋は9階だった


部屋から望む「阿寒富士」と「雌阿寒岳」が意外にも近かった・・・


初日に選んだ釧路の居酒屋さんは、駅裏にある「居酒屋大ちゃん」店の前で18時開店を待って一番の入店


狭い店内も小上がり席で自撮り、一応感染対策がされたお店でしたが途中からシールは外して飲みました・・


刺身の盛合わせは、ソーシャルディスタンスなのか一人前づつに分けて提供・・・ネタは新鮮も小さかったのが不満


この店一番は「釧路ザンギ」ニンニクと生姜味のハーフアンドハーフを注文。これは美味かった!

★ 一日目を終えて・・・
「乗り鉄」の旅も悪く無いな!・・・と素直に思える一日だった。
8時間以上列車に乗っていたけど、さほどの疲れも無く車窓からの景色も充分楽しめた。特急おお
ぞらの車内では飲み鉄を遠慮してしまったが、快速ノサップではチビチビ飲んでほろ酔い気分。
快速と言ってもほとんど各停のローカル列車、駅名が読めずに調べるのも楽しかったし、途中何度
か鹿の群れが線路脇に居て警笛やブレーキを掛けながら運行するのもローカル線らしく新鮮だった。

予約していた釧路駅前のビジネスホテル。素泊まりも大浴場と朝食のサービスがあり大満足だった。
夕食は駅そばの居酒屋さん。地元の美味しい刺身と名物釧路ザンギは美味だった。

<4/6(火)>
今朝も朝から快晴になった。
チーヤンは朝風呂を楽しみ、朝食のサービスは6:45から頂く。のんびりした朝も8時にチェッ
クアウト、散歩する余裕も無くホテルから目の前の釧路駅へ2日目の旅が始まる。

昨日のJR線は557.5㎞で約8時間強乗車していた。
今日は釧網線169.1㎞と石北線237.7㎞で合計406.8㎞ 約7時間強の乗車だ。



4/6 釧路駅前で・・・


釧路駅前に建つ素敵な教会・・「釧路グレース教会」


今日の乗り鉄は「釧網線」と「石北線」・・・




4/6 昨日と同じ54系 「快速・しれとこ摩周号」網走行きに乗る




湿原に流れる釧路川に沿って釧網線が続く・・・


塘路湖がすぐ傍にあるJR塘路駅


摩周駅を過ぎた次の駅「美留和」と書いて「びるわ」と読む


しれとこ摩周号の車内にて・・・

★ 釧網線の素晴らしい車窓風景・・・
先月遠征登山で登った「海別岳」の帰りは、この釧網線に並行した国道391号線を走って釧路ま
で来た。だから、見覚えのある風景を思い出しながら今度は違う目線でJRの車窓から眺めている。

釧路を出発して楽しみだったのが「釧路湿原」の風景。
雪解けののどかな湿原を通る釧網線と飛来する丹頂鶴が一羽でも見られたら幸いだった。
車窓から見る塘路湖、沿線を流れる釧路川、湿原には白鳥や渡り鳥も一部羽を休めて期待の丹頂鶴
も見る事が出来た。湿原が終わり標茶駅を過ぎると風景は山間部となり摩周駅の足湯は懐かしかっ
た。川湯温泉駅で停車した時、目の前には「硫黄山」が鎮座してその大きさに驚いた。
山を越えてオホーツクが近づくと車窓右側にはサマッケヌプリや標津岳を眺めながら主峰斜里岳が
真横に見えて来る。遠征で前泊したばかりの知床斜里の道の駅、ここからは海別岳の眺望が今も鮮
明に蘇った。

知床斜里~網走まではオホーツク海沿岸沿いの涛沸湖や小清水原生花園の中を走る観光列車の様な
気分になるものだ。快晴の青空に知床連山を一望し、来て良かった、乗って良かったとうなずく満
足の釧網線だった。



車窓から望む素晴らしい風景「斜里岳」は札弦駅付近がビューポイント


知床斜里駅付近からは、先月登ったばかりの「海別岳」を望む絶景!


斜里岳のズームを別の角度で激写・・・


オホーツク海沿いに走る後半の釧網線から知床連山の絶景は感動的である・・・

★ 寂し過ぎた網走駅前・・・
北海道の広大で自然豊かな大地に線路があって人々を運ぶJR。
昨日の花咲線もそうだが釧網線も赤字経営のローカル線である。苦しさゆえ経営も困難と言う事で
廃線も視野に入っている各線ではあるが、始めて乗って見て失くしてはならない北海道の財産だな
ぁ~とつくづく実感した。確かに100㎞を超える長大路線で、存続には膨大な経費が掛かるのは
理解する。そして、線路に並行するように道路の整備もあり乗車率が少ないのは悩ましいところだ。
現実は厳しいのかも知れないが、これほど自然に優しくこれほど風景にマッチした光景は北海道な
らではと思うし、守るべき・残すべき財産がここにあると思った。

でも、網走駅で降りて我に戻った。
駅前に点在するホテルや旅館はあれどコンビニやお土産店は近くに無く、駅構内にある売店と食堂
が唯一の救いだった。何故これほど寂しい駅前になってしまったのか?・・・。

乗り換える40分ほどの間にお土産でも買えたらと思ったが、駅売店で売っていた生ビールが唯一
自分へのお土産だった。



網走駅にて


乗り換える特急「大雪」


利用する乗客は疎ら・・・閑散とした網走駅だった。


昔懐かしい183系気動車の行き先表示板


指定席に座ったが、他に3名しかいない車両だった


感染対策が必要無いほど閑散とした車内・・・

★ 遠軽でスイッチバック特急・大雪4号・・・
網走から乗った特急・大雪4号は昔懐かしい183系気動車である。
ディーゼルの力強さと重厚感が新型車より好きで座席もゆったりしているし、乗れて良かったと
思った。指定席の1号車には数人しか居なかったので車掌に許可を得て座席を回しBOXにした。
ゆったりと足を伸ばし本日の終着「旭川」まで3時間50分の旅を楽しんだ。

途中の遠軽駅で列車の進行方向が変わり、先頭4号車で私たちの1号車は最後尾となった。

ほとんどが山間部を走るので車窓からの風景は山ばかり、雪解けが進んだ低山は山肌を出して笹
と残雪のコラボだが、奥に見えて来る真っ白い山を見付ける度に山座同定するために地形図のア
プリを起動し、武利岳や屏風山、チトカニウシ山や天幕山などをじっくり眺め、最後は表大雪の
主峰「旭岳」をはじめとする山並みに感動しながら終着「旭川」に着いた。


★ ホテルJRイン旭川・・・
朝、釧路を出て釧網線で網走まで・・・そして、網走から石北線で旭川まで・・・。
2日目の旅を振り返って長くも短い一日にJRの旅を満喫した気分で旭川駅を降りた。
最近出来たばかり駅直結のホテルJRイン旭川を予約していた。ここも大浴場があって感染対策
のため入浴人数の制限もされていたが、入った時は他にひとりしかいなかった。露天もあって快
適なお風呂に満足である。楽しみの夕食も駅近くの居酒屋をチョイス。来店直前にネット予約し
て個室に入る。10%引きクーポンも使えてお得感ありだった。お刺身盛合わせ、焼き鳥やつく
ね、庶民的なメニューで満足の夫婦だからお腹を満たせば十分だった。


<4/7(水)>
車窓から眺める風景を楽しむ時、どうしても意識してしまうのが「山」である。
普段車を運転して眺める山とは違い、車窓から見る山はその角度も違えば景色と共にじっくりと
観る事が出来る。旭川から稚内まで距離は259㎞もあるのに3時間半ほどで着けるJRの偉大
さに気が付いた。線路脇には雄大な天塩川が流れ、幌延を過ぎる頃車窓左手には利尻山が見え始
める。それは離島とは思えない距離感と裾野を広げた陸続きの山に見えるのは、車から見る風景
とは一味違った。

特急・宗谷は札幌始発の列車で旭川から乗るとすでに乗客は乗っている。予約した指定席の近く
に何人か座っていたので、密になるのを避けたいと空いていた自由席に移りBOX席にして座る
ことが出来た。
宗谷は261系気動車で稚内から折り返しサロベツ4号として運行する。帰りも指定席の状況を
見ながら座る席を決めたいと思った。





車窓から望む利尻山だが、山頂部が雲に覆われて裾野しか見えなかった・・・


指定席から自由席に移動した最後部の車両にて

★ 最北の駅「稚内」も折り返し・・・
車では何度か訪れている稚内駅と市内。せっかくJRで来たのだからここが日本最北の駅だと噛み
締めながら外に出てもっと実感したいものだが、なにせ直ぐに折り返す列車のダイヤでは、慌ただ
しかった。ここでは名物駅弁を買う事が第一だったが、お目当てのウニ弁当は時季外れで無く、四
大カニ弁当と生ビールをテイクアウトし車内に持ち込んだ。

乗り鉄の旅も終盤となり、再び旭川に戻ればもう旅の8割は終わる。



稚内駅にて 折り返しのサロベツ4号と一緒に撮る・・・


セルフタイマーのシャッターが切れる頃、別の客がカウントダウンするので笑ってしまった・・・


旅の楽しみ「駅弁」と生ビールでいよいよクライマックス気分・・・


ここに来てようやく2本目のふなぐちだからね。まだまだ飲み鉄にはなれない・・・


チーヤン、飲まないけど・・・


四大カニ(タラバ、毛ガニ、花咲、ズワイ)弁当・・・味も値段も良いが量は少ないのが残念。


小食なチーヤン・・・四種カニを少しずつ食べて終了


上川付近から望む大雪山系の山々をそして旭川が近づくと十勝連峰も一望する風景となる・・・右の山は旭岳

★ 旅を終えて・・・
贅沢を言えば、2泊3日の乗り鉄は楽しかったが、やはり大変だった。
10日間有効のきっぷなので、本来の観光も兼ねてゆっくりした鉄道の旅を満喫しても良かったか
な?とわがままに振り返る。凝縮した旅が余りにも良かったので、ならば3泊4泊5泊と増やす旅
を夢見てしまうが、現実に戻るとこれ以上の贅沢は言えない事情だ。それに先にも書いたが、観光
するには季節的にも中途半端だし、どうしても車が必要になる。以前の計画ではレンタカーも利用
していたが、GOTOトラベルの割引やクーポンの差は大きかった。

1681㎞の鉄路を特急指定席を利用する夫婦旅は、生涯でこれが最初で最後だと思う。
どんどん廃線になる北海道のローカル線は、その現実を見ると反対ばかりも出来ないが、旅情だけ
で黒字になる事は無いし、もっと利用しようと呼び掛けても人口そのものが少ない北海道と広大な
広さの鉄路維持を考えると、鉄道好きなら今が贅沢しても利用する最後のチャンスなのかも知れな
いと思った。

車中でPCを開いてブログをアップしようなんて・・・
ホテルでゆっくりブログ更新も元々出来ない性分だったと今になって悟るところだ・・。

帰宅してからもアップに2日間も掛かるのだから、だらだら感もありくどい文面は自分でも呆れる。