エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

月一度会える、母親の受診で・・・

2022年10月29日 | 在宅介護
月一度会える、母親の受診で


7月14日、自宅前の草取りをする母親・・・一見、要介護者とは思えない元気さだが。

8月21日から介護施設の「ロングショートスティ」を利用出来るようになって早2ヶ月が経った。
要介護2の母親は、施設入所は出来ずショートスティかロングショートスティを利用しながら在宅
介護が基本になっていた。ただ、ショートもロングも施設内の部屋数と他利用者との事情等もあり、
母親利用には幾つかの制限もあってどうしても在宅介護の日が月に数日は必要になっていた。

在宅中の母親は、ほぼ一日中ソファーに横たわりながらテレビを見ているだけだったが、時々外に
出て庭の草取りを始めた事も何度かあった。注意でもしてしまうとすぐ興奮し、罵声のような言葉
になって返されるので、静かに見守るのが一番だった。「昼ごはんが出来たよ~」と声は掛けるが
家の中に戻って来るのは、しばらく後だったりする。
夏なのに「寒い寒い」と言っては、ストーブのメモリを上げたり、寝る時の湯たんぽも欠かす事な
く、入れたかどうかの確認は毎回だった。ガスコンロは使えないよう元栓を止め、包丁も仕舞い、
新聞と電話も止めた。
楽しみは三度の食事・・・妻チーヤンが毎回作ってくれるが部屋に運ぶのは私だから、私が作って
いると思い込んでいる。各食事が、自分の中で少しでも遅いと「弁当どうした!」とドアを開けて
二階に居る私たちに叫ぶ事もあった。

そんな母親も夕食を食べると、7時過ぎにはベットに入るし、トイレも自分で行くのでその点だけ
は、ありがたかった。

脳梗塞・失語症と診断され、何気な会話は出来てもそこに正しい言葉は稀で、食べているおかずも
何を食べているのか言葉にはならない。「美味しかった」だけは毎回言っていたので、食欲だけは
歳以上にあったと思う。

一見、介護は必要なのかと思えるほど元気なのだが、一日見守っていないと危ない事も分からずに
行動するので目が離せない。だから在宅中は私か妻のどちらかが介護役となり妻が仕事の時は昼食
を準備してから出掛けていた。部屋の掃除、洗濯はもちろん仏壇のお供え物も毎日替えてくれてい
るのは、妻だった。だから、私が食事を運び一緒に食べて寝るまで見守る・・そんな在宅介護をし
ていた。

それも今は無くなり、ある意味夫婦だけの生活になっている。
母親は「ロングショートスティ」を利用しながら実質「入所扱い」と同じ状態で、私たちが帰宅を
望まない限り家に戻る事は無い。ただ、月に一度病院での受診があり、施設では無く家族が同行し
なければならないので、私が迎えに行って病院に行くので唯一直接会えることが出来る。コロナ禍
で施設内での面会は、今も出来ないので、この時だけ直接会えるのはありがたいと思っている。

施設利用から2ヶ月が経ち、これから寒い冬に向かう。
施設内では暖かい部屋も用意されて、昼間のレクリエーションも入浴も夜の見守りもすべて見てく
れるので安心している。

いまでも、「これで良かったのか?」と自問することはあるが、母親にとっての幸せを思うと自宅
が一番心地良いのかも知れない。しかし、介護する側つまり私たちにとって介護するために感じる
負担はあるだけに、これを無くしたいと思うのも正直な気持ちなのだ。
「かあさん、ゴメンね・・」と思いながら、実質入所となった施設利用が、母親にも私たちにも一番
いい選択だと思うようにしている・・・。