岩波新書から上川あやさんの「変えてゆく勇気ー「性同一性障害」の私から」という本が出ています。最近、毎日新聞でも「境界に生きる」という連載記事で性同一性障害のことを取り上げていますが、私は薬害エイズをきっかけにHIV陽性者や難病患者さんとお話をする中で希少疾患の人たちが現代社会に生きることの難しさを感じ関心を持っていました。最近になって山の手の会に参加してくれた議員さんが性的マイノリティについて関心を持っておられるとのことで勉強のために「変えてゆく勇気」を読みました。性同一性障害をひとことで説明するのは難しいですが、自分の性に対して精神的、肉体的に違和感を感じることで、性同一性障害者特例法で一定の要件のもと性転換手術を性を変えることが出来ます。著者の上川あやさんは男性として生まれましたが男性であることに違和感を感じ青春期に学校生活で悩みます。しかし自分の悩みを人に言うことも理解してもらうことも出来ません。性同一性障害者のサークルを知り性を女性に変えることを決断し女性として生きるようになりますが職場などに言うことができず悩み、自分らしく生きることの難しさを感じます。そして生きづらい社会を変えてゆくために、カミングアウトして区議会議員選挙に立候補して当選し活動を始めます。この本は上川さんの生まれた時から思春期を通して性同一性障害者としての体験、現代社会で自分らしく生きる難しさとともに、性同一性障害者特例法の陳情活動や国会での審議過程も記述されていて非常に勉強になりました。小さな声でも自らが当事者として生の声を社会に伝え生きづらい社会から生きやすい社会へ変えてゆくことの勇気をもらいました。上川あやさんに感謝します。
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