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最近出会った二つの本ー小さな声から社会を変える

2011-10-30 09:38:13 | 日記
 自分らしく人間らしく生きるということは現代社会ではなかなか難しいようですが、歴史を振り返ってみると封建時代のような時代でも貧乏旗本で下級武士出身の勝海舟のように時代背景にとらわれず自分の思うようように上に向かって発言し処分されても自由に行動して幕府の最高執行者となって徳川幕府、封建時代を終わらせた人物もいます。勝海舟に対する批判、差別、偏見はものすごいものがあったようです。
 さて、現代社会のように身分階級もなく自由に生きられそうな時代に、なぜか人は生きづらさを感じています。なぜなのでしょうか?よくわかりませんが、物も思う通り手に入り効率的に事が運んで便利なように見える社会で、閉塞感を感じ、効率的なレールから弾き飛ばされた少数者(マイノリティ)は差別、偏見に苦しんでいます。
 どうすればよいのかと考えていたところ最近二つの面白う本に出会いました。一つは学生時代からビルマ難民問題に出会いNGO活動に没頭していた若き女性が自己免疫疾患系の難病にかかり難病患者として大変下ことを書いた大野更紗さんの「困っているひと」(ポプラ社)。もう一つは性同一性障害者として男性に生まれながら違和感を感じて悩み女性として生きる決意をしてカミングアウトして区議会議員になった上川あやさんの「変えてゆく勇気」(岩波新書)です。それぞれに違いはありますけれど二人とも少数者として自分の存在に苦しみその存在を人に言えず社会制度の手続きに難しさを感じ、大なり小なり差別・偏見も体験しています。この二人が体験した社会制度の手続きの難しさは、私たち日本国民が享受している社会制度です。この社会制度の問題点をそれぞれの体験がら具体的に書かれています。そして小さな声ではありますが生の声で社会に訴え行動して社会を変えようとしています。
 自由で便利な社会でありながらなぜか生きづらさを感じる現代社会。差別・偏見も人が生み出しているものです。私自身の中にも差別・偏見の芽は持っています。生きづらい社会に立っている自分をもう一度見直し一人一人の個性を分かち合い、そして当事者意識を持った気づきの中から生きづらい社会から生きやすい社会に変えていく勇気を小さな二人の声から学びました。
コメント
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