「一消一長は、世の常だから、世間は連勝連勝なんぞ狂喜し居れど、しかし、いつかはまた逆運に出会はなければなるまいから、今からその時の覚悟が大切だよ。その場合になって、わいわいいっても仕方がないさ。今日の趨勢を察すると、逆運にめぐりあふのもあまり遠くはあるまいよ。しかし、今の人はたいてい、先輩が命がけでやった仕事のお陰で、顕要の地位を占めて居るのだから、一度は大危難の局に当つて試験を受けるのが順序だろうよ。」(勝海舟「氷川清話」より)
日清講話の明治28年の勝海舟の談話ですが、調子の良い時でも常に難の備えをということでしょうか。現代にも通じる勝海舟の言葉です。