後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔593〕鈴木清隆さんからご著書『ごぜ奇譚』(『模索』編集室)をいただきました。

2023年06月03日 | 図書案内


 数日前に鈴木清隆さんから『ごぜ奇譚』(『模索』編集室、195頁)という本が送られてきました。ジョアン・ミロを思わせるような色合いと造形が素敵で、ハイセンスな美しい表紙です。
 挟み込まれた手紙は以下のように書き出されていました。

 「作品集を寄贈させていただきます。拙い作品と思いますが、長いあいだ気になってきたテーマをわたしなりに表現することができたように思います。同人誌や応募の機会にご批評いただけたことが励みとなり、なんとかまとめることができたものです。」 (略)

 メールでお礼を送ると、早速こんなことも書いてくださいました。

●福田三津夫さま
  ご連絡ありがとうございます。
  拙い作品ですがブログで紹介くださるということ御礼申します。
  寄贈いただいている『実践的演劇教育論』『結・祈りの彫刻』の二冊をおりにふれ開いています。
  お二人それぞれ世界を切り拓いている。そのことに嬉しさと刺激をいただいています。
                         鈴木清隆

  鈴木さんは東京学芸大学の少しだけ先輩になります。
 たしか雑誌『ひと』の編集委員もされていたのではないでしょうか。ことば遊びの授業に先鞭を付けた方で、『ことば遊び、五十の授業』(太郎次郎社)は多くの人に読まれました。小学校の校長時代に、研究会の講師としてお呼びしたこともありました。
 多才な方で、このブログでも『橋本義夫論』を紹介させてもらいました。
 詩や童謡も作られ、『詩&童謡 夜中のかぜがあそんでる』という本も出版されています。
 さて 『ごぜ奇譚』ですが、今回は物語です。物語創作は学生時代から手がけられていたといいます。掲載されている6つの話は表紙にちりばめられています。これからじっくり拝読することにしましょう。

 同封されていた「『「画家たちの仕事とギャラリー』2 出版記念展」の案内も紹介しておきます。




〔592〕6月2日(金)、記録的大雨の日に「東海第2原発再稼働反対」駅頭行動を行いました。

2023年06月03日 | 市民運動
  昨6月2日(金)、清瀬駅近くの消費生活センターで清瀬・くらしと平和の会の例会が開かれました。談論風発、議論はなかなか終了しない中、「東海第2原発再稼働反対」駅頭行動に移りました。この日は大型台風2号と梅雨前線の影響で、記録的大雨が予想されたので、少しでも早く会を閉じたかったのです。
 ところが駅に行くまでの道に雨水が溢れ、靴はずぶ濡れです。せっかくペデストリアンデッキまで辿り着いたのでしっかり記念撮影をしました。道行く人はまばらでした。





  肉球新党作成のプラカードも用意しました。







  話し合いの時、私が仲間からいただいた小冊子も紹介しましょう。





◆沈思実行(147)
  財界待望の軍需産業振興法案
  最近、自公政権が戦時中の軍部のように「欺まん語」を使う

                   鎌田 慧

 「防衛装備移転」とは、政府の大衆ギマン語。平和国家として、プラ
イド高くみずから禁じてきた「武器輸出」のことだ。自分が殺人を犯さ
なくとも、殺人者に兵器を売りつけることなどはできない。
 だから「防衛装備」に隠れて、「移転」名目で武器輸出する。
 「敵基地攻撃能力」を「反撃能力」などと言い換え、ウソのオブラー
トでくるんだ「偽造語」政治。
 最近の自公政権が、戦時中の軍部のように「欺瞞語」をつかうように
なったのは、国会多数、野党弱体と軽くみてのことだ。

 連休明けに国会で強行されようとしているのが「防衛産業強化法案」。
 すでに4月の衆院安全保障委員会で、自民、公明、立憲民主、日本維
新の会、国民民主党が賛成している。
 まだ、社民、共産、れいわなどの党が反対しているから、「翼賛体制」
にはなっていないが、いよいよ、財界待望の軍需産業振興。

 76年、三木内閣のときに、全面禁輸が決められた。
 朝鮮戦争、ベトナム戦争では「特需」として、弾丸の輸出や戦車の修
理などで企業が潤った。それが日本経済の発展の下地をつくった。その
記憶が財界にある。

 安倍内閣で、防衛装備移転三原則を閣議決定した。これまでの実質的
な禁輸政策としての「武器輸出三原則」を「防衛装備移転」と言い換え
たのだ。
 これによって、「平和貢献」、「国際協力」などの美名で輸出に道を
ひらいた。が、運用は厳しく制限されてきた。

 ウクライナ戦争を奇貨として「軍需産業」が動き出した。世界の軍需
産業は受けに受けている。それで安倍首相がひらいた戦争への道を、い
ま岸田首相が安倍派に迎合して、むりやり進めている。

 今まで年間5兆円程度で抑えてきた防衛予算を、岸田内閣は今年度か
ら5年間で43兆円とする。年平均1.6倍。5年目には2倍。米国、中国に
つぐ軍事予算となる。そのための増税が待っている。
 そして自国の防衛産業の強化と米国からの兵器のバカ買い。さらに余
剰兵器の輸出で、三菱重工、川崎重工、三菱電機、日本電気、富士通、
IHIなどが昔の夢を追う。
               (5月17日「週刊新社会」第1307号)

〔591〕労作『「希望」を生きる-里見実がのこしたもの』(里見実追悼文集)が届きました。

2023年06月03日 | 図書案内


  このブログでも取り上げましたが、教育学者・里見実さんは昨年5月9日に逝去されました。その死を悼んで、ほどなく、里見実追悼文集刊行委員会が立ち上げられました。昨年、代表の市橋秀夫さんから私にも原稿依頼をいただきました。有り難く拙文「追悼・里見実さん-著作を演劇教育の視点で読み解く」をお送りした次第です。
 つい先日のこと、若干のカンパをしたということで、その追悼文集が2冊送られてきました。451頁、厚さ2.5㎝の大冊でした。
 大学三年次に千葉大学から東京大学に編入し、國學院大學で44年間教職に就いていた里見さんと出会った友人や同僚、教え子に留まらず、様々な運動を通して知り合った多岐にわたる人たちの膨大な「証言」が追悼文集になっています。Ⅷ部構成の追悼文集にアクセントを与えているのが、里見さんが時々に書き残された「コラム」です。里見さんの略年譜や書誌リストも研究者には有り難い情報です。

 到底すべてを読み切ってはいないのですが、直接的間接的に存じ上げている方の追悼文を拾い読みしながら、様々思いを巡らしています。横須賀薫、池田祥子、武藤啓司、村田悦子、加藤彰彦、志澤小夜子、若木美智子、大島信子、市橋秀夫、北山理子、佐藤学、千葉保、木幡寛、菅間正道、浅井幸子、楠原彰(敬称略)…。
 志澤さんは日教組の自主編成家庭科部会でお世話になり、里見さんと北山さんには雑誌『ひと』の原稿依頼を受けました。リーデフ'98(フレネ教育者国際会議)終了後、東久留米市立第九小の私の教室を1年くらいにわたって訪問してくださったのが浅井さん(現・東大)と津田園女さん(里見さんと共訳者として記述あり)でした。

 何人かの文章の中に「村田栄一さんを偲ぶ会」のことが書かれていました。村田さんが亡くなられた翌年から毎年開かれていて、コロナで休会中だったとか。参加者は村田さんと同世代の里見さん、加藤さん、武藤さん、池田さんたちだったようです。私とは世代は違うのですが、オブザーバーでも参加したかったと思ったことでした。
 村田栄一さん追悼集会に里見さんが登壇されたことは知っていましたが、外遊中のため出席は叶いませんでした。

 里見さんからいただいた本や資料を、今後、演劇教育の視点で読み解きたいと思っています。